新生のらくろ君Aの館

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2010.11.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類


過去2回ほど参加させて貰い、食事だけ頂いて帰っていたが、今年で8回目を迎えると言うことで、何故か(以前訪れた時に酔って承諾させられていたらしい)歌う羽目になっていたようだ。

連れ合いを頭に浮かべながら歌った千昌夫の「君がすべてさ」というのが良く合っているという評価に乗せられて、選曲までが既に決まっていた。カラオケサロンで不特定多数というか、酔客同士の間で歌うことには何の抵抗もないし、少々音外れでもどうと言うことはない。

しかし、大勢の人の前で、ステージに立って、スポットライトを浴びながら歌うと言うことなど経験がないわけで、しらふになって聞いて、躊躇したが、事は真面目に粛々と進んでいるという。

仕方なしに腹をくくり、i-PODに入っている「君がすべてさ」を、車を運転しながら何回もリピートして聴き、車内で大声を出して練習した。そこで、プロの歌手との違いを今更ながらに分かったのだが、随所で、歌詞の延ばし方、こぶしの入れ方、そして、曲の終わりの声の延ばし方など、多くを得ることが出来た。

運転中なので、全感情を移入することは出来ないし、なかなかプロのように一朝一夕に歌えるわけがない。折角だから、やはり巧く聞こえるように歌いたいというのは人情である。

ところが、一両日前頃から、風邪を引いたのか、咳がひどくなり、声が出にくくなった。
そして砺波へのドライブ旅行で最高潮に達したのである。連れ合いに、「声が出ないから、出場辞退するように計らって欲しい」というと、「だめだめ、もう決まっているのだから、立っているだけでも良いのよ」ととりつく島がない。

そこで、砺波のホテルのカラオケルームでの特訓となったわけだが、その時は、未だかすれる声でも何とか声が出ていた。その後何度も温泉に浸かったせいか、咳は良くなるどころか、段々悪化、通常の会話は、隣にいる人に話しかけても分からないと言うくらいにかすれて出なくなった。


別に命までは取られるというわけではないが、折角の芸能界デビュー?ならまともにやりたいと思うのは人情であるわけで、前日、咳止めは飲み、喉へのスプレーも掛け、シップをするなど万全を尽くして今朝良くなっていることを願いつつ起きた。

しかし、良くなるどころか、ますます声が出なくなっている。その時になってやっと連れ合いは「事前にいつものようにアルコールを飲んでいれば歌えるよ、歌えなければ、その時断りを言えばいいのよ」と譲歩してくれたが、結局、歌うと言うことで、会場である高槻京都ホテルに向かった。

2階の会場では、13時から始まっている人達が、既に歌っている。もう逃げも隠れも出来ないわけで、1階の喫茶店で、生ビールを1杯飲んだ。もちろんその位では、酔って理性を失い、その勢いで歌うと言うまでにはほど遠い。一寸喉を潤した程度である。

もうそろそろ会場入りをしないと、と、連れ合いに促されて、ステージから2列目のDテーブルに着席した。テーブルには2-3人を除いて、既に着席していたが、ステージでは、私の出番の6番前の若い夫婦らしいのが、SMAPの「世界に一つだけの花」を熱唱中であった。

会場は、未だ空席が見えるほどにしか集まっていない。フリードリンク・ディナーは18時からのことであるから、今までの我々のように、それに照準を合わせてくる人も多いようだ。ええい、こうなれば、なるようになれという心境ではあったが、何となく腰が落ち着かない。

それからの人が何を歌い、どんな人だったかは全くと言っていいほど覚えていない。そのうち、「恋人よ」を女性が歌っている時、カラオケサロンでお手伝いをしている女性が、そろそろスタンバイしてくださいと伝えに来た。
会場を横切って、入口側の前方にある衝立で仕切られた、控えのコーナーに行くと、私の前に歌う女性が座っていた。その女性が呼ばれてステージに立った時には、もう、逃げ場がないわけで、「君がすべてさ」ので出しである、「これきり・・・」の「こーー」の音が出るか、他には聞こえないような声で、何回も音程を探った。

最初が出なければ、もうどうしようもなく悲惨であるわけで、風邪で喉が痛いのは忘れていた。
いよいよ、私の出番である。前任者からハンディーマイクを手渡され、名前を呼ばれて、スポットライトに照らされた舞台に立った。
カラオケを歌うと雖も舞台は舞台である。私が舞台に立ったのは、中学3年の時の文化祭で、狂言「ブス」を友人3人とでつとめて以来のことである。

私の同級生では、グリークラブで大勢と舞台で歌い、時々ソロをしたりするのがいる。また、同じく、仕舞や謡で、小さな能舞台一杯に舞を披露する友人もいる。それらから比べるとどうと言うことはないのだが、やはり緊張する。そう言ったことがめまぐるしく頭の中を回るが、カラオケの曲は既に前奏を終わりかけている。


多分テレビドラマで、追い詰められた犯人が、警察の包囲網からサーチライトを当てられたらこういった風に何も見えないのだろうなどと考えた。

プロでないから、会場の雰囲気を知りながら歌う必要もないわけで、淡々と、之まで練習してきたチェックポイントを反芻しながら歌った。3コーラスを歌わせて貰ったのだが、コーラスの途切れで、お義理の拍手があるので、あー、前に観客が居るのだなあと感じる程度である。

風邪を引かず、喉も痛くないベストな状態であれば、もっと奔放に出来たものをと思いながら、初芸能界デビュー(?)を飾れなかったのは残念ではあったが、3-4分程度の時間はあっという間に過ぎてしまった。

テーブルに帰ると、同席の人が、拍手で迎えてくれた。連れ合いも「まぁ、まぁ、声が出て良かったね」と慰めてくれた。
私の後も10名くらいの人が歌っていたが、その中には、同席の女性で、茨木でカラオケ教室の先生をしているという人の歌もあった。


プログラムを見ると、歌った人は53人で、私は42番という事であった。
余興が終わって、チャリティー寄付金の贈呈式や8回の開催を祝う舞や、プロの歌手の歌が終わって、テーブルセッティングの後、ディナーが始まったが、その頃には、連れ合いの勤める学校の校長さんも顔を見られた。

談笑しながら、最終は、元松竹映画のトップスターであり、今はカラオケサロンの経営者である、連れ合いの従兄家族が、それぞれに歌を披露したり、トークしたりして楽しい(自分の番が済めば)一時を過ごせた。

ホテルのバスに乗り込んで、メガネケースを忘れていることに気づき、連絡して確保して貰っていることを聞き、安堵した。
何となく長い1日であったが、精魂込めて、1曲歌うだけでもなかなか体力が要ることだと言うことを改めて感じた。





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Last updated  2010.11.30 11:34:29 コメントを書く


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