ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2020.10.13
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カテゴリ: 日本史
続・日本の民主化を巡って

GHQによる日本の民主化の殆どは、民政局によって具体策が練られ、実行に移されたものがほとんどでしたが、その中で最大のヒットは何かというと、私は農地改革をおいて外にないと考えています。

理由はいくつかありますが、日本と中国のその後を見れば一目瞭然です。日本がポツダム宣言を受諾し、日本の敗戦が確定した当時の中国の状態を見ましょう。当時中国における共産党勢力の軍事力は、国民党軍と比べて、はるかに劣勢でした。年配の方はご存知でしょうが、朱徳将軍率いる共産党軍は、当時八路軍と呼ばれていました。つまり第8軍です。ということは第1軍から第7軍までは、全て国民党の軍隊でした。つまり日本軍が中国で対峙していた部隊の殆どは国民党軍だったのです。

ですから、対日戦が終わって、再び国共内戦が始まっても、国民党軍の勝利は揺るがない。米国政府や米軍、そして欧州の英国なども、やがて中華民国は落ち着き、蒋介石の支配が固まると考えていました。この目論見は驚くことに、裏切られました。49年夏、国民党軍は共産党軍に敗れ、やっとの思いで台湾へ逃れ、米国の援助を受けて、辛うじて台湾を確保するに終わりました。

蒋介石の国民党は、なぜ内戦の敗者になったのか。答えは簡単です。彼らは中国農民の大多数を占めていた、まったく土地を持たない無地農民や自給規模の土地を所有できない少地農民といった小作農民の要望に耳を傾けず、大土地所有者(大地主)擁護の政策を執り続けたのです。対する共産党は、支配地域を広げると、地主の土地は没収して、貧農たちの要望を聞き入れ、彼らに対する土地分配を続けていったのです。その結果、共産党軍は各地で歓迎され、両者の力関係は、短期間に逆転していったのです。

貧農の要望を聞き入れたか否か、この点が蒋介石一派と毛沢東派の明暗を分けたのです。翻って日本の農地改革は、不在地主の土地は全て、在村地主の土地は1町歩を超える部分を強制的に買い上げ、これを貧農たちに分与するというものでした。GHQの占領下で、GHQの強い圧力の下で、ようやく実現した貧農への土地分与でした。

その結果、土地所有農民となった貧農たちは、個人の土地所有を認めない共産主義を敵視し、中国共産党の成功にならって、山村工作隊などを展開して日本の社会主義革命を目指した日本共産党の行動にそっぽを向いたのです。

もしGHQが農地改革を、日本政府に命ずるだけ命じて、全てを日本側に任せていたら、日本の官僚機構の得意技である(これは今でも変わりませんね)やったふりだけする式の、僅かな手直しでお茶を濁すだけに留まったでしょうから、共産党の主張が小作農民たちの耳に届き、小作農の大反乱が起きていたかもしれません。

農地改革は、日本の経済復興の面でも、大きな役割を果たしているのです。この点は明日に」…





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最終更新日  2020.10.13 20:10:41
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