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2010.01.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
日本航空(以下JAL)が存亡の危機に立っている。

私は、アウトサイダーではあるが、少なからず関係しているので、いくらか気になるところである。

JALは1951年に呱々の声を上げた、官制航空会社である。勿論当時はプロペラ機であり、まだアメリカ軍の管理下にある羽田飛行場を使用させてもらう形でのスタートであった。

1960年代に入ってジェット機が登場し、主にダグラス社製の機体を使用してきた。東海道新幹線が開通したのは1964年であるから、飛行機の方が、ずっと早く東京大阪間を結んでいたことになるが、我々庶民の手の届くところにはなかった。

第1次石油ショックのころ、ハイジャックされ、爆破されたのもJAL機である。成田空港が開設し、本格的国際路線に参入、乗客が1億人を超えた頃でも、私にとって航空機は無縁のものであった。

第1次石油ショックで、メジャーが、新たなる石油資源を求めて、石油掘削リグ建造の気運が高まったのはこの頃からである。海外へ観光に出かける日本人が400万人を突破した頃、私は、石油掘削リグの設計をせっせと行っていた。

そして、 成田空港が開港後、約6年での国際旅客数が5,000万人突破した頃、初めて私はJALのお世話になった。尾翼の鶴のマークを付け、今でも面影を残すが、当時の機長や副操縦士などの乗務員や、スチュワーデスの華やかだったことを思い出す。

1984年初めて海外出張を仰せつかり、ノルウェーのオスロに飛ぶことになった。当然その時点では、海外へ行くのにはJALしか考えられなかったようだ。全額でいくらだったかは、事務が扱っていたので、よく覚えていないが、当時の上司からは、「君はフル・フェア・パッセンジャーだから胸を張って行ってこい」という趣旨の言葉を戴いた。

当時は格安航空券などはなく、往復では、目も飛び出るくらいの金額だったようで、それを全額値引き無しで買ったという意味であり、しかもビジネスクラスと来ていたから、とても贅沢に感じられたものだ。



これに対して、その頃、国内線を基盤にした全日空(以下ANA)はあまり目立った存在ではなかった。両社M&Aを重ねて、今日では、2大政党ならぬ、国際航空業界の日本に於ける2大会社となった。

ここに来て、積年の膿が出てきたのであろう、JALが存亡の危機に立たされている。当時、華やかな機長クラスがどれほどの給料を貰っていたのか詳しくは知らないが、重厚長大に育った、私などとは比べものにならないくらいの高額であったことに違いはない。

従って、退職金組み込みであるとか形態は様々であろうが、年金額でも月額50万円を超す人さえいるという。我々にとっては、目の玉が飛び出るような金額である。ところが一方、地上勤務者などは、割合恵まれず、社内の給与格差が異常に多いのもこの会社なのではないだろうか。

巨大な航空機の、ややこしい計器を操る技量に対して、ある程度の差はあるべきかも知れぬが、それとて、整備士や、地上勤務者が居なければ成り立たないわけである。

その、JALが今期末で、8000億円を超える債務超過が予測されていて、普通株の価値はゼロに近くなるのだそうだ。東京証券取引所への上場廃止も検討されていると報じられている。JALの株券が“紙切れ”になることも十分考えられる訳だ。もっとも、株は皆、電子化されているので、紙切れにはならないという駄洒落もあるのだが・・・。

破綻銀行を救うという名目と同様に、日本の航空会社を救うことは、国是に近いという感覚のことが取りざたされている。

海運業界もそうなのだが、空運業界にもアライアンスと呼ばれる企業連合がある。空運業界では次の3つのアライアンスがある。

1.スターアライアンス(UA,ANAなど)
2.スカイチーム(AF,デルタなど)
3.ワンワールド(AAL,BA,JALなど)

上記アライアンスに入っていない、その他の航空会社も多数有るが殆どは3つのアライアンスが占めているという。


例えば、デルタがJALを救済(ありていに言えば吸収)すれば、JALには一部東南アジアの国際線と、国内線が限定的に割り当てられ、太平洋航路などのドル箱路線は皆デルタかまたはAALが取ると言うことになるだろう。

そして、限定した業務内容に見合って、大胆なリストラを行ってくるに間違いはない。だだし、かろうじてJALという名前だけは残るのであろう。

これに対して、ANAと合併して、日の丸路線を残せという考え方もあるようだ。しかしこの考え方は、独占禁止法の観点からも難しいのではないか。又、よしんば、この方式が成ったとしても、利用客には、大幅な不利が生じることが予想される。他国の航空会社との競合と言うことになるのだろうが、昂じると危険な結末を招きかねないと危惧する。

国が、JAL救済に逡巡するのは、前にも述べた、JALのOBと現役に対する年金問題である。国の救済はとりもなおさず公的資金という美名の下、我々の血税を注ぎ込むことである。何で、我々の倍以上の年金を貰っているJALOBを我々が助けなければならないかという素朴な憤りがある。

年金基金の規定では、給付削減を実行に移すには、受給権者全体の3分の2以上の同意が必要であるという。このままほおって置いたら元も子もなく、給付削減の同意がなければ企業再生支援機構は、年金基金の解散も検討しているといい、解散されることになると、JALのOBに支払われている企業年金の削減率は現計画の約30%から約60%に跳ね上がるというのだ。



一方、企業再生支援機構が銀行団に提示した再建案の骨格は「会社更正法適用申請で株主に一定の責任を負わせる一方、銀行団に3000億円の債権放棄を要請する」というものである。
この点についても銀行側は難色を示しているようだ。自分が助けられるときには喜んで何でも応じたのに、他人事となると厳しい。

企業再生支援機構は「DIPファイナンス」という形で、当面の融資2000億円を決めたという。国土交通大臣も、JALは潰さないと言うことを言っている。三方一両損になるのか、やはり、JALOBの粘り勝ちになるのか、株主に一定の責任を負わせるという下りが気になるところであるが、日本の空を、外国の特にアメリカの航空会社が飛びまくるのを見るのは戦時中や、戦後に戻った気がして、あまり気持ちが良いものではない。





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Last updated  2010.01.14 07:20:55
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