ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2007.11.18
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カテゴリ: 国際政治
第一次世界大戦(3) 

社会主義者の態度

迫り来る戦争の危機に対して、各国の社会主義者や反戦運動家はどうしていたのか。帝国主義列強の平和運動を一瞥しておくことにします。

帝国主義の成立による世界各地における植民地化の進展は、一方では帝国主義諸国による、植民地獲得競争を激化させます。そしてもう一方で、各国の政治指導者は、資本主義の発達による労働者階級の成長と労働運動の活発化に対処し、その急進化を食い止める必要を感じるようになります。

ここに、各国において、植民地利得の一部を財源として、労働者の社会改革要求に応え、植民地政策に対する労働者階級の支持を得ようとする方針が採られるようになります。こうして社会政策の推進と植民地の獲得がセットとして考えられるようになって行きます。

各国の社会主義者は、自国の植民地獲得のための行動を、積極的に支持するようになって行きます。勿論、他国の植民地戦争は非難しながら、自国の植民地戦争は社会政策を推進するものとして、肯定的に捉えます。ここでは植民地民衆の生活権は考慮されず、むしろ国内の帝国主義社の主張を鵜呑みにして、自国の「平和的な植民地政策」は、世界平和と植民地の進歩を促すものと、大真面目に考えるありさまでした。帝国主義国の被抑圧階級である自分達労働者と、植民地民衆との連帯という発想は、見事なまでに抜け落ちていました。

それゆえ、二つのバルカン戦争後、戦争の危機が深まりつつある中でも、各国の社会主義者の態度は、国際戦争という総論には反対で一致しても、自国の戦争への参加という各論に対しては、強く支持するという矛盾した態度を、平気で採る事が出来たのです。

例をあげると、バルカン戦争が世界戦争の危機を告げた1912年、第2インターナショナル(労働者及び労働運動の国際組織)はスイスのバーゼルで反戦特別大会を開き、各国の社会主義者に対し、反戦の行動を採るように強く訴えました。当時ヨーロッパで最大規模のマルクス主義政党となっていた、ドイツ社会民主党は、既にベルリンで大規模な反戦集会とデモを組織、実行しており、各国の社会党は、大戦開始までは平和を訴え続けたのでした。

しかし、開戦は状況を劇的に替えました。ドイツ社会民主党は、「生存と文化と自由のための国民戦争」と規定して、戦争遂行への協力を宣言、戦時公債の発行を容認したのです。他の国々の社会主義者も、祖国防衛を唱える拝外主義の陥穽に落ちていたのです。



こうして、社会主義者の多くは、国家主義的な考えに深く染まっており、帝国主義の侵略戦争に対する論理を築き得なかったのです。彼等は、帝国主義に対する、確固たる認識を欠いていたのです。そのため、社会主義の国際連帯は、ここにあっけなく崩れ去ったのです。

こうして、本来なら団結するべき、各国の労働者や農民達が、共に殺し合う戦争が始まったのです。それは、とても残念なことでした。
                            続く
                   続く





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最終更新日  2007.11.18 21:25:43
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