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2010.11.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
日経新聞と米戦略国際問題研究所がシンポジウムを開いたと報じられている。
東京にいた頃には、経団連会館の隣にある日経新聞社に良くこういったシンポジウムなどを聞きに出かけたものだが、大阪にはなかなかやってこない。

第一線の政治家や、研究者が集って議論する、その肉声を聞くことはやはりためになるような気がする。
とは言いながら、拝聴するだけなのだが、頭の中の問題点整理には役立つし、世界との関係を遮断せずにいるためには、こういったパネルディスカッションなどを聞くのも又有用だと考えている。

今回の出席者で、特に惹きつけたのは、アメリカを代表するリベラル派の国際政治学者のジョセフ・ナイ氏で、国防次官補を勤めた経験を持つ知日派として知られる人だ。
日米関係に比較的冷淡だったクリントン政権を東アジアへ向けさせ、対日関係を重視していく重要な契機を担った人物である。

田中真紀子が、面会を断った、元国務副長官アーミテージ氏らと共同して、「第二次アーミテージ・レポート」を作成し、日米同盟を英米同盟のような緊密な関係へと変化させ、東アジア地域の中で台頭する中国を穏健な形で秩序の中に取り込むことを提言している人物である。オバマ政権で、オバマ大統領の友人であるルース氏が駐日大使でなければ、このナイ氏が駐日大使になっていたと言われている。

アメリカ衰退論に対し、ハード・パワーではなくソフト・パワーという概念を導入し、「文明の衝突」を表したサミュエル・ハンティントンに批判的立場をとっている。

氏の中国感は、中国の成長を認めつつ、中国の表層的経済規模は20年ほどでアメリカに匹敵するだろうと予見している。この段階で、国営企業も民営化や、格差是正、政治的不安定などの障害が多く、「大きな中国」を心配するよりも「弱い中国」を心配すべきだという。



今回の尖閣列島を巡る、中国漁船の体当たり事件は、その良い例であろう。日本が、臆病な国であることを露呈させたことで、中国は一定の成果があったと考えているのではないか。何故日本が、海上保安庁の衝撃フィルムをオープンにしなかったのか、十数人の関係者(?)とやらの内部だけで処理しようという姑息なやり方が、案に相違して、機密漏洩、ガバナンスの欠如といった思わぬ方向にすり替えられている。

このシンポジウムの本来の目的は、日米安保の今後についての検討であろうが、中途半端なアメリカ離れを画策したとして、一体何処と提携をするつもりなのか、現在のところ、現実路線は日米安保の堅持が必要であろう。

沖縄の問題、基地の問題など有るが、先ずは、日本が国防費に掛ける予算軽減に対する応分の負担はやむを得ないとしても、不平等な地位協定などを撤廃するなど、本来の言うべきは言うという姿勢は取り戻すべきであろう。

アメリカとて、中国の第1列島論から続いて第2列島論に至る遠大な中国の太平洋進出計画に対して、ある種驚異を抱いていることは間違いのない事実である。そう言った意味で、日本が沖縄の基地を提供しなくなると言えば、アメリカとしては窮地に立つことになるし、日本もそうなれば、アメリカの援助無しで国防を完全に担わなければならなくなる。

これを利用して、巧みに、お互いの互恵関係を保つように持っていくのが、外交手腕と言うことに成るであろう。

もう一人のデニス・ブレア氏は、最近までオバマ政権の国家情報長官を務めた、バリバリの軍人上がりの人だが、テロ対策で、国家情報長官を降りたとも言われるが、氏は中国よりも北朝鮮の、原爆保有に対して憂慮を示し、これに対して、中国は応分の働きをしていないという考えのようだ。

日本が、日米の同盟関係維持を望むのなら、もっと応分の働きをすべきであり、それはとりもなおさず日本の防衛費予算の増額に繋がるであろうと言うことだ。正に現場上がりの実に明快な考え方である。

もう一方の主催者側としての米戦略国際問題研究所所長、ジョン・ハレム氏は、最近の北東アジアの緊張がこれほど高まったのはここ20年の間無かったことだという。やはり話題は、先ず北朝鮮問題であり、それは拉致など人権問題よりは核兵器保有に関する危惧である。

中国の殆どの人間は、北朝鮮を嫌っていると言うが、自国との国境問題に火が付くことを恐れて、生煮え状態の扱いしかしていないと分析している。強大な権力を有する共産党国家は又、国民の民主的選挙で選ばれた訳ではなく、常に国民の考え方に注意を払っている。

何か事が起これば、又天安門事件のように武力鎮圧をするのであろうが、それを続けていく訳にはいかないだろう。中国のネット普及率は今や30数%と順調に伸びている。又ブログも発達しており、中国当局の歯止めも、やがては限界が来るのは必至である。グーグルを追い出したことで、中国国民の間でも不満は醸成されている。

今回の漏洩した、尖閣列島での「よなくに」「みずき」への中国漁船のビデオは、中国の留学生の間でも、明らかに中国側の意図的体当たりであることを認めているし、流石に憂慮の声が聞こえてくる。


因みにこの「よなくに」と「みずき」は私の元同僚が設計したものだという。正に渦中の船である。

今回のシンポジウムでは、ロシアの北方領土の関係は述べられていない。対中リスク回避を如何に行うかという点に注目されているためで、我々にとっては、対ロ北方領土問題も又重要なアイテムである。
ロシアという国は、実に狡猾な国であると思う。ロシアと中国は、その昔は親密さをアピールしていたが、中国の劇的な発展に隠れて、あまり取りざたされなくなった。

その昔、日清戦争では、中国を負かし、日露戦争では形の上ではロシアを撃破した国として、日本は国際的には、極東の勇気ある国としての評価を得ていたのだが、最近の一連の不祥事処理についての優柔不断さが、腰抜け日本を世界に喧伝してしまった。

日本では野党となった自民党は、この緊急時に於いても、妥当民主党ばかりを意識した発言に終始しているようだ。何も大政翼賛会的なことを今回要求している訳ではないが、日本国が一致団結して、右も左も我が国の統一した次元での方針は変わらないと言えるように協力することが出来ないのだろうか。







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Last updated  2010.11.06 21:58:13
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