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2018.06.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日のセミウォーキングは水無瀬堤から堤東終点までで、折りかえして帰宅した。

***

トルコを東西に横断するパイプライン「TANAP(Trans Anatolia Natural Gas Pipeline)」の内、中央から東の1850kmが開通した。TANAPはカスピ海産の天然ガスをロシアを経由せずに欧州へ運ぶパイプラインだ。カスピ海バクー沖で開発する大型ガス田(シャフ・デニズ2)で産出した天然ガスを既存のパイプラインSCP(South Caucasus Pipeline)でアゼルバイジャンとジョージアを抜けるまで運んで、TANAPに繋げるのだ。

今回開通したのは、トルコ西部エスキシュヒルまでで、そこから以西は、現在、鋭意建設中だ。2019年中には残るギリシャ国境までの工事を終える予定だ。2015年に着工したこのパイプラインは、最終的には、欧州の既存のパイプラインと繋げてカスピ海からドイツやフランスへ天然ガスを供給する。欧州はウクライナ問題を巡って対立するロシアへのエネルギー依存度引き下げる目的があり、重要視している。

TANAPの総事業費は約80億ドル(8800億円)だ(開発費約2兆8000億円という記事もあったが)。輸送能力は年160憶立方mで、うち60億立方mがトルコ向けだ。2018年中には供給を開始し、残りの100億立方mが欧州向けとなる。輸送量は徐々に拡大して、2023年までに230億立方m、2026年までに310億立方mまでにほぼ倍増することを目論んでいる。

エスキシュヒルから以西の残りのTANAPとその先、ギリシャとアルバニアを経由、アドリア海を横断してイタリア南部に至る全長約870kmの「アドリア海横断パイプライン(TAP)」の全線開通は2020年までの完成を見込んでいる。このパイプラインが完成すれば、カスピ海のガスが、ロシアを経由せずに欧州に運べることになる。(ナブッコラインという名称もあり、殆ど同じ経路を通っていることから、同一だと思われるのだが、私の中でははっきりしない。)

従来なら、アゼルバイジャンから欧州へ輸出するには、いったんロシアに出し、ロシアと欧州をつなぐラインを経由するしかなかった。欧州はガス供給の3割弱をロシアに依存している。そのため、ウクライナ情勢を巡る対立等で、過去に供給停止措置を採られるなど首根っこを抑えているロシアはやりたい放題であった。

欧州側としては、TAPとTANAPの全面開通後の将来は、カスピ海を抜け、トルクメニスタンやイラン、東地中海などで産出されるガスの輸入にも活用していきたいとの思惑である。

一方のロシアは、自国を迂回する動きに対抗して、黒海を通りトルコや東欧に向かうパイプライン「トルコストリーム」の建設を計画していたが、シリア内戦を巡るトルコとの関係悪化(2015年11月のトルコ軍によるロシア軍機撃墜事件)で構想は事実上凍結状態であった。



対ロシアでは、エルドアンの譲歩で、再度「トルコストリーム」建設も動き出した。この辺りの駆け引きはロシアもトルコもたいしたものだ。アメリカの言いなり、一辺倒の安倍政権では、とてもこう言った立ち回りは出来ないのではないだろうか。

ガスパイプラインは縦横に通っているようで、トルコには、BTCパイプラインというラインも走っている。アゼルバイジャンの首都バクーとトルコの地中海岸の港ジェイハンを結ぶ総延長1770㎞で、2006年に稼働開始した。このラインも、ロシアを経由せずに原油を輸送できるのが特徴だ。このラインは、過去に爆発騒ぎを起こしているが、故障が原因か、武装組織クルド労働者党の破壊工作なのか、分からない。

現時点ではどちらか判明しているはずだが、フォローしていないので、よく分からない。
日本もこれらパイプラインには積極的に参画しているようだ。

パイプラインは、輸送管を埋め込むとか、台を建設してその上を通したりするのだが、その管の数量は半端ではない。日本の鋼管メーカーには魅力的な対象となる。また、日本の品質は一定の評価を得ていたようだが、昨今は神鋼などのような品質記録の改ざん等があると、何もかもぶち壊しになってしまう。

また、「サウスストリーム」(トルコストリームと同一なのだろうか)と名付けられたパイプラインもある。ロシアから黒海の海底を通り、ブルガリアを経由して欧州に通じるラインだ。これも支線を設けて南欧へも輸送するようになっている。ロシアにとっては、有利なパイプラインとなる。

このパイプラインは、TANAPからTAPへと繋がるパイプラインとは競合する形になる。ロシアが起点か、ロシアを回避するかで大きく影響するため、今回のロシア回避のルートは、欧州にとっては待ち望んだ計画だ。

ロシアは、ウクライナやクリミアの問題で欧州とは反目し合う間だし、トルコはロシアに併合されたクリミア半島に住むトルコ系のクリミア・タタール人の権利保護のためにロシアを完全に敵に回すことは憚られる。従って、欧米の対ロ制裁には同調していない。

トルコはすでにロシア産の資源への依存度が高く、エネルギー関係の強化で一段とロシア依存が進む可能性もある。

エネルギーの根幹を握るロシアからなんとか多様化の道を進みたい欧州にとって、部分的とはいえ今回のTANAPラインの開通は、将来に向けて新しい展望を開くものだ。

日本にいては、石油や天然ガスは、全て輸送船やLNG船で運ぶといった固定観念で見る限り、このパイプラインの経路や敷設が、国の死命を制するものであると言った認識はなかなか持てない。



今回の開通で、どのような変化が起こるのか、興味のあるところだ。

【古今和歌集】

463.秋くれど月のかつらのみやはなる 光を花とちらすばかりを (源ほどこす)

秋になれば月の桂も実が生るのだろうか、いや、実はならないよ、光を花のように散らしているだけだから

(月の桂 ・・・ 月の中にあると言われる桂の木、「つきのカツラノ ミヤはなる」という部分に「桂の宮」が詠み込まれている。





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Last updated  2018.06.17 15:21:01
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