ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2007.11.27
XML
カテゴリ: 国際政治
第一次世界大戦(12) 

秘密外交…2

フサイン・マクマホン協定で、戦後におけるアラブ世界の独立を約束したイギリスは、トルコやアラブ人には勿論、イタリアにも内密にして、1916年5月、ロシア、フランスとの三国でサイクス・ピコ協定を結びます。

これは、トルコ領アラブを三国で分割する協定でした。フランスにシリアを、ロシアに黒海東南地方を、そしてイギリスが南メソポタミアを領有するという内容です。まさに帝国主義の本質をあからさまに示している協定でした。イタリアにも秘密にしていたのですが、16年秋になって、イタリアが国内の反戦運動に手を焼き、単独講和に傾きはじめると、繋ぎ止めのために、新たにイタリアとも協定を結び、アラブ分割の際には、イタリアにも領土を割り当てることを約束しています。

さらにイギリスは、長引く戦争における財源難に対応するため、連合国に居住するユダヤ系の資金に着目し、1917年11月、アラブ人の居住地ながら、ユダヤ教徒も平和的に混住していた、パレスティナの地に、戦後におけるユダヤ国家の建設を認めるという、国王特使バルフォア卿の宣言(バルフォア宣言)を秘密裡に発して、ユダヤ系資金の導入に活路を開いています。

ここに記した三つの協定や口約束が、相互に矛盾する内容を持つことは、明白です。独立を認めた地を、分割し、かつまた流浪の民に、勝手に他人の土地での国家建設を認めて、どうするというのでしょう。今日に続く、アラブ地域の混乱は、この時のイギリスの勝利のためには手段を選ばないという、悪辣で巧妙な、汚らしい外交術が出発点となっているのです。

とはいえ、1948年のイスラエルの建国に関しては、それはイギリスというよりもアメリカにより大きな責任があります。第一次大戦後、イギリスは欧米在住のユダヤ系住民によるシオニズム運動(祖先の地、シオンの丘に帰ろうという運動)の高まりに、驚き慌て、国家としての関与を止め、手を引いてしまうのです。替わって登場したのがアメリカで、アメリカはアラブ地域の石油資源に目をつけ、この地にユダヤ国家という楔を打ち込むことで、アラブの分裂を図り、有利に石油資源を利用しようとしたのです。
                            続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.11.27 11:37:57
コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ザビ神父

ザビ神父

カレンダー

お気に入りブログ

お墓を写したフイル… New! 歩世亜さん

「一天にわかに掻き… New! でぶじゅぺ理さん

愛知県春日井市  … New! トンカツ1188さん

自然のはしくれメモ_… New! わからんtin1951さん

我が家の熱中症対策。 New! naomin0203さん

コメント新着

でぶじゅぺ理 @ Re:石破辞任(09/09) 明けましておめでとうございます。 本年…
葉月 生 @ Re:ご無沙汰しました(08/15) 神父さま お帰りなさいませ。 1ヵ月に1回…
kopanda06 @ Re:石破辞任(09/09) お久しぶりです。 降雨の中、高見観音の…
吉祥天2260 @ Re:石破辞任(09/09) どの人見てもなんだかねぇ・・・ 国のこと…
わからんtin1951 @ Re:石破辞任(09/09) テレビを観ていると、総裁選のことばかり…

バックナンバー

・2026.07
・2026.06
・2026.05
・2026.04
・2026.03

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: