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2010.10.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
チリの鉱山落盤事故は幸運なことに33人の全員生還で終結できてハッピーな気持ちになれた。


チリでの事故については、私の記憶では、之が唯一のものである。日本に送られてくる海外での事故は、もし日本人が絡んだり多数の人が殺されたり、または今回のような多数の命がどうなるのかと言ったことで報じられるだけだからだ。

そう言う意味ではチリは、日本からは、遠い国である。

落盤事故は8月5日に起きたのだから、事故以来69日ぶりの救出活動であったわけだ。この事故が日本に報じられた当初のことは記憶になく、約2週間たって、チリ北部コピアポ近郊のサンホセ鉱山で落盤事故が起き、地下深くに閉じ込められていた作業員33人から「全員無事」との「手紙」により判明したのだ。

閉じこめられた作業員からの手紙は、地下700メートルの地点に達した救助隊のドリルに結びつけられていたという。そこから救助の本格的活動が始まった。坑道は螺旋状にまわりながら、700m地下まで達していて、その中間辺りで落盤が起きたというのだ。

 生存を知らせる手だても鉱山労働者ならではの手法で、ドリルの先端を叩いて、その衝撃を地上で感知したのだという。生存確認後まもなく、小さな穴を通じて作業員らと家族などの手紙のやり取りが開始。その後、光ファイバー線が開通し、電話やビデオを使ったコミュニケーションが取れるようになった、とあるが、約2週間の間は、生死も判明せず、焦燥感が募っていたことであろう。

地上での絶望感と閉塞された地下での孤独感と死と隣り合わせで過ごした期間は、どんな気持ちだったのだろうか。考えるだけでも気持ちがおかしくなりそうだ。食料の点でも、地上との連絡が取れるまでの17日間は2日に1回のペースでツナ2口、クッキー半分、牛乳コップ半分で凌いだという。

700mの垂直坑道が掘られ、更に2本目の坑道が、斜めに掘られるといった、次々に考え出された救出方法は、順調に進み、当初のクリスマスまでには救助するといった予測を大きく縮めての生還となった。待避場所がどれくらいの広さであったのか、どんな生活をしていたのか、色々あっただろうが、この救出作戦は鉱山の守護神「サンロレンソ」の名前が付けられた。



鉱山作業員であるから閉所恐怖症の人は居なかったのだろうが、2カ月余に及ぶ地下での生活は、精神に異常を来すこともあるだろう。地上と連絡が取れると云いながら、一度落盤を経験して、自ら閉じこめられている身では、何時また落盤が起こらないとも限らず、圧迫された日々であったろう。

娯楽も考えられ、小型プロジェクターでサッカーの試合観戦やトランプ遊び、新聞を読むことも出来るまでに配慮されていたようだ。

この救出劇のヒーローは帰還した全員であるが、中でも、リーダーシップを発揮して、統率した54歳のルイス・ウルスアさんが挙げられる。食料配分、役割分担、寝る場所や、食事の場所等を決めたり、全員に役割分担を与え、また起こるかも知れない落盤に備えたのだ。「絶対に希望を失うな」と仲間全員を励まし続け救出されるのも最後になることを希望するなど、これぞ英雄の名に値する人物である。

そしてもう一人、「本物の英雄」と称賛される人が居る。12日深夜に地下に向かうカプセル「フェニックス」に果敢に乗り込み、救出劇の一部始終を支えた救助隊員マヌエル・ゴンサレスさんである。
 作業員の補助や健康管理に当たるため、最初に坑道に入り、約17分掛けて33人が待避する坑道に到着、地下で黙々とサポートを続けたのだ。救助専門家ではあるが、全員が救出される最後の最後まで、見届け、坑道が完全に無人となったことを見届けて、最後のカプセルで14日未明に地上に帰還し、ほぼ1日に及んだ作戦が終了。

この救出劇を、政治に利用しようと言った憶測も囁かれたようだが、ピニェラ大統領も帰還した人達をねぎらい、33人全員生還を喜びで迎えた姿を見ると、スタンドプレーを揶揄する前に、素直に喜びたいと感じた。 救出穴の掘削やカプセル導入また、最新の掘削機を取り寄せるなど、多大な費用を投入し、当初、「クリスマス頃」と予想された救出作業を1か月以上早めた意味での功績者である。

その為、9月初めの大統領の支持率は56%にのぼり、救出作戦が始まる前より10ポイント上昇したようだ。 チリでは2月27日には、事故というより天変地異である、マグニチュード8.8の強い地震がコンセプシオン近傍で起き800名を超える生命が奪われたばかりである。そのため、前大統領は国家の激甚災害を宣言していたばかりであり、チリとしては御難続きとなっていた。

落盤が起き、脱出用の坑道が塞がれて粉塵が巻き上がった時には、全員がパニックになっていただろう。避難場所の気温は、32℃から36℃だという、もちろんクーラーがあるわけでなく、疲れに暑さが加わり、とても耐えられる環境ではない。
そんな時、年長で、リーダーだった男が、実に冷静沈着に皆に希望を持ち続けさせ、自分は神に祈りながら、必ず来ると信じた救援者を待ったというのだ。

当初パニックになり、喧嘩も起こりかけたが、皆、リーダーに従って冷静に行動したと言うから、やはり33人全てが英雄なのだ。作業人で、32人目にカプセルに乗った29歳のアリエル・ティコナさんは、妻エリサベスさんに、遭難中に子供が生まれ、名前を「エスペランサ(希望)」にしたというおめでたい話もある。

「奇跡の生還」の第1号作業員は31歳のフロレンシオ・アバロスさんで、5人目の救出は最年少19歳のジミー・サンチェスさんだ。こうして、最後のルイス・ウルスアさんを救出し終わるのに、ほぼ1昼夜かかったという。


この浮気坑夫が地上に生還したら、一体どちらと最初にハグするのかというアンケートまで採られる始末。このアンケートの結果は、妻とが68%、愛人とが32%ということだったが、生還したヨニ・バリオスさんは救助後、愛人と熱烈ハグしたのだという。正に分からぬものだが、これ以降も、作業員の幾人かに愛人騒ぎが巻き起こっているという。お国柄というべきであろうか。

結婚28年目で発覚した夫の浮気は夫人が、夫を気遣い救出現場に駆けつけたら鉢合わせしたのだというのは、このシリアスな、事故とはそぐわない結果であるが、之もまた現実である。今後のトラブルがどうなるのかと言ったところである。

奇跡の生還は成されたが、之で終了とは行かない作業員達の将来は如何にといったところである。





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Last updated  2010.10.16 03:38:08
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