弥々*とはず語り   

    弥々*とはず語り   

2005.03.10
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カテゴリ: お葬式
昨日の葬儀日誌は、今日の日記の伏線やったんや。
星とたんぽぽ 】のK子ちゃん以来だ。

以前、そのお式の日に書こうと思ってて、でもその時は心がしんどくて
つい【まめ知識・焼香回数】でごまかしてしまったことがある。
その時に書こうと思った故人の話や。
今日、どうしても吐き出してしまいたい。

二日続きで重いが、心寄せられる方だけでええ。お付き合い願えるかの。

1--------------------------------------------------------------------------


前から心臓を患っていたが、大したことはなかったそうな。(身内の弁)
まさか、こんな急に…という思い…????

いや、果たして思いは持たれたのだろうか?

同じ県内ではあるが、実家より離れた地に一人暮らし。
以前は妻も子も一緒やったが… 最近は… これ以上は立ち入れない。

お身内には、話したくて聞いてほしくて堪らないといった具合に
次から次へと亡き人を偲び、思い出話をしてくださる方もいるが
中には一切、他人が踏込むなと言った圧力をだしまくっている身内もいる。

昨日のケースが前者で、今日これから語るのが後者。

2--------------------------------------------------------------------------

一人暮らしのアパート、布団の中で蹲っていたのを、尋ねてきた自治会長さんが発見した時は

誰か一緒やったら、助かる命だったかもしれん。
いや、状況を聞けば聞くほど助かる命やったと断言できる。

葬儀は、実家に程近いホールで行なわれた。
喪主は故人の父。と言ってもええお歳やろな。故人の方が、本来なら喪主となるのが順当や。
逆縁と言えばそれまでだが、その一言で片付けるにはあまりにもせつなすぎるお式やった。


まずお線香をあげ、遺影をゆっくり眺めてから
おつとめさせて頂く許しを請いながら亡き人と向き合うのだが…

へ?遺影がないぞ。

写真は実家には一枚もなく、アパートには探せば一枚くらいあるだろうが
その気にもなれないらしく…
一切立入らないでと担当からの指示。最低限の情報は、担当を通じて言い渡された。

一応、身内に遺族代表挨拶等の確認事項で、事務的な打合せをする時間を頂いたが
ほんとに、事務的なこと意外は聞けないような感じ。
いや、聞くだけ無意味と言いたい位、葬儀など全くやる気なしと言った感じで
暖簾に腕押し状態なのだ。

担当からは、隣組の班長さんが仕切ってくれて
どうにかお式までこじつけたようないきさつを聞いた。
普段は葬家にいらぬ動揺を与えるので、葬儀社にとっては最も困り者の仕切りたがりの人が
この時ほど有難いと感じたことはないと… 受付もこの班長ご夫妻が勤めて下さったのだ。

身内6名、会葬者7名(班長夫妻他、隣組の皆様)の参列。
喪主(礼状に名を記すだけの)である父親は、通夜・葬儀とも一度も姿を現さなかった。
そう、親子関係はとっくに破綻。
縁も切ってるから葬式なんて出す理由がないというのが、父親の言い分。
参列した身内も右にならえではあるが、隣組の手前
個人の兄弟3名と、近くに住む身内3名のみが参列された。

この父親、とうに奥様とは離婚されており、4人のご子息は、父親の元で皆
農業を営みながらの生活をされてこられたとか… 

そのうちの一人、ご長男の故人だけが結婚をされ、家を出たが
その後、何があったか知らないが家族と別れ、働くこともままならず
実家に戻ってきては、父親に金の無心の日々だったと…

何十年と繰り替えされた息子の悪行に
疲れきった父親は、とうとう長男との縁をきっぱりきった矢先だった。

父親の真意はわからない、接してみたかった。真意はどこにあるのか…

3-------------------------------------------------------------

お式は菩提寺の曹洞宗で執り行われ、初七日込みで50分のお式。
受付の班長さんと同じく有難かったのが、このご住職。
とても丁寧にお勤めいただけたことだ。
お経の意味や今行なわれてる所作(受戒等)をその都度教え説いて下さるのだ。
読経の声、リズムも素晴らしかった。なんか救われる思いがした。

さて導師退席後、弔電奉読となるのだが、この日は弔電など一通もなし。
時間も有り余っていて… 

お話は伺えなかった。エピソードは何もない。

だけど、このままでは、あまりにもせつなすぎる。
亡き人は、偲ばれるに値しない悪行を重ねてきたかもしれぬ。
だけど、こうなるまでには、亡き人なりに苦しみ、それなりの営みがあった筈…

人の業――― 今生ではどうにも交わることが出来なかった親子の縁。
前世の業なのか、来世でも繰り返されてしまうのか…

どうにもならないことだけど、このまま送り出すことに、いたたまれない思いが沸いた。
亡き人と向き合いながら、どうして欲しいのかと心で尋ねる。
大袈裟だけど、確かな事ではなく感覚的な事だけど、亡き人の声を聞いた気がする。

わずかな言の葉ではあるが、ゆっくりと…
【せめて来世で、孝行息子になって生まれ変われたら、何も望まない…
最後の時に集いし皆様が、故人を偲んでくださったことは
何にも代え難いご供養になられることだろう】
と、そっと誰にともなく(父親に届けたかった)語りかけた。

最後のご対面・お花入れの時―――
花を納めたご兄弟の一人が、いきなりホールの外へと走り出た。
悪いと思いながら、確かめたかった。
泣いていた。目頭を押さえて… 丸まった背中は小刻みに震えていた。

亡き人が浮かばれたと思った。
寂しいご生涯だったかも知れない。
けれど最後に、こうして永遠の別れを惜しんでくれる人がいてくれたことが
亡き人の来世での幸せに繋がるような気がした。

想像でしかないが、この日、父親はきっと心の中で息子との別れを偲ばれたのではないだろうか…
何十年と、息子の悪行に耐え忍び、尽くしてきた父親だ。親の情がなければ出来ないことだ。
最後の時に、参列も出来ぬ程ねじれてしまった縁を
誰よりも悔いているのは父親ではなかったろうか… 
そう思わなければせつなすぎる、寂しいお式だった。

今ここに携わった者として、亡き人の冥福を心から祈りあげる。

4--------------------------------------------------------------------------

【翌日もつらつら思いあぐねて追記】

《ほんとに、明日はどうなるかわからん。
《まぁ、普通に平々凡々と生きていられると思うのが当然であり
《そう思わなければ、生き抜いていくことは、しんどいことだ。
《でも、時に立ち止まって、今の自分はどうだろう?
《と見直すことができたら、道を外さずにすむかもしれない。
《でもな、道を外すことが果たして悪いことなのか…
《結局は本人が納得された道であるなら、それもまた良しとするしかないような…
《難しい…吾には難しいです。
《簡単に思い通りに生きていけたら、何の悩みや迷いもないやろう。
《それができないからこそ、今生で今この時代に生かされているのか…
《これが人の業というものなのか?
《皆が幸せ・円満にと言うのは確かに望むべきことではあるが
《最近、それもわからんようになってきた。
《本人が自ら望んで外れた道を選んでいたとしたら…
《それがその人にとって、おさまりのいい、その人なりの生き方だとしたら…
《そういう人がいるから、自殺もありうるのかもな。
《昨日の故人が自殺かどうかはわからんが
《吾はこの日、もしかしたら余計な事をしたのかもしれない。
《住職の読経に触発された行為ではあったが…
《自分がせつなくて堪らなくて、出過ぎた行為だったのかもしれない。
《もしかしたら、故人にとっては余計なことだったのでは…
《あぁ、わからんのう…
《ただ少なくとも、ご兄弟が泣いてらしたことは偽りない気持ちの表れと信じ…
《悩みながら、吾はこれからもマイクを握るのみ。

完:3月10日時刻21時





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Last updated  2008.02.29 17:16:51
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ドーナツ党首@ Re:3歳のぽっつら・・・『 知命 』 『 落ちこぼれ 』 (語り41)(01/22) おはようございます。どちらにコメントを…
@弥々@ どこぞのさんへ どこぞのさんへ これまた、一昨年の台風…
@弥々@ Yのトランクさんへ 気付くのが遅れてすみませぬ<(_ _)>…
Yのトランク@ Re:長男坊の意地と親心(03/16) すみません。こちらから送信出来るのか分…
どこぞの@ Re:長男坊の意地と親心(03/16) ご無沙汰してます! 台風のニュースを見て…
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@弥々 @ Re[1]:『 小さな娘が思ったこと 』(語り12)(02/26) ゆりこさんへ >以前に教えて頂いたボ…
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