ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.07.27
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カテゴリ: 社会風俗
民衆を導く自由の女神

本日のクロニクルに取り上げた「七月革命」というと、この絵が出てきますね。

ドラクリワの傑作です。

民衆を導く自由の女神

中央に横たわる死者や重傷者の思いを汲取ったように、三色旗を掲げて、後景の人々に進撃を呼びかける、豊かな胸をあらわにした女神の姿があります。

まずは、この女神にご注目下さい。女神は勤労に鍛えられた逞しい肉体の持ち主です。ここにある女神は深窓の令嬢とは無縁な、働く女性であることが暗示されています。そしてその女神の脇で、女神の登場を喜んではしゃぎながら、拾った拳銃を振り回してる少年の姿があります。

当時のフランス、特にパリ中心の大都会で増えてきた住処の定かでない浮浪少年の姿を、ドラクロワは画幅の中に映しこんだのです。後年ヴィクトル・ユゴーは、『レ・ミゼラブル』の終わり近くに、ガヴローシュとなずけた浮浪少年を描いています。ユゴー以後、この時期の浮浪少年は、ガヴローシュと総称されるようになりました。

女神の左手には、青いシャツ姿の傷ついた労働者が、安心したように女神を見上げています。その脇にシルクハットを耳までずらせて、ラッパ銃を手にした市民がいます。この人物がドラクロワの自画像であると、考えれれています。画家は革命に共鳴した自らの姿をも、画幅の中に表現したかったのですね。

ドラクロワは、栄光の3日間の体験を通して、王制に対する民衆とブルジョワの勝利、三色旗の勝利を確信したのでしょう。伝統主義者として知られ、貴族の伝統に惹かれていたドラクロワも、動かしがたい歴史の進行に立会い、心の奥深くを揺さぶられたことが分かります。

後日談です。ドラクロワのこの絵は、翌1831年のサロンに出品されました。パリを訪れたハイネは、この絵に惹き付けられます。

これら全てが、この絵に真実と実質と独走を与えている。そして人は七月革命の真の姿を察知する。」(井上正蔵『ハインリヒ・ハイネ』岩波新書より)
ハイネは、革命の出来ない祖国ドイツの現実を憂いながら、こう記しています。





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最終更新日  2010.07.27 13:19:07
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