ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2021.04.22
XML
カテゴリ: 国際政治
台湾リスク

それでは、中国の台湾侵攻リスク、即ち台湾有事の可能性はどの程度あるのかを考えておきましょう。
習近平は、2019年1月2日の「台湾同胞に告げる書」40周年記念式典での挨拶で、中・台統一に向けての強い意欲を強調しました。彼自身の在任中に実現したいとする意欲が感じ取れました。

習近平の2期目の任期は22年秋までですが、彼は最高指導部は任期中に70歳を超える場合は、70歳前でも引退しなければならないという、党の決まりを改め、22年の任期満了後も3期目に入る足場を固めていますから、22年までに台湾との統一を実現しようとは考えていないでしょう。

今年2021年は、中国共産党の創立100周年にあたります。そして来年2月には北京冬季オリンピックが控え、そして22年秋には第20回党大会が控えています。そういう慌ただしい時に、失敗すれば自らの続投を危うくするような、危険な賭けに出ることは考えにくいように思われます。

となると、次のターゲットは2027年の中国人民解放軍の創立100周年が考えられ、続いて彼自身の3期目の任期満了となりますが、この時彼は74歳ですから、現在すでに独裁権力を固めている彼は、4期目も視野に入れている可能性があります。台湾侵攻となれば、これは中国にとって失敗の許されない大きな国家的プロジェクトです。もし失敗したら、失脚するだけでなく、過去の栄誉もすべて消し去られるほどの痛手になります。 中国の世界的地位は、今後もしばらくは上昇を続けますから、台湾統一は時間をかけてゆっくりと、熟柿が落ちるのを待つつもりなのではないかと見ています。

現在中国は、台湾の防空識別圏(ADIZ)への侵入を執拗に続けて、米国や日本を牽制しています。これは、台湾の独立宣言や米国の「一つの中国政策」の変更といった現状の根本的な変更がなされることへの危惧感からくるものでしょう。 ADIZへの侵入は、95年~96年の台湾海峡危機の際に行われた軍の再配置やミサイルの発射実験に比べると、偶発的な戦争を誘発する危険は抑えられています。

つまり、台湾に対し軍事的圧力を加えつつ、外交的な孤立に追い込み、時間をかけて台湾をあきらめの境地に追いやり、それによって統一を余儀なくさせる作戦のようにも思われます。

ただ、中国にとってのジレンマは、中国の現状の強圧的な姿勢が、台湾内部で中国に対して融和的な国民党の支持を下げ、中国に対して最も強硬なスタンスを取る民進党の支持を高めてしまっていることにあります。偶発的な衝突が起きないよう、様子を見て行きましょう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.04.22 21:39:50
コメント(11) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ザビ神父

ザビ神父

カレンダー

お気に入りブログ

福井県大野市  武… New! トンカツ1188さん

映画「きっと、いつ… New! naomin0203さん

「豊臣兄弟」仲野太… New! 5sayoriさん

今日はご機嫌💕 New! あみ3008さん

極級爆弾並みの隕石… New! 歩世亜さん

コメント新着

でぶじゅぺ理 @ Re:石破辞任(09/09) 明けましておめでとうございます。 本年…
葉月 生 @ Re:ご無沙汰しました(08/15) 神父さま お帰りなさいませ。 1ヵ月に1回…
kopanda06 @ Re:石破辞任(09/09) お久しぶりです。 降雨の中、高見観音の…
吉祥天2260 @ Re:石破辞任(09/09) どの人見てもなんだかねぇ・・・ 国のこと…
わからんtin1951 @ Re:石破辞任(09/09) テレビを観ていると、総裁選のことばかり…

バックナンバー

・2026.06
・2026.05
・2026.04
・2026.03
・2026.02

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: