ザビ神父の証言

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2016.06.11
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カテゴリ: 日本経済
クロニクル 日本列島改造論発表

1972(昭和 47)年6月11日

44年前のこの日、田中角栄通産大臣が、持論の日本列島改造論をまとめて発表しました。 沖縄返還を花道に総理・総裁の辞任を表明していた佐藤栄作首相の後継総裁を決める総裁選へ望む、角栄流の事実上の政策発表でもありました。

この公約を引っさげて、田中角栄は7月5日の総裁選に勝ち、7日に第一次田中内閣が誕生する運びとなります。

さて「日本列島改造計画」の内容ですが、当時一般に伝えられた通りで、およそ次ぎの3点にまとめることができるように思います。
 (1)人口の過密と過疎を同時に解消するために、工業地帯を再配置する
 (2)地方に25万人の都市を建設する
 (3)全国に新幹線・高速道路・情報網を整備する



雪国出身の政治家ならではの発想といえましょうか。国内の格差はいまだ埋まらず、地方の悲鳴は、当時よりむしろ切実で悲痛なものとなっているのは、構想は理解出来ても、実現に向けての手法に大きな問題があり、その時受けた大きな傷がいまだに癒されないままに、現在まで引きづっているからと、言えなくもありません。

当時彼の構想を実現するには、「ペルシャ湾のホルムズ海峡から、延々日本まで原油を運ぶタンカーの行列が続くほどに、大量の原油輸入が必要になるが、果してそれは可能なのか」という至極まっとうな批判がありました。それは世界の原油消費のバランス、世界の経済秩序を意識した批判だったのですが、この懸念は翌年秋、第一次オイルショックの発生によって、現実のものになりました。

72年当時の原油価格の平均は、1バーレル3ドル以下でしたから、列島改造計画そのものが、原油は無尽蔵であり、安価でいつまでも輸入出きるという、幻想の上に立っていたということになります。

夢破れた後に、この失敗を反省しての、全く別の構想がを牽引する政治家が現れず、彼の構想の一部つまみ食いだけが、今に至るもチマチマと続けられていますね。これでは日本経済と日本の元気の再構築は出来そうもないですね。

オイルショックの結果、この計画は、地方を含む土地価格の急騰、物価の急騰とインフレを誘発しただけで、実現不可能となりました。とりわけ、地方の工業化計画に淡い期待を抱いた地方に、大きな爪あとを残したのです。

この地方の傷が、85年以降のバブル期に、「あの時やれなかったことを、今なら」という雰囲気を醸し出し、今度は工業都市ではなく、リゾート計画として、再び過大な投資を促して、再度の大きな傷を残すことになりました。

現在の地方の困難は、この2度の誤算によって増幅された結果であるように思います。





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最終更新日  2016.06.11 18:04:03
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