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2010.05.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、東京旅行も最終日となった。今日の予定は、「オルセー美術館展」鑑賞である。
オルセー美術館展は主催が国立新美術館と、オルセー美術館そして日本経済新聞社であるから、事前の日経新聞では、色々と前宣伝が大々的に行われてきた。

パリのオルセー美術館は大修理をするとかで、この期に大量の美術品を貸し出している。初日の「マネとモダン・パリ」にも多数のオルセー所蔵品が出展されていた。

国立新美術館は、2007年1月21日に開館した港区にある美術館で、東京大学生産技術研究所跡地に建設されたという。延床面積は、これまで最大とされていた大塚国際美術館の約1.5倍で日本最大となる美術館である。

従来東京で美術館と言えば、上野の、「西洋美術館」が思い浮かんだが、これからはここが主役になりそうである。総ガラス張りで、曲面を生かしたデザインは黒川記章の設計によると言う。構造設計は日本設計で、私も鉄骨に関係していた時ファブとしてチェックを受けた経験がある。

最初は「ナショナル・ギャラリー」とする予定だったそうだが、本来固有の美術品を持つ海外の「ナショナル・ギャラリー」とは違い、貸し展示場という意味合いが強いので、現在の名前になったというのだ。

もう、3年経っているのだが、私は3年以上東京に出たことがないから、真新しく見えた。あの、淡路島の南端から四国に渡った徳島県にある大塚美術館よりも床面積が広いと言うことで改めて見直した。

朝早く、ホテルをチェックアウトし、荷物を品川駅のコインロッカーに預け、身軽な服装で、向かった。
美術館は六本木にあり、地下鉄のアクセスでも3つのアプローチがある。我々は、浜松町から大門を経て、大江戸線で行くのが一番近そうである。美術館の近傍には、モーニングを採るところはあるだろうということで、六本木に着いてから朝食を採ることにした。



東京の街は、碁盤の目のようにはなっていないし、ぐるぐる回ると方向感覚が狂ってしまう。因みに、地下鉄の駅で出口を間違えると、とんでもなく風景が違い混乱することはよくある話である。

かつて有名になったヒルズタワーを目印に、何とか、六本木ヒルズに到達した。途中六本木通りは多数の警官が出て、物々しい。一人に聞いてみると、中国の要人が来るからだそうだ。後でニュースを見てそれが温家宝首相であることが分かったが、おそらくは、迎賓館にはいるための沿道の警備であろう。

六本木ヒルズも日曜であるから目覚めるのが遅い。大概は11時頃から店は開くのだそうだ。幸い、ヒルズの中に、スターバックスがあったので、簡単にパンとコーヒーで朝食することが出来た。
もうそろそろと言うことで、美術館に着くと、開扉はすでにされていて、オルセー展の前には列が出来ていた。当日券を買う人は、さらに券売所で並ばないといけないから、二重に大変である。

会場はあくまで10時である。どれだけ並んでいても決まりは決まりと言うことか、一寸くらい融通を利かせればいいのにと思いながら開くのを待った。

オルセー展は、丁度115点の作品が展示されていた。作者だけでも全てを語るには多すぎる。正式名称には「ポスト印象派」(Post-impressionnisme)が付いているので、範囲は広範である。
最後の印象派として、モネ、ベルナール、シスレーなどが「日傘の女性」や「睡蓮の池、緑のハーモニー」「モレの橋」等があった。「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」はモネならではの作品か、既に視力が落ちていた彼にはこれが精一杯なのだろうか。ふと「ルーアン大聖堂」の晩期の作品を思い出した。

点描写で、小作品の多い、スーラのコーナーは、あまり魅力を感じなかった。敢えて言えば「ポール・アン・ベッサンの外港、満潮」は見慣れた作品である。

次のセザンヌのコーナーでは、流石に連れ合いは長い時間を掛けて鑑賞していた。静物の中では「台所のテーブル(籠のある静物)」が好みのようで、帰りにその絵の入ったマグネットを購入していた。そして、勿論「サント・ヴィクトワール山」に見入っていたのは言うまでもない。出展されていたヴィクトワール山の作品は、沢山描かれているが、私も出展の作品が、どの作品よりも、なじみ深く、素晴らしいと思った。

「水浴の男たち」もなかなか見応えのある絵画で、後ろ向きの裸の男性の均整の取れた体は見事である。
ドニの「セザンヌ礼賛」は9人の画家と、ドニ夫人が、セザンヌの静物画をたたえている絵である。かなり大きな絵は迫力があるが、人々の顔の色は何故かさえない色であった。



必ずしも大きいことは良いことだとは言えないけれど、ギュスターヴ・モローの「オルフェウス」は多くの人によって描かれているギリシャ神話の物語だが、モローの、「竪琴でオルフェウスの首を運ぶトラキアの少女」の実際は、かなり大型の絵であり、美術本で見るよりも迫力のあるものだった。

これに比べると、ゴッホの「自画像」は小型の絵画でありながら、筆遣いといい、ゴッホらしさを感じさせるものであった。

ゴッホでは「アルルのゴッホの寝室」で、今回出展されている作品は、同じ寝室を描いた中でも何となく惹かれるものがある。素人が描けば、ちぐはぐなのであろうが、さすがはゴッホと言うところだろうか。

また「星降る夜」は、これも美術本での紹介では味わえない、ガス灯と星のきらめきのすばらしさ、川の水面に映るガス灯の輝きなどは実物でしか味わえないであろう。

もう1点小さな作品ながらゴッホの「馬車、アルル郊外のロマのキャンプ」は一寸した感動を与えてくれた。日頃この作品はあまりお目に掛からないだけに新鮮な感じがしたのかも知れない。



感動の内に美術館を出て、東京ミッドタウンを散策し、乃木坂から千代田線で大手町を経由東京まで出た。

新丸の内ビルで、駒形前川の鰻の昼食を採り、東京を後にして品川で、預けた荷物を出して、帰りは、のぞみ115号で、京都で降り、島本に帰り着いた時はまだ日が高かった。帰りの列車番号は、奇しくも、オルセー展の出品作品数と同じであったのをおもしろく感じた。
こうして、東京旅行は満足の内に無事終了した。





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Last updated  2010.06.03 21:32:05
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