All The Things You Are

November 19, 2007
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テーマ: Jazz(1977)
カテゴリ: Standard
【スタンダード・ナンバー】


The Sound Of Music
【邦題:サウンド・オブ・ミュージック】


この曲は、オスカー・ハマースタイン2世の作詞、リチャード・ロジャースの作曲によるもので、
1959年11月16日に始まったブロードウェイ・ミュージカル、
『The Sound Of Music(サウンド・オブ・ミュージック)』の主題歌として使われました。
その中では、主演のメアリィ・マーティンが歌いました。

そして、このミュージカルは「ロジャース&ハマースタイン」のコンビの最後の作品になりました。

このコンビによるミュージカルは、
1943年の『Oklahoma!(オクラホマ!)』で2000回を超える上演回数を記録し、
1945年の『Carousel(回転木馬)』で800回、

1951年の『The King And I(王様と私)』で1246回と毎回大成功を収めてきましたが、
前回1958年の作品『Flower Drum Song(フラワー・ドラム・ソング)』では600回と、
彼らの作品としては低調に終わりました。
しかし、1959年に開演したこのミュージカルは1442回という大成功を記録し、
さらに、全米で二年半にわたり地方を巡業し、1000回を数えるヒットになりました。
しかも、1965年にジュリィ・アンドリュース主演で映画化された『The Sound Of Music』は、
全世界で5億ドルの収益を上げ、当時の新記録になりました。

このミュージカル『The Sound Of Music』には、この主題歌のほかに、
「Maria(マリア)」、「DO-RE-MI(ド・レ・ミの歌)」、「Sixteen Going Seventeen(もうすぐ17才)」、
「My Favorite Things(私のお気に入り)」、「Edelweiss(エーデルワイス)」など、
日本でも、だれもが、どこかで耳にしている曲が入っています。


また、歌い継がれています。

もうこのミュージカルを手がけるころには、
ロジャース&ハマースタインのコンビの曲作りの様式は完全に確立されていて、
二人は作詞、作曲だけでなく、脚本や制作など、すべてを自分たちのプランで行っていました。
まず、彼らは戯曲(脚本・台本のもとになる物語)そのものについて議論するところから始めたと言います。

どういう曲がどこに必要かとか、そこに必要な演技、演奏、歌に至るまで詳細に議論しました。
そして、まず脚本を書き上げ、細部まで完全にできあがったところで、
やっとオスカー・ハマースタイン2世は歌詞を書き始め、
そして、それにリチャード・ロジャースが曲をつけました。

リハーサルは1日12時間、週7日間休みなしの強行日程で行われ、
二人は、いつもその場にいて見守っていました。
それは、リハーサルの展開次第で、曲や歌詞に変更を加える必要が生じたとき、
すぐにそれに対応するためや、そのほか、多くの助言や注意も与えるためでもありました。
ハマースタインはいつも観客席にいて、遠くから舞台を眺め、気がついた点などをメモにとっていました。
一方、ロジャースは、会場の中をあちこち歩き回って、音響効果や、照明の具合などを確認していました。
それから、身を隠すように隅っこに陣どると、瞑想にふけるように長い間沈黙を守ったりしたと言います。

しかし、この作品の完成間近のころ、二人ともガンに侵されていて体調が悪くなっていました。
ロジャースは病院と舞台を往復しながら、
ハマースタイン2世は余命宣告を受けながら、最後の曲「エーデルワイス」を書き下ろしたということです。

1959年11月に『The Sound Of Music』が開演されましたが、
オスカー・ハマースタイン2世は、まだその公演の途中の1960年8月23日に、
故郷のペンシルヴァニア州ドレイスタウンの別荘で、65歳で息を引き取りました。

『The Sound Of Music』は、ミュージカル史上第4位の、1442回の公演という超ロングランを記録しましたが
(この4位までのうち3作品がロジャース&ハマースタインの作品)、
ハマースタインが亡くなった時点では、まだ300回くらいのときでした。

しかも、年間最優秀ミュージカル賞を含む5つのトニー賞を受賞したこと、
5年後に、このミュージカルが映画化され、世界中で大ヒットしたこと、
そのときサウンドトラック・アルバムが全米チャート1位を2週間ものあいだ記録したことなど、
『The Sound Of Music』の完全な成功を見届けることなく、彼はこの世を去ってしまったのでした。

しかし、「ロジャース&ハマースタイン」の名前は、永遠にスクリーンに刻まれているのです。

このミュージカルは、永遠に語り継がれることになる栄光の「ロジャース&ハマースタイン」の、
最後を飾った作品になりました。

*****

●ザ・サウンド・オブ・ミュージック
The Sound Of Music
【邦題:サウンド・オブ・ミュージック】

作詞:オスカー・ハマースタイン2世
作曲:リチャード・ロジャース
1959年


《ヴァース》
丘の上ですごす日々は、もう終わりに近づいたわ
星が一つ出てきて私にそう言ったの
でも深い緑の陰の暗がりの中から
どことなく行かないでという声が聞こえてくる
だから私は立ち止まってじっと待ち耳をすますの
あのステキな音楽を聴きたくて

《コーラス》
高原は生きている
千年ものあいだ、歌い継がれてきた歌で
私たちに音楽を奏でてくれる
高原は私の心を音楽の調べで満たしてくれる
聴こえてくるどの歌も私は心から歌いたい

湖から木々へ飛びたつ鳥たちの翼のように
私の心も大きくはばたきたいと望んでいる
教会から風に乗ってただよう鐘の音のように
私の心もささやきながら、ただよいたい

石の上にたたきつけられ流れ落ちていく
小川の喜びのように私も笑って喜びたい
鳴くことを覚えたばかりのヒバリのように
私も夜通し歌い続けていたい

心がさみしく感じるとき私は高原に行く
いつも聴こえていた、あの音楽がまた聴こえてくる
あの音楽の調べに
私の心は洗われ清められる
そして私はまたあの歌を、もう一度歌いたい

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Last updated  November 20, 2007 12:28:00 PM
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