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2012.01.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「不確定性原理」とはなんぞやと言うところから、門外漢の私にとっては既に未知の分野であるが、どうやら、約80年前から現代物理学の基本原理と認められてきた原理であり、アインシュタインの相対性理論などと並んで、この理論を元にして現在の物理学の一部は成り立っていたと云うことだ。
原理とは、いろいろな意味で使われ、最近では、イスラム原理主義といった表現も出てくるが物理学では「事物・事象が依拠する根本法則」といった意味であり、揺るがぬ基本法則ということである。

数学に於いては、一般に広く通用する真理・道理として「公理」というものがあるが、「原理」は物理学に於ける公理のようなものではないかと思っている。何しろその原理が違っていれば、80年間営々として築いてきた事柄が瓦解すると言っても過言ではないだろうからだ。
そこまでの大問題が発見されたと云うことのようだ。

要するに、今まで根拠にしていたことにほころびがあると言うことで、「不確定性原理」によれば等と引用していた事柄の1部は最早云えなくなるのであろう。門外漢の私にとっても、大変な意味を持つことだと解る。

去年の9月には、物質を構成する最も基本的な粒子である素粒子の1つであるニュートリノが光速よりも速いという実験結果が名古屋大などの国際共同研究グループによって報告された。光より速いものはないとするアインシュタインの相対性理論の前提を覆すような測定結果を発表し、物議を醸したが、その後別のチームによって、その発表に疑義を唱えられ、今日まで結果はどうなのかはっきりしていない状況である。 

今回の「不確定性原理」のほころびも名古屋大学などの共同研究グループが実験で確かめたと言うことであり、この結果によって、従来開発されてきた半導体やレーザーの開発が頭打ちになっているところに、大きな進展が予想され、画期的な測定・制御技術に道を開く可能性があるとのことである。

 新理論を実証したのは、小澤正直名大教授や長谷川祐司ウィーン工科大准教授らであり、物理学の教科書が修正されることになりそうだという。元々、私などは、「不確定性原理」等というものには馴染みがないので、どういったことに使われていることさえ知らない訳だから、教科書がどう変わろうが、影響はないわけだが、とにかく凄いことなのだろう事は想像できるわけだ。

では、ここで少し、「不確定性原理」と言うものを調べてみると(とても詳細まで解るはずもないからだが)、ドイツのハイゼンベルクが導き出したもので、1932年にこの「不確定性原理」を含めて、量子力学の幕開けを行ったという点で、ノーベル物理学賞を得ている。


難しい数式は元より分からないのだが、イメージとしては、粒子の位置と、速度を計測しようとして、光を当てると、光が当たることによって粒子は位置はずれを生じ運動量即ち速度を正確に測れないとされてきた。要するに、一方(位置の検出)の誤差を小さくしようとすると、もう一方(速度)の誤差が大きくなるトレードオフの関係だというのだ。
即ち、これら2つを正確に測定しようとしても、測定という行為自体が粒子の状態を既に乱すことになり、計測された結果には誤差が入り込んでしまうと云う事である。

何を云っているのか茫洋としているが、要するに、ある種の誤差は不可避で、あまり正確に捉えることが出来ないと言ったことだろうか。
そう言った制限下でも、「不確定性原理」は現在の情報科学(IT)やエレクトロニクス関連の産業の発展の基盤となって、大きく寄与してきたわけだが、今回の「不確定性原理」の修正(即ちハイゼンベルグの主張した原理の修正)によって、粒子の位置と速度をある一定の条件の下では、互いの誤差無く、正確に計測できると云うことが実証されたというわけである。

従来から小澤らは、「小澤の不等式」という理論を提唱し、過去30年近くにわたって「ハイゼンベルクの不確定性原理を破る測定は可能」と主張し続けてきていたが、このほど長谷川祐司准教授と共に、実験によって自らの理論を実証したと云うことになる。従って80年間信じられてきた原理にほころびが生じ、(より正確に測定することが出来るようになった)従来のハイゼンベルクの不確定性原理を修正したということだ。
小澤の式とはどんなものなのかを解説したものがあったのでそれを解釈すると、ハイゼンベルクの式は単純に、位置と運動量のみを対象にし、それらを計測するときに現れる不正確さを全て誤差と決めつけた点にあるという。小澤らの考えは、物体の位置と運動量には、それぞれ測定前にもともと「量子ゆらぎ」を持っているという考えで、これら2つの項を追加することで、ハイゼンベルクが誤差としていたことを、「量子ゆらぎ」と「測定による誤差」に分ける事によって、新たな不確定性の式を導いている。

「量子ゆらぎ」というのはもともと物体に備わっている性質であり、既知であると言うことで、之を厳密に区別した上で観測の理論を構築し、ハイゼンベルグが混同していた内容を是正したと云うことになる。

理論的にはタイムマシンも可能にするかも知れないという、超光速ニュートリノは光速よりも速いといった問題と違い、今回の実験による確認実証は、量子力学そのものを覆すものではなく、ただ、ハイゼンベルクの提唱する量子力学の基本方程式を若干修正するという事になり、その結果、従来のハイゼンベルクの式では曖昧にしておかれてた粒子の状態が測定が可能になり、むしろ量子力学の可能性を広げることになるのだ。

現在の古典力学は、既に解明されていることを用いて、この先起こる現象などを予測することができる理論と言うことだが、量子力学は未だに曖昧な要素を含んでおり、ある意味で確率的な要素を含むものとされていたが、今回の実験と実証で、この邪魔ものと見なされていた「不確定性」を厳密に整理し直したと言うことになるのである。

現在は、ロバストな、ノイマン型スーパーコンピューターが使われているが、ナノテクが進める極微の世界が更に一層「ゆらぎ」無く進化、解明されていくと云うことのようだ。「1番でないと駄目ですか、2番じゃ何故いけないですか」などといっている次元をはるかに越えるものである。この小澤の実証によって現在では未知技術である量子コンピューターや量子暗号通信がますます発展していくことが考えられる。

所謂ナノテクノロジーと言う世界が飛躍的発展を遂げるといった感触を受ける。現在ナノテク(ナノは10のマイナス9乗)と称するものも、現実にはミクロ(10のマイナス6乗)の世界を扱ったものが殆どであり、この度の実証でハイゼンベルグが縛りになっていたのかどうかは知らないが、今後はより細かな粒子の動きを捉えることができるようになったと考えれば、ミクロからナノへの本質的な展開がよりいっそう加速されるようになったといえるかもしれない。


【ハイゼンベルグの式】
   εqηp ≧ h/4π  (hはプランク定数,最後の文字は円周率のパイ)・・・(1)式

と言う簡単な式が
【小澤の式】
  εqηp + σqηp + σpεq

と少し複雑になっている。
(1)に於いて、
εqは測定する物体の位置の誤差で、ハイゼンベルグは揺らぎの現象もこの中に封入していた。
ηpは位置を測定したことによる物体の運動量に生じる乱れである。

ここで、もし位置が誤差ゼロ(εq=0)で測定できたら運動量の乱れ(ηp)は無限大となって,測定値そのものが意味を成さないものになる。(従来)

(2)式は(1)のハイゼンベルクの式から, 朱記 の2つの項が増えている。
新たに出てきたσq,σpというのは,それぞれ物体の位置と運動量が,測定前にもともと持っていた「量子ゆらぎ」ということになる。
と言うことで、(2)式により、従来は、不可能とされてきた、粒子の動きと位置を確実に捉えることが出来ると言うことになるわけだ。

ここまで書いて、之がどのように我々の日常生活にアプライされるのか、見当もつかないが、何かしら、壁が1つ突き破られ、日本のお家芸である物理学にまた1つの足跡を残したことになる。





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Last updated  2012.01.22 09:57:09
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