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2018.09.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日は雨のためウォーキングは中止した。

***

インド洋に浮かぶモルディブでは23日に5年に1度の大統領選挙があり、親中派の現職(ヤミーン)が敗れ、親インド派であり、欧米寄りの野党民主党のソリが勝利した。獲得投票率は6割だ。現職だったヤミーンが採った、司法手続きを踏まないで、政敵(野党)の政治家を逮捕するなどの強権を強いてきた報いという形だ。また、中国が協力したインフラ事業に絡む汚職の疑惑も浮上。強権的な政権の姿勢に国民の反発は高まっていた。

天知る、地知る、民も知るであるが、人口たった40万人ほどの日本で云えば政令指定都市にも届かない(高槻市よりは少し多い)くらいの規模の国故に、軌道が修正出来たのか、ヤミーンが強権を振るった故か、ソリが極めて優秀であったのかなどは分からないが、直截選挙であった故に、日本のように国民の支持とは無関係に現職安倍が3選されたのとは大いに違うところだ。

このように、日本にとっては、インド洋の遙か彼方の小さな島国ではあり、昨今でこそ新婚旅行のメッカ的な関心はあるようだが、そこでの政権交代がどうかしたかという程度のことだ。日本の新聞に大々的に掲載されるほどの意味があるのはどうしてか。インド洋は、古来から、西洋と東洋を結びつける要衝の地であり、中でも、モルディブは中東とアジアを結ぶ海上交通路(シーレーン)の真っ只中にある。

アメリカやインドそして日本にとっても重要な戦略的要衝なのだ。従って、この政権交代は大きな意味を持っている。中国が一帯一路の名の下にインド洋でのシーレーンを支配しようとする思惑で関係する各国を取り込もうと画策しているのだ。

こう言った、中国の一方的な進出に危惧を抱いたマレーシアでもマハティール政権がストップを掛けたが、これも、モルディブと同じく中国に取り込まれてしまうことを危惧したからであった。

今日、インド洋では年間10万隻の商船が行き交い、総額にして1兆ドル相当の貿易を支えている。インド洋はまた、エネルギーの観点からも重要である。6割の原油と7割の石油製品がインド洋を通って流通しているのだ。

今回の選挙では、ソリは「収監や亡命を強いられる厳しい旅だった」との感想を漏らしたと云うから、日本で石破を擁護した、安倍の取り巻きが行った圧力に比べても相当大きな圧力が掛かっていたことだろう。



汚職と過度な対中依存のインフラ投資で、政権への批判票が政権存続を許さなかったのだ。
だからといって東南アジア全ての国が脱中国ではなく、カンボジアやパキスタンはインフラ整備で、中国頼みの政権運営が続いている。

ここに来て、中国の広域経済圏構想「一帯一路」を是とする国と、非とする国が明暗を分けたようだ。
モルディブは、中国依存から脱却する方向になったものの、そこは中国、政権維持の肝である、インド洋での影響力維持には、又別の手を考えているようだ。

モルディブの中国離れの裏には、国民の反ヤミーンというばかりではなく、インドの働きがあった。ヤミーンの政権維持のための非常事態宣言に対して、野党側の要請で、インドは、艦船を増派してヤミーンを威嚇した。野党が、他国に軍隊出動を要請するなどと云うことは、常識では考えられないが、元々しっかりした軍隊を持たず、外交も全方位であったことからこういった事もありうるのだろう。

インドと中国の確執は、中国の「真珠の首飾り」と称されるインド洋への進出戦略に、インドが「ダイヤのネックレス」で対抗するという古くからのせめぎ合いがある。中国は中東やアフリカからのエネルギー輸送の安全を確保するため、インド洋沿岸部に「真珠」、つまり港湾のネットワークを整備意図して進めてきた。

その一方で、インドはこれらの真珠に囲い込まれることを警戒して、対抗手段としてインド洋から南シナ海の沿岸部に「ダイヤモンド」、つまりアクセス拠点を整備しようとしているのだ。東南アジアの各国は、こう言った遠大な中国の覇権思想に順次取り込まれている。ミャンマーでの港湾(チャオピュー港)の建設に当たっては、両国思惑が重なる要衝になっている。

こう言った中印のせめぎ合いの背景の中で今回の大統領選が行われたわけだが、インドは「数千万ドルの予算を情報機関に割り当て現地での野党支援を徹底した」とされている。ソリの勝利は、民主主義の勝利であり、インドの勝利との意味合いを持っている。

モルディブでの中国の真意は、シーレーンの真ん中に位置するモルディブの一部の島に軍港を開き、この辺りの制海権を有利に維持しようとしている。これに対して、中国の進出を快く思わないインドや、モルディブの南側に浮かぶ英領ディエゴガルシア島に海軍基地を構えるアメリカは、常に警戒心を持ってみていた。

ヤミーンが中国頼みで、一帯一路に早くから賛同し、国内インフラを整備してきたものの、一切返済の目処すら立たない有様だ。既にインフラ事業などで積み上がった対中国の債務は20億ドル(約2200億円)に達しているといい、同国のナシード元大統領等も、返済は不可能とまで公言していたほどだ。

昨年末には中国と自由貿易協定(FTA)も締結し、輸入に占める中国の割合はインドよりも中国の方が勝っていて、このまま放置すれば、モルディブはスリランカ同様に中国のほぼ属国のようになってしまう恐れは十分にあった。



然し乍ら、中国は一帯一路と云った、一見平和的な名の下に、これまで圧倒的な資金力で各国のインフラ整備を進める中国の勢いが今回の選挙で急に弱まるかは不透明だという。インド寄りだったネパールでは昨年末の総選挙を経て今年2月に親中派が政権を奪還しているし、7月に総選挙のあったパキスタンでは政権交代は実現したものの、インドとは歴史的に根深い確執が存在しているので、新しいカーン政権も実質的には、対中関係を重視する方針のようだ。

モルディブのソリ政権が、完全に中国離れをするためには、日本もモルディブへの積極的な経済援助を行うべきではないかと思われる。

【古今和歌集】

556.つゝめども袖にたまらぬ白玉は 人を見ぬ目のなみだなりけり (あべのきよゆき朝臣)

包んでも袖にたまらない白玉はあなたに会えない私の目から出た涙です






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Last updated  2018.10.01 11:23:24
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