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2012.02.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
日経新聞に、こういう見出しで記事が掲載されていた。中国の元最高実力者、トウ小平が南部都市を周り、市場経済化の大号令を掛けた「南方講和」の最終日から20周年に当たる日だという。

経済に疎い私などが書くのも気が引けるが、中国はそれまで、社会主義統制経済で、一貫していたところを、社会主義は理念として、残しながら、西欧に於ける資本主義の考えを導入するというものであった。しかし彼らにも意地があり、資本主義は穢れたものであると言うことで、敢えて、市場経済という名前を作ったのである。

市場に於いては、需要と供給の関係で、成り立つと言うことだが、元々他利を考える国柄ではないので、あるものは全て利用し、偽物であろうが儲かるとなればなり振り構わずにやってのけるといった貪欲さがある。こういった中、市場に金がぐるぐると回り始めたのである。その富を掃除機のように吸い取ったものが富者となり、特権階級となって之で社会主義国家かと思わせるほど富は偏在して貧富の差は日本以上に激しくなった。

所得格差を表す係数にジニ係数というのがあり、格差がない社会はこの値が0となり、この値が1に近づくほど格差が広がっていると言うことを意味する。計算式は難しくはないがサンプル数が多くなると煩わしいので、今仮に年収2000万円の人と500万円の人が居るとしてこのジニ係数を計算すると、

平均差:(|2000-500|+|500-2000|)/2 =1500
平均値:(2000+500)/2 =1250
ジニ係数:(平均差)/(平均値の2倍)=1500/(1250×2)=0.6

(注)| |は絶対値を示す。
と言うことで、0.5を越えており、数値から見る通り、かなり格差が激しいというわけである。



OECDなどの調べによると、ジニ係数が高い国としては、メキシコ、トルコなどの0.4を越える国から、高い方ではアメリカの0.37程度のもの、そして日本では0.28が0.314に上昇していると言った値が出されている。因みにOECDの平均値は0.31と言うことらしい。

これらの国から比較しても、中国は、2006年以降も格差がますます広がる傾向にあり、世界1の格差大国であることも間違いない事実のようだ。

そこで、トウ小平が行った市場経済に基づく経済発展を今後も推し進めていくのか、(資本主義の仮面を被った共産主義)政経一体化となる、社会主義の方に軸足を置くのかが次期習近平主席の考え方に掛かっていると言うのだ。
その答の1つとして、習近平は訪問先のアイルランドで、中国の経済成長率の目標を1%程度下げることを発表したのである。

現胡錦濤主席はトウ小平の正統な後継者を自負するものの、がちがちのマルクス主義者であることから、必ずしも市場主義を支持しているはずはないと言うことだ。表向き敢えて市場主義に反対はしなかったが、政権のスローガンに「和諧(わかい=調和の取れた)社会」を掲げていることからも、政府による所得再配分を目指していたことが見え隠れしている。

そこに起こったのがリーマンショックである。この時、市場経済に任せた事により乱脈な経済破綻が起こったとして、中国ではいち早く国家介入で、50兆円の景気刺激策を打ったのであり、胡錦濤は、その手段で経済を回復軌道に乗せたとする自負がある。
それを「国家資本主義」と称しているが、之を押す者達は、市場のみに任せる自由主義経済は、時にこのような破綻を招くと言いたいのであろう。

一方では、市場経済化を推進した、朱鎔基元首相などの一派は、「貧富の差が拡大したのは市場経済のせいではなく、権力側のチェックの緩み、即ち政治改革への怠りのために、一部特権層の出現を黙認したからであるという。

これら両天秤の要にいる習近平はいかなる方向に舵を切ろうとするのかが注目されているというわけだ。
天安門事件を武力制圧したと言え、トウ小平の晩年に於ける南方講和(南巡講和)が中国経済の躍進に貢献したことは否めない。現政権は、ひたすら、経済発展には満足しているものの、共産国家としての体制が脅かされることを畏れている。

南巡講和もそう言った停滞感からの打開策として、トウ小平は内密に事を進めていた。彼は北京ではなく、広東省を選んだのには、それなりの理由があったのであろう。


こうして得た既得権は絶対に離そうとしないのであるが、之は、何も中国に限らず、日本の官僚の中でもほぼ常識的になっている。
ここに来て、中国が、国家統制経済の必要性を感じ始めたのも事実であるが、その歪みが起こっていると言うこともある。

中国を真の市場主義を定着させるためには、林立する同種企業の淘汰と統合である。経済に歪みが生じているのは、これら国営企業と民間企業との競合に於ける混乱がある。そして、この統合は、後に国家権力と密接な関係を持たざるを得なくなるというジレンマに陥ることであろう。

一方では、中国は経済発展を遂げたとは言え、基幹になる産業が自国だけでは育っていないという点も挙げられる。SONYをもじって、SQNYと称したり、CoCaColaをCaCaCalaなどと言ったりしているようでは、どうしようもない。かといって自国ブランドを作って売り込もうとしても、そうたやすくブランドが出来上がるわけでもない。

中国は、何十年か前の日本の道を歩んでいるようだ。とにかくアメリカや、西欧にキャッチアップすることで、何とか立ち上がろうとした。そして守りから、離れ、そしてブレークスルーして破るという自己の実力までに高めたが、中国は、守という段階からなかなか脱しようとしない。


その根源は国家企業偏重の経済政策にあるというわけだ。
得てして国有企業は、競争するマインドが無くなり、イノベーションに対して消極的である。

中国が、近い将来GDPにおいて世界のトップに成るであろうことは予想されているが、13億人の全てが、それ相応の富を手に入れるまでにはなかなか至らず、格差の社会はますます増長し、それ故に近い将来、圧倒的多数を占める貧困層が、再び立ち上がり、第3の天安門事件が起きることも又考えられるわけである。





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Last updated  2012.02.24 13:18:23
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