ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.12.12
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カテゴリ: 国際経済
ユーロの憂鬱 (8)

現在の世界は、「グローバル化している」と良く言われます。確かに物、金、人の移動を見ても、この事実は否定しようがありません。その限り、誰もが誰でもと繋がっています。誰かが風邪をひくと、みんなに写ります。風邪をひくのが、どんなに小さな誰かであっても、みんなが繋がっている状況にあっては、たちどころにその影響は増幅されて、みんなに波及していきます。

リーマンショック後の状態は、見事にこの事実を示してくれました。これがグローバル化時代の現実でした。世界がグローバル化する以前には、国境が一定の防火扉の役割を果たしていました。今や、その効果は期待できません。そして、世界を覆うこうした状況は、EUという連合体の中では、より強烈に現れるのです。物、金、人にサービスまでもが、EU域内を自由に移動するのです。

そしてEUの過半数の国が、ユーロという1つの通貨を共有している。ここでは国境線が何の歯止めにもなりようがありません。ユーロという単一の通貨を共有していなければ、ギリシアにしても、アイルランドにしても、さらにはポルトガルやスペインにしても、独自の為替政策や金融政策で、経済的なショックに対処することもできたでしょう。

しかし、ユーロという共通通貨を持つがゆえに、これらの国々に、こうした自由度はまったくありません。ユーロ相場の変動の波に、なすすべなく弄ばれながら、欧州中央銀行(ECB)の金融政策に身を預けるしかないのです。どの国も自前の防波堤を用意して、大洪水から身を守ることは出来ないのです。

ユーロという1つの通貨を共有したがゆえに、そこに加わった国々は、一蓮托生の怖さを、今噛み締めているのです。そして、リーマンショック後の状況のなかで、一蓮托生の恐怖を目の当たりにしたユーロ加盟国がとった行動が、また傑作でした。

どの国もが、自分のことしか考えられないとばかりに、先を争って抜け駆け行動に走ったのです。そこでは、EUの継ぎはぎロボット振りが、くっきりと浮かび上がったのです。

EUは1つの巨大ロボットとして、整然と動くのではなく、個々のバーツ(一国一国)が、てんでん勝手に、わが身のみを守ろうとする方向に動いたのです。
                                  続く





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最終更新日  2010.12.12 20:11:43
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