ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.09.09
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カテゴリ: 外国史
19世紀のアメリカ(120) 

第5章 アメリカ文化の諸相…1

1884(明治17)年、ほとんど無一文に近い23歳の青年内村鑑三は、単身アメリカ留学へと旅たちました。当然前途の多難を思わせるのですが、1895年に刊行された、彼の自伝『余は如何にして基督信徒となりし乎』によると、およそ次のようでした。

彼にとってアメリカは、徳高く敬虔なピューリタン的信仰生活を送る人々の国として、イメージされていました。彼は語ります。
「…教会堂の聳える小山、賛美歌の響きわたる丘を余は夢見た。実に余の心に描かれし米国の像は、まさに『聖地』のそれであった」と。

しかし、現実のアメリカは違っていました。サンフランシスコに上陸してすぐ、内村は掏摸の存在を知る体験にあいます。シカゴで汽車を乗り換えた時には、親切そうに手伝ってくれた人にチップを要求されて驚き、金銭万能主義の現実に直面します。さらに、ホテルの部屋にもタンスにも鍵がかかっていることから、社会の不安を知ります。

黒人や中国人に対する人種偏見の凄まじさも体験します。そこから内村は、
「嗚呼天よ、余は誤てり! 余は欺かれたり!」と、痛憤し、嘆息しています。そして内村は、こうした幻滅の底から、なおアメリカに生きる真のキリスト教精神を掴みなおそうと、悪戦苦闘を続けることになったのです。         
                            続く





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最終更新日  2010.09.09 13:59:19
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