ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2008.01.18
XML
カテゴリ: 日本経済
バブルを考える(96) 

財政問題…2 新幹線

98年以降に投入された総合経済対策は、どんな効果を発揮したかを見てみましょう。

先ず金融機能安定化対策費を見ましょう。この費用は、金融機関の破綻処理や預金者保護、そして金融システムの崩壊を崩壊を防ぐための資本注入などであるから、金融機関の不始末と行政のミスの尻拭いのための費用という性格を持つ、後ろ向きの対策費です。前向きの構造改革のための費用とは、とても言えません。

その役割は、とりあえず金融恐慌の発生を抑え、金融機関をして、構造改革のスタートラインに立たせる条件を、政治の援助で整えてやることにあります。情けないことですが、当時はこれが喫緊の課題だったのです。

対策費の使徒の第2は、公共事業です。悪名高い整備新幹線の復活です。赤字新幹線の建設凍結でお蔵入りしていた九州新幹線や、北陸新幹線、東北新幹線の延長などが復活したことです。

80年代の中曽根政権下における国鉄民営化によって、赤字路線の建設には厳しい歯止めがかけられたはずでした。それでも、上越、山形、長野、東北の4新幹線は赤字路線となっています。民営化したJRに赤字の全てを押しつけるわけにはいきませんから、旧国鉄の赤字の多くは国鉄清算事業団が引き継ぎ、8~10%という高い金利の減免を銀行団に要請することもなく支払い続け、残った赤字20数兆円は税金で穴埋めしました。

そして、民営化後については、今後建設される新線については、鉄道建設公団(現在は独立行政法人)が建設して所有、JR各社に貸し出すことにしています。JR各社が軌道を借りて使用料を払って、列車を運行するのです。この軌道の使用料は乗客の見込み数、運転本数によって見直されます。それゆえ、新幹線建設の赤字の多くは、「鉄建公団」が抱えているのです。

いわば、国の隠れ借金、国による不良債権隠しがここにあるのです。それでは、新幹線建設で地域住民は潤うのでしょうか。そうではないのです。新線の停車駅近くの自治体と住民にはプラスになるのでしょうが、新幹線の停車駅は在来線に比べて、グンと少なくなります。そしてJRは新幹線の運行を開始すると同時に在来線の運行を停止してしまいます。



こういう問題山積みの状況には,知らん顔をしながら、現在も問題山積みの新幹線延伸建設費を組み込んだ予算案が、国会に提案されているのです。そして、ネジレ国会でも、この点が問題とされることはないのが現実です。自民・民主両党の議員の多くが、赤字新幹線の建設に声を上げて反対することがないからです。

新幹線の停車駅の出来る地域の自治体と住民は喜び、その他の地域の自治体や住民との間の生活格差を広げる、喜ぶのは地元の大企業と中央・地方の政治家と役人、仕事の入る中央と地方のゼネコンくらいでしかない、新幹線建設がこうして今も続いているのです。本来は国鉄の民営化で終るはずだったのに……

「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く…」
                            続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.01.20 01:38:55
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ザビ神父

ザビ神父

カレンダー

お気に入りブログ

福井県大野市  武… New! トンカツ1188さん

映画「きっと、いつ… New! naomin0203さん

「豊臣兄弟」仲野太… New! 5sayoriさん

今日はご機嫌💕 New! あみ3008さん

極級爆弾並みの隕石… New! 歩世亜さん

コメント新着

でぶじゅぺ理 @ Re:石破辞任(09/09) 明けましておめでとうございます。 本年…
葉月 生 @ Re:ご無沙汰しました(08/15) 神父さま お帰りなさいませ。 1ヵ月に1回…
kopanda06 @ Re:石破辞任(09/09) お久しぶりです。 降雨の中、高見観音の…
吉祥天2260 @ Re:石破辞任(09/09) どの人見てもなんだかねぇ・・・ 国のこと…
わからんtin1951 @ Re:石破辞任(09/09) テレビを観ていると、総裁選のことばかり…

バックナンバー

・2026.06
・2026.05
・2026.04
・2026.03
・2026.02

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: