とめどなく流れるあせの中に、おれの男の魂がよみがえる。
真夏の海が、おれは好きだ。
せまりくる、たそがれの海も また美しい。
夕陽が燃えるとき、きらめく水平線のかなたから、
おれの青春が帰ってくる。
海はあこがれ、男のロマン。
無限に広がる男の世界だ。
…うわさの姫子 イラスト・アルバム「愛のメモリー」より
昭和54年('79年)に発売された「 うわさの姫子
」のイラストアルバム「 愛のメモリー
」に載っている、 真樹
のイラスト&ポエムを唐突に紹介してみた。
主人公・ 梅宮姫子
ちゃんのBFにしてガキ大将の 岡真樹
くんはこの時、明星小学校の5年か6年生。当時も今も真樹にメロメロ(死語)だが、流石にこんな小学生はちょっとイヤだ…
中学生になる頃にはすっかり飽きていた「うわさの姫子」だが、20年以上経ってなぜか無性に読みたくなった。特に印象に残っていた話は、第5部“ いそうろうと姫子
”の第14章“ このごろ少~しへんな真樹
”。
姫子の幼馴染である ひで坊
が再び姫子の家に居候するようになってからのこと。真樹は遅刻したり授業中に眠ったり、好きな空手部の練習にも出ないでボンヤリしていることが多くなった。 チッチ
は姫子のことで悩んでいるのでは?と言うが…。
そんな折、理科の実験中に薬品を爆発させてしまった真樹は、逃げるでもなくすすで真っ黒に。 メガ六
はもし真樹が自殺したら姫子のせいだと責める。真樹が自殺?まさか…と思うものの、最近の真樹の様子が気になって仕方がない姫子だった。
ある日、夕飯の買い物をしていた姫子は不審者を見かけ、持っていた大根で殴りつけた。が、それは新聞配達中の真樹だった。体を鍛えるためだと明るく振舞う真樹と笑って別れた姫子だったが、何か違和感を覚える。
剣道部の練習を終えて帰宅途中、肉屋で買ったコロッケをつまみ食いしていた姫子は、思いもよらぬ人に出会う。買い物袋を抱えた真樹と、彼の妹・ 春美
ちゃんだった。
真樹を手伝うため家に上がった姫子は、真樹の家の事情を初めて知る。父親の会社が潰れ、失業した父に代わり母親も真樹も働いているという。
春美ちゃんを慰めるため、姫子はソーセージでタコさんやチューリップを作り、彼女を喜ばせた。
「おねえちゃんさ…。おにいちゃんのお嫁さんになればいいのに」
「はっ、春美!」
照れる真樹と姫子の様子に春美ちゃんは不思議顔。
「あ…もうこんな時間だわ。あ、あたし帰る」
姫子が帰ろうとすると、外は雨が降っていた。
真樹が差出した傘を受け取り、玄関を出た姫子はつるっと足を滑らせてしまう。
「わわっ!」
「あぶないっ!」
助けるはずが、逆に姫子に乗っかってしまう真樹。
「お…おもたあい」
「や…、わりいわりい。じゃ…、じゃあな。気をつけて帰れよ。今日は…サンキュー」
とまぁ、このような他愛もない話なのだが、当時はなぜかこのシーンで我が事のように胸が高鳴ったものだった
後日、父親の再就職も無事決まり、「心配かけて悪かったな」と真樹に声を掛けられて姫子が安堵するシーンでは、こちらまでホッとしたりして。
それにしても「真夏の海が、おれは好きだ」「おれの青春が帰ってくる」って…(^^ゞ
アンタまだ小学生やん!と突っ込まずにはいられないイラスト集なのであった。
その後の姫子 其の2 「うわさの姫子 OL… 2010.02.25
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