ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.05.25
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カテゴリ: 外国史
宗教改革よもやま話 (7)

活版印刷に使用が可能なインクは、接合性(良く紙に乗る)と乾燥性に優れていなければなりません。印刷した時に流れもせず、こびりつきもせず、しかも印刷後に剥げることもないインクであることが必要です。

こういうインクは、クーデンベルクが金属活字を考案するよりも半世紀ほど早く、15世紀の初頭に誕生していました。亜麻仁油のワニスに在来の黒インクを練りこんで作られた新種のインクでした。オランダの版画にこうした材質の絵の具やインクが使われたのが、最初でした。

絵の具を用いる絵師と金属細工師は、教会の新築や改築の際に、壁画や装飾の仕事に同時並行で携わる仕事仲間でしたから、互いの技術情報を交換したり、提供しあう機会を持っていたとしても、不思議ではありません。

また印刷機の構造は、亜麻織物業者が使用する亜麻布圧縮機をヒントにしたのではないかと言われるのですが、当時亜麻織物は最もポピュラーな織物の一つでしたし、原料の自給も可能でしたから、かなり広範な地域に広まっていました。

そして亜麻織物の原料である亜麻の種子は、亜麻仁油の原料そのものです。この点は確認出来ないのですが、ここにも何らかの繋がりがありそうですね。また同じ構造の圧縮機は、紙の製造工程でも、湿った紙を平らに伸ばし、湿り気を取るのにも使われていました。

さて、もう一つ紙の問題があります。紙の製法は中国で確立され、8世紀にイスラム世界に伝えられ、スペインを通じてヨーロッパに伝播したことが、分かっています。ヨーロッパ最初の製紙工場は1150年にスペインのサティバに建設されています。ドイツ最初の製紙工場は、ずっと遅れて1390年にニュルンベルクに誕生しました。

こういう状態でしたから、グーテンベルクの時代には、羊の皮をなめした羊皮紙を使うのが一般的だったのです。中世文書の殆どは、この羊皮紙に書かれているのです。昨日記した『42行聖書』の印刷冊数のおよそ16%程度は、羊皮紙で作られた書物です。

しかし、次第に使い勝手が良く、インクの乗りも良い紙の需要が広まってゆきます。紙需要の増加は、次第に製造技術の革新を招き、それにつれて、紙の価格も値下がりを続けたのです。





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最終更新日  2009.05.25 21:57:25
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