ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2011.03.27
XML
カテゴリ: 国際政治
チュニジアからエジプトへ…(43)

米軍とNATO軍によるリビア空爆は、19日に開始されました。それまで、空爆を渋っていた米国が態度を変えたのは、このままでは反カダフィ派が壊滅しかねない状況が生まれたからでした。

その時期に、米政府の代表がサウジを訪問しています。そこでおそらく米国は、アラブ連盟が「リビアに飛行禁止空域を設定すること」を支持し、その禁止空域の監視に軍をだすことを条件に、「サウジがバーレーンに軍を出し、反王政派を鎮圧することを黙認する」という交換条件を出したものと思われます。

事実サウジはバーレーンに軍を派遣し、デモ隊を鎮圧。問答無用の弾圧を加えてはじめました。そして時をほぼ同じくして、リビア空爆が始まったのです。米・英・仏・伊の思惑ははっきりしています。リビア東部は、リビアの油田地帯の大半を含みます。

反カダフィ派を支援することは、リビア東部の油田を手にすることに通じます。金のなる木である油田地帯を支配できるチャンスが、ようやく巡ってきたのです。このチャンスを逃してなるか。これが米・英・仏・伊の思惑でした。

まして、カダフィは、「欧米には、1滴たりとも石油は売らない」と明言したのです。カダフィに勝利されたのでは、たまりません。これが、介入の論理でした。

しかし、昨日も触れたように、介入した諸国も、カダフィ派の一掃までは主張していません。となると、力不足の反革命派が、リビア全土を支配下にする可能性も極めて小さいです。
リビアの東西への分裂の可能性が、そして少なくとも独裁者がいない東地区では、部族間の内戦に近い不安定な状況が、続く可能性が高いように思われます。

もともと、アフリカでは、エジプトやモロッコ、エチオピアなどを除けば、国境線は植民地列強同士が、夫々の利害によって、勝手に線引きしたものに過ぎません。そこには近代国民国家のような、内発的事情によって、定められた国境はないのです。


                                   続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.03.27 21:02:13
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ザビ神父

ザビ神父

カレンダー

お気に入りブログ

映画「きっと、いつ… New! naomin0203さん

「豊臣兄弟」仲野太… New! 5sayoriさん

今日はご機嫌💕 New! あみ3008さん

極級爆弾並みの隕石… New! 歩世亜さん

・・・ New! でぶじゅぺ理さん

コメント新着

でぶじゅぺ理 @ Re:石破辞任(09/09) 明けましておめでとうございます。 本年…
葉月 生 @ Re:ご無沙汰しました(08/15) 神父さま お帰りなさいませ。 1ヵ月に1回…
kopanda06 @ Re:石破辞任(09/09) お久しぶりです。 降雨の中、高見観音の…
吉祥天2260 @ Re:石破辞任(09/09) どの人見てもなんだかねぇ・・・ 国のこと…
わからんtin1951 @ Re:石破辞任(09/09) テレビを観ていると、総裁選のことばかり…

バックナンバー

・2026.06
・2026.05
・2026.04
・2026.03
・2026.02

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: