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叙情組詩「バラ色の婦人帽」
第3章「五分間の夕映え」
矢田部誠子(天才!せいこう時計をまいてる人)作詩
夕方ふと西の空を眺めたら
はるか向うは輝やかしい
火焔になって棚びいている。
雨翔ける天女の領布(ひれ)といっても
こうまで麗わしく
きらびやかではないだろう。
右手の空は後ろ側に沈んだばかりの
太陽の名残で蒼ざめた
黄金(きん)いろに塗られている。
ちょうど舞台の照明装置のように
その落日で彩色されているのである。
家並みは殆んど匂やかなともいいたい
灰紫で、空も灰がかった真珠いろ。
今日は朝からの晴れが一度も崩れず
終日あたたかな美しい日であったから
夕暮れも清澄に明るく
こころも和(な)ごむ眺めであった。
夕映えは
五分間で終った。