寿命のおはなし

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火柱ぐれんの高座　その１

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2002年05月17日

日本人の平均寿命が、どんどん延びている。
最近の報告だと、今の伸び率で行けば、約80年後だったかな？
女性の平均寿命が100歳を超えちゃうかもしれないとか？
反面、出生率は低下の一途！
本当に老人大国になっていくんでしょうね。日本人は。

平均寿命が100に成って、子供が少なくなったら、お年寄りがマジョリティーになるから現在、「お年寄りの原宿」などと呼ばれている
巣鴨のとげ抜き地蔵あたりの混雑は半端じゃなくなるでしょうね。
本当の原宿並みになってしまう。

電車の中はシルバーシートがメインで、今のシルバーシートの位置に

みんなが100まで生きる世界ってどんなになるんだろうか？
なんか想像するのが怖いところも少しある。

グリム童話に「寿命」というのがある。
ご存知ですか？

生き物の寿命はみんな一律30年とお決めになりました。
人も牛もサルもネコも、みんな生き物の寿命は30年と決めたのです。

ある日、神様の所にロバがやってきました。
ロバはこう言いました。
「神様。私はロバです。ロバは毎日、重い荷物を持って長い道のりを歩かなくては成りません。それはとても辛いのです。こんな生き方30年もしたくないです。10年生きれば十分。だから20年お返しします」
こうして、ロバの寿命は10年になりました。

次に、神様のところには犬が来ました
犬はいいました
「神様。私は犬だから、どうしてもモノに噛み付きます。そうすると歯が抜けてしまいます。物を食べるのが不自由に成ったら生きていてもつまらないから、私の寿命は20年でいいです」
こうして、犬は10年寿命を返しました。

そして次に、サルがやってきていいました
「神様。私はサルです。サルはいろんなものまねやおかしなことをして、みんなから笑われる立場です。
私はそんな生き方20年で充分。10年返します」
こうしてサルの寿命は20年になりました。

そして、次に人間が来ました。
神様は人間も寿命を返しに来たのかと思いました。
でも人間はこう言いました
「神様！　私の寿命が30年なんて、それはあまりにも短すぎです。もう少し長生きさせてください！！」
神様はこう言いました
「わかった。じゃあここにロバが置いていった20年。犬が返した10年。サルが返した10年。全部で40年ある。もってゆくがよい」
人間は大喜びで持って帰りました。こうして、人間の寿命は70年になったのです。

でも、人間としての寿命は30歳まで！
30歳からはロバの人生が始まります。
重い荷物を背負い、人のために働き続け、
長い道のりを苦しい思いで歩く人生が20年続くのです。

そして、 50歳になったら、犬の人生。
歯が抜けて好きなものが食べられなくなる１０年です。
そして 60歳からはサルの人生。
普通に生活しているつもりでも、ついボケて変なことをしてしまったり、人のやることを真似ようとしてもうまくいかなかったりして、みんなから笑われる、みっともなくて、はずかしい10年が続くのです・・・・・。

どうです？
ちょっとブラックだけど、なかなか良く出来たおはなしでしょ？

私は25の時にこの話を先輩から聞いて、もの凄くショックを受けました。
そして、人間でいるうちに、好きなことをやろうと会社を退職したりしたので、少なくとも自分の人生には何らかの影響をこのお話は与えてくれたんです。

ただ計算違いは37にもなってまだ結婚していないので、家族という荷物もなければ、長い道のりをひたすら歩いている実感もない・・・というところかな？

まあ、あくまでもこれは＜おはなし＞だから、あんまり真剣にロバって本当に10年しか寿命がないのか？とか考えて欲しくないのだけれど、人間の寿命が100になっちゃったら、このお話も使えなくなってしまいますよね？

長寿はめでたいことだけど・・・。

別に投げやりとか、いい加減になっているわけではないけれど、
やっぱり独り者で、守るべき家族がない気楽さからか
人生って５０年ぐらいで十分なような気が、ふとしてしまうことがあるなあ・・・！

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