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2009.01.24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
南日本造船の大在工場でタラップが落ち2名の死者を出す事故が起こった。

なんだか人ごとではない気がする。
南日本造船は私が勤めていた関連会社であり、今も友人達が関係している会社でもあるからだ。

多分友人達は設計部門であるはずだから、この事故には直接関係ないとは思うものの心配である。
大在工場は2008年5月に完成した新鋭工場のようである。

完成間際の自動車運搬船にかけた作業員が使うタラップの落下という通常では考えられない事故である。(事故とは往々にしてそう言うものだが)

大学の先生は、 「メーカーは当然耐荷重を設定しているはずで、会社が一度に何人が乗れるか把握していないのは問題」 と話して、安全に対する不備を指摘するごく当たり前の見解を書いていた。

私も、造船の設計に関係していた後、建築鉄構部門で、一時製造関係を担当していて安全に関しては痛いほど教育や実践をしてきた。



タラップは、自動車運搬船の船内で作業をするために船側部に明けられた工事用の孔と岸壁にタワーを建ててその岸壁のタワーとを結ぶ水平に使用する事を意図した作業用の通路であったようだ。

段々と発表されるニュースの内容によると、造船業界の繁忙(かなりのタイムラグがある)のため、効率化と、コストダウンの命題に従っての、岸壁側タワーの省略を意図して、タラップを水平用から斜めに使用するように変えたという。

このことは特に問題となる変更ではなく、何故最初からそういった使い方をしなかったのか疑問なくらいである。(斜めがだめならエスカレーターはあり得ない)

タラップ等足場関係には耐荷荷重を書きそれを守るように厳重に指導するのは現場ではごく当たり前の事である。

しかし、この事故は、これら現場サイドの教育や安全管理上の注意を行う以前の問題のようだ。

通常こういった現場で使うタラップなどは現場から直接外注先に設計を依頼するのが通常のやり方であるが、これに設計部門が関係していたかどうかが大きな問題である。

というのは、昨日公表された毎日新聞の内容では、



 同社によると、フックの製作はタラップ発注段階の「自重約3トン」という想定に基づき、同じ下請け会社に依頼した。しかし実際は、タラップの自重と渡っていた作業員で計8トン近くあったとみられ、 事故当時フックには想定の2倍近い負荷がかかった とみられる。

 大分労働局によると、フックは直径18ミリのボルト4本でタラップ先端に装着されていたが、海中などから回収されたボルトはすべて切れていた。専門家がボルトの破断面などを調べたところ、横方向からの強い力で起きる剪断破壊で切れたことが分かった。

 24日の会見で同社の佐藤正美業務部長は「自重も検査していなかった」と述べた。


大変なケアレスミスである。ここで計算をし直す事はしないが、通常設計荷重の2倍程度では破壊に至る事がないように安全率を4倍程度に取るのが安全に関わる部材の設計の仕方である。

長さが27mと結構長いために、おそらくは作業員が移動中に揺れるための繰り返し疲労荷重も掛かったものと思われる。
剪断破壊で切れているというのは当然の事で、ボルトに曲げ荷重がかかる事は一般に想定外であるし、そんな設計はしない。

18mmの4本のボルトというのは感覚的には少ないように思われる。タラップ全体のあり姿は視覚的に強度十分であるかも知れないが、いずれにしろ両端部で8トンの荷重を理想的には半分ずつ持つ事になるが、片掛かりを考える事と、作業員が持っていた部材などを落とす事などによる衝撃、さらには前述の歩行などの揺れによる繰り返し荷重などを考慮して設計荷重として取るのが正しいやり方である。



ボルトは完全に締め付けられていたのか?ボルトのような部材は、各個撃破的に1本ずつ切れていく事も考えられるからだ。

私も造船時代に図面を見間違ってクレーン部材を折損してしまった時にその責任者であった事はフリーページに書いたとおりだが、こういった間違いをチェックできない状況(担当技師への信頼やまさかと思う事態)と言う事はある一面分からないわけではない。
私の場合は、昼休み中で、人身事故に繋がらなかったのが不幸中の幸いであったが、その事件を境に不遇をかこった事を考えると、設計に直接タッチした人は別としても、今回の責任者の行く末を案じないわけにはいかない。

造船では、ヒヤリハットが常にある、ハインリッヒの法則が常に叫ばれる。

こういった大事故の陰には、多くの些細な事故や、事故寸前のどきっとする事があるのが目に浮かぶ。







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Last updated  2009.01.25 08:51:11
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