ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.05.18
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カテゴリ: 国際経済
世界経済の現状(4)

欧米の金融機関、本格的に債務の踏み倒しにかかっています。昨日の日経の記事によると、スコットランド国立銀行(RBS)、ロイズ銀行、バークレイズといった英国の大手行は、4月に自行の債権を保有する投資家に対し、「お手元の債券を買い戻します」と、提案書を送りました。高利回りだけれど、返済順位の低い劣後債を元本の40%~80%で買い戻すという提案です。

何のことはない、差額は踏み倒すということです。提案したのはいずれも経営危機に陥り、公的資金の注入を受け、事実上政府管理下にある銀行ばかりです。

提案を受けた投資家は、満期まで待っても満額の返済を受けることは、先ず無理だろうと考えたのでしょう。途中倒産すればゼロになることなども考慮し、減額返済に応じるケースが続出しているそうです。RBSはこれで、40億ポンドの自己資本を積みましました。スイスのUBS,フランスのクレディ・アグリコルも同様の減額買取を始めています。

このシリーズの(2)に書いた、米国が国家ぐるみで始めた超大粉飾と実は同じです。発行した社債の実際の市場での取引レートを、そのまま簿価にして良いというものです。40%なら、100億ドルの借金を40億ドルで計上でき、差額の60億ドルは利益として計上してよいという、
開いた口のふさがらない見え透いた詐欺的行為のことです。

しかし、実際に倒産の可能性をチラつかせて、減額弁済を押し付けてしまうと、まさに相手が債務を放棄してくれたことになりますから、ここではまさに、かつての日本の債務放棄と同じことがおき、負債評価益という見かけの利益は、債務免除益という実際の利益に変わっています。これが欧州のやり方です、

アメリカはどうか。米国では、公的資金を使った優先株を普通株に転換する動きが急です。こうすると、転換した株式の全学を資本勘定に組み入れることが出来るからです。これも要するに債務の株式化の手段です。資本不足とされた金融機関に自力増資などできるはずがありませんから、税金を使って、政府が株主になるしかないのですね。

いずれ、米国の金融機関でも、債務の踏み倒しが始まるでしょう。このことが、経済全体に同影響するかは、しばらくあとに記します。金融機関は、こうして、自己にかかるデレバレッジ効果を、小さくしようとしています。しかし、大企業であり、政府の支援を受けることが出来るところは別として、中小企業や個人にとっては、こうした手段は、全くもって不可能です。彼ら、彼女らには、こうした抜け道は用意されていないのです。





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最終更新日  2009.05.18 21:29:39
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