ザビ神父の証言

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2007.12.19
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カテゴリ: 日本経済
バブルを考える(73) 

長銀は債務超過

金融担当相を一時兼務した野中の決断で、長銀は破綻を認定した上で一時国有化する(36条適用)ことになりました。

当然、破綻なしの国有化(37条適用)に光明を見出していた長銀や、長銀は債務超過ではないと言い続けてきた大蔵省などは、破綻認定を伴う処理では、国有化のコストが増大するとして、反対しました。

最後に蔵相の宮沢に連絡をとり、長銀を債務超過と認定する金融監督庁の方針を伝え、その了解をとったのは、初代の金融担当相となった柳沢伯夫でした。派閥のボスに長銀の破綻処理を伝え、その了解を取り付ける大臣の姿勢に、新しい役所の幹部が奮い立ったところが想像できます。大蔵省から金融部門が、完全に独立できた瞬間と言えましょうか。

一方、破綻認定を伴わない一時国有化に固執した長銀は、なお抵抗を続けました。当時の日本の会計システムでは、減価の程度によっては、時価で評価せず、簿価で評価することが出来たのです。それゆえ、簿価評価をすれば債務超過にあらず、しかし時価評価をすれば債務超過ということがありえたのでした。解散価値は明らかにマイナスでも、存続するなら僅かなプラス、こんな言い訳が出来たのです。

長銀自らは、意地を張って37条での一時国有化を申請しましたが、金融監督庁は、その日のうちに、「破綻認定に基づく特別公的管理」の開始決定を長銀に通告しました。1998年の10月23日のことでした。

結局長銀の株価は、債務超過により0円と認定され、全株式は国有化されたのですが、解散に伴う清算によって、資産の劣化は進み、金融債の保護等による国庫負担は大変大きなものとなりました。宮沢が固執した債務超過云々を灰色にしたままでの、資本注入と他行との合併を推進した方が、安上がりだったことも、その後の展開の中で明らかになりました。

しかし私は、費用の問題だけ考えて、この時長銀を曖昧な形で救済していたとしたら、日本の金融界を覆う不良債権問題の処理はさらに長引き、日本経済全体の沈滞期は、今にも続いていただろうと考えています。目先の利益に拘らず、破綻処理というショック療法をとった事は、92年以来間違い続けて来た、先送り体質への痛撃という面では、必要なことだったのではないでしょうか。


                         続く





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最終更新日  2007.12.19 11:42:33
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