ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.07.31
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カテゴリ: 外国史
19世紀のアメリカ(84)

第3章 南北戦争と再建…10

最終的に南部連合に加わったのは、11州でした。これに対して一般に北部連合と呼ばれる合衆国に残ったのは23州です。

実はこの23州には、ミズーリ、ケンタッキー、デラウェア、メリーランドと、自由州との境界地域にあった4つの奴隷州が含まれていました。4州は、奴隷制度を抱えていましたが、北部地域との経済的繋がりを重視して、分離独立の道を選ばなかったのです。

また、南部連合に加わったヴァージニア州では、後にウエストヴァージニアとして独立の州となるウエストヴァージニアもまた、ヴァージニア州に反旗を翻して、合衆国に残る道を選びました。

こうして南北戦争は、南部連合の合衆国からの分離独立の是非を争点に、始まりました。子の戦争は4年を越える大規模な内乱として、戦われましたから、大変な消耗戦になりました。時あたかも幕末の日本です。日本の鎖国の扉を開いたパリーやハリスのアメリカが、幕末維新期の日本の政争に、ほとんどその影を記しません。出てくるのはパークスやオールコックのイギリスと、ロッシュとサトーのフランスばかりです。そのわけは、この南北戦争にあるのですね。米国にとっての不幸な戦争は、幕末維新期の日本が独立を守る上で、実はかなり大きな意味を持っていました。

さて、開戦時の南北の実力を比較してみましょう。人口は北部側が2400万人、南部側は350万人の奴隷を加えても900万人に過ぎません。北部は約2,4倍です。動員兵力は北部の200万人に対して、南部は85万人に過ぎません。およそ7:3です。工業生産力に至っては、北部の15億ドルに対して、南部は1,5億ドルとようやく北部の10分の1です。

鉄道の建設キロ数でも北部と南部は69:31の差があり、銀行の預金残高の比も4:1と大きく開いていたのです。南北の力の差は歴然としていました。そんな中で、南部が独立の希望を捨てず、大きな力の差がありながら、健闘を続けたわけは、ヨーロッパの大国イギリスとフランスの口添えや介入を期待したからです。

産業革命を終え、この時期には世界の工場と呼ばれたイギリスでは、なおランカシャ綿業が中心産業の地位にあり、その最大の原料提供地が、南部連合特に低南部と呼ばれた綿花生産地帯でした。そして、フランスもまた南部諸州との付き合いが深かったのです。



勢力均衡による平和になれたヨーロッパ諸国にとって、北米大陸に出現した巨大な合衆国の存在は、可能なればいくつかに分裂させたい存在でした。それ故に英仏両国は、どこかで米国の内戦に介入し、円満な形で南部が独立できるよう、北部を説得することにありました。

この状況をリンカンの政府の側から見ると、ヨーロッパ列強、とりわけイギリスとフランスの介入、南部支援を封じることが、喫緊の課題として意識されることになります。さて、リンカンはどうしたでしょうか?
                               続く





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最終更新日  2010.07.31 19:05:33
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