『原子心母』 ピンク・フロイド 「Atom Heart Mother」Pink Floyd(70) ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり!
A面 1.原子心母- Atom Heart Mother 父の叫び- Father's Shout 2.ミルクたっぷりの乳房- Breast Milky 3.マザー・フォア- Mother Fore 4.むかつくばかりのこやし- Funky Dung 5.喉に気をつけて- Mind Your Throats Please 6.再現- Remergence
1.もしも- If 2.サマー '68- Summer '68 3.デブでよろよろの太陽 4.アランのサイケデリック・ブレックファスト- Alan's Psychedelic Breakfast 1.ライズ・アンド・シャイン- Rise and Shine 2.サニー・サイド・アップ- Sunny Side Up 3.モーニング・グローリー- Morning Glory GW中は邦題界の王者たちを取り上げよう!ということで、今回は英国が誇るプログレ(Progressive rock)の先駆者であるピンク・フロイド(Pink Floyd)が70年にリリースした5thアルバム「原子心母(Atom Heart Mother)」を取り上げたい。 古の中国で作られた四字熟語のような「原子心母」という邦題は単に原題直訳で、Atom=原子、Heart=心、Mother=母ということから付けられたとのこと。発売から50余年、この言葉に何か意味を持たせてもいいのではないかと思うくらい馴染んでしまっている。 この不思議なタイトル、元々無題だったがBBCラジオでコンサート放送を流すにあたりタイトルが必要となり、たまたま持っていたタブロイド紙のコピーから見つけようということで、プルトニウム238を動力源とするペースメーカーの埋め込みに成功した女性についての記事の見出し “atom heart mother named” が目に留まったことから付けられたという。 邦題もだが、このジャケットの牛もインパクトが大きい。タイトルやバンド名の記載はなくて、ただ牛がデーンと写っているだけという斬新なデザインを担当したのは、英国のデザイングループであるヒプノシス(Hipgnosis)。彼等はピンク・フロイド以外にもロイ・ハーパー(Roy Harper)の「精神本部(HQ)」やナザレス(Nazareth)の「競獅子(Rampant)」等、数多くのカバーデザインを手掛けた。ちなみにこのアルバムジャケットの牛さん、ルルベル3世(Lulubelle III)という洒落た名前だそうな
65年に結成されたピンク・フロイドの創設メンバーは、g&voのシド・バレット(Syd Barrett)、bのロジャー・ウォーターズ(Roger Waters)、keyのリチャード・ライト(Richard Wright) 、そしてdrのニック・メイスン(Nick Mason)の4人だった。 67年に「夜明けの口笛吹き(The Piper at the Gates of Dawn)」という素晴らしい邦題のデビューアルバムをリリース。当初の邦題は「サイケデリックの新鋭」だったらしい(Wikiさんより)。しかしシドがこの頃から既に過剰なドラッグ摂取で正常な状態ではなかったようで、翌年には新たなgとしてデヴィッド・ギルモア(David Gilmour)が加入してシドは脱退。79年にリチャードが首宣告されるまでは(後に復帰)暫くこの4人体制で、「原子心母」制作時もこの4人のメンバーだった。 ドラッグ中毒などで精神を病んだシドは70年に「帽子が笑う…不気味に(The Madcap Laughs)」というイカした(死語)邦題でソロアルバムをリリース。同年に2ndアルバム「その名はバレット(Barrett)」を出したのを最後にシドは表舞台から去り、06年に60歳でこの世を去った。リチャードも08年に癌により65歳で他界している。 一方、ギルモアさんは先月24日に5thソロアルバム「Luck and Strange」を9月6日にリリースすると発表、10月からツアーを行う予定だという。またロジャーも昨年、ピンク・フロイドが73年にリリースした8thアルバム「狂気(The Dark Side of the Moon)」の発売50周年記念盤「The Dark Side of the Moon Redux」を新たにレコーディングしてリリースした。この二人の対立(というかロジャーの独裁化)がバンド崩壊を招いて85年にロジャーが脱退。そこからは色々とゴタゴタしたようだが、05年7月に開催されたLIVE 8では20年ぶりにメンバー4人が揃って演奏した。