ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2010.12.17
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カテゴリ: 国際経済
ユーロの憂鬱 (13)

お金は、通貨としての面と金融としての面という、2つの側面で働いています。2つの顔を持っていると言えます。

ユーロという新しい通貨は、金融の側面で様々な問題を抱え、その点で世界的な信頼を、なかなか掴めないで来ました。

1980年代末以降、EUは金融市場の統合を進めてきました。国境を越えた資金移動を自由にすることです。人の移動を自由にしたシェンゲン協定のお金版です。EU域内なら、誰が何処で金融ビジネスを行なっても良いようにすることです。

銀行は、EUの範囲内であれば、国境に関係なく何処ででも、自由に支店を出したり、預金を集めたり、投資業務を行なっても良いことにしようというのです。

巨大な単一の金融市場の形成を目指す。狙いとしては良く分かります。金融市場の統合は、欧州各国の金融機関にとって、願ってもない大きなビジネスチャンスの到来と写りました・自国市場という小さな野原から、広大なサヴァンナで自由に動き回れるチャンスが降ってきたのですから…。

しかし、そのことは、うかうかしていると他国の金融機関に、自国の金融市場まで食い荒らされる危険とセットになっていました。今までは、自国の風習に則って、自分たちなりの方針でやっていれば、まず自分たちの領分は守れたのです。

ところが、金融市場の統合によって、棲み分けの境界線がなくなったのです。チャンスは同時にピンチでもあったのです。もうノンビリはしていられません。日本の金融機関のように、護送船団よろしく大蔵省(後には財務省や金融庁)の保護下に国内市場にしがみつくわけにはいかなくなったのです。

欧州の金融機関は、互いに生き残りをかけた競争の中に、放り込まれたのです。その生存競争の厳しさは、瞬く間に金融自由化の先輩だった米国を凌ぐほどになりました。



金融市場は統合したけれど、金融行政は各国にお任せのままですから、所詮バラバラです。このため、欧州単一の金融市場も、世界から支持を集めることは、なお難しいです。しかも、ここに東欧問題が加わり、金融機関の競争を、一層激しくしたのです。
                                    ザビ






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最終更新日  2010.12.20 19:03:48
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