ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2007.12.14
XML
カテゴリ: 国際経済
バブルを考える(70)閑話休題 

サブプライム続報

UBSの資本増強に続いて、米欧の中銀によるドル資金の潤沢な供給が発表されました。

日本が昨年ようやく卒業しつつある、日銀のゼロ金利政策による、資金の潤沢な供給の欧米版を思わせる動きです。こうした資金の潤沢な提供が、市場で資金を調達出来ずに資金繰り破綻(=突然死)を避けるために実施されることは、自国の例で骨身に染みて理解したことですから、この政策は我々には、何の新鮮味もありません。

欧米銀行の傘下にあるSIV(ローン債権等の運用会社)をはじめ、十分な資金を市場でとり込めそうもなく、親会社に全てを負担させると共倒れになりそうな企業の救済に、米欧の中銀が乗り出さざるをえなくなったことが読み取れる動きです。

瀕死の安田信託を抱え、富士銀行が共倒れを囁かれながら、安田信託の丸抱えを決断した97年末の状況の再現を避けたいというのが、FRBの狙いなのでしょう。SIVの抱える債務担保証券の買取機構の創設は、ボールソン財務長官が、サブプライム危機の顕在化直後に提案しながら、いまだに実現せず。当初1千億ドル規模と囁かれていたものが、いつの間にか500億ドルに減額され、しかも米国だけでは資金が集まらず、日欧のメガバンクへも資金の拠出を求めてきています。

いかに、米国の金融機関の資本の劣化が激しいかが感じ取れる逸話です。90年代後半に。債務の株式化にヒントを得て、ローン債権の証券化という美味しいビジネスを立ち上げ、無から有を生じるの類いで、大きな利益をあげた証券化ビジネスの厚化粧というか、化けの皮が剥げ落ち、ただの不良債権であることが、金貨と思っていたものがただの枯葉であることが露呈したということです。

この話が日本の土地や株のバブルと違う点は、土地や株は(株式会社の倒産を除けば)ゼロにはならないのに対し、メッキの剥げた証券化商品は、最終的には取引不能になりうることです。

まだ100%決まったわけではありませんが、一斉を風靡したローンの証券化ビジネスという、ビジネスモデルのメッキが剥げ、もはや使い物にならなくなった可能性が高いと、私は考えています。



ここまでは新聞は書いてくれませんが、私は来年の世界経済は不況色を強めると考えています。果たして日本だけが好調でいられるのでしょうか。

米欧の中央銀行の慌て振りを横目で見ながら、私はシニカルに冷ややかに、今までのツケをちゃんと払いなよアメリカさん、とつぶやいています。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.12.16 20:38:36
コメント(5) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ザビ神父

ザビ神父

カレンダー

お気に入りブログ

お墓を写したフイル… New! 歩世亜さん

「一天にわかに掻き… New! でぶじゅぺ理さん

愛知県春日井市  … New! トンカツ1188さん

自然のはしくれメモ_… New! わからんtin1951さん

我が家の熱中症対策。 New! naomin0203さん

コメント新着

でぶじゅぺ理 @ Re:石破辞任(09/09) 明けましておめでとうございます。 本年…
葉月 生 @ Re:ご無沙汰しました(08/15) 神父さま お帰りなさいませ。 1ヵ月に1回…
kopanda06 @ Re:石破辞任(09/09) お久しぶりです。 降雨の中、高見観音の…
吉祥天2260 @ Re:石破辞任(09/09) どの人見てもなんだかねぇ・・・ 国のこと…
わからんtin1951 @ Re:石破辞任(09/09) テレビを観ていると、総裁選のことばかり…

バックナンバー

・2026.07
・2026.06
・2026.05
・2026.04
・2026.03

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: