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2020.03.31
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日は久しぶりにウォーキングで、第1634日目だ。一寸最終地点を手前にして8163歩だった。

***

まだコロナ禍は拡大の域を出ず、呻吟中だが、コロナ後の世界がどうあるべきかを含め、現在の状況をどのようにすべきかと言った問題をイスラエル生まれのユヴァル・ノア・ハラリ氏が寄稿している。

私も興味を持っている人類の誕生と進化等について「サピエンス全史」を著した歴史学者で、哲学者だ。その中から気持ちを惹きつける言葉やセンテンスを抜き出してみた。断定的に書いてあるのはハラリ氏の言で、時々私の感想が入る妙な書き方になった。

人類はいま、自分たちが経験した中で最大の危機に直面している。恐らく、この危機は乗り越えられるであろう事が前提だが、未曾有のことである事は論を待たない。
過去の感染症で、最悪であったとされる中世ヨーロッパのペストでは人口の50%近くが死亡し、ヨーロッパの中世封建体制が崩壊した。また、インカ帝国も天然痘により滅亡した例もある。

新型コロナは、それらよりも致死率が低いとされているものの、医療が発達したとされる今でさえも脅威なのだから、安心できないのは変わらない。

人類はこうした危機に何度も見舞われ、辛うじて生き延びてきたことになる。
では、この新型コロナの嵐が去った後はどうなのか。私たちはこれまでとは違う世界に暮らすことになる。



嵐の後から振り返ると、世界は今巨大な社会実験をしているのだ。緊急だから可能なことなのだ。

今回の危機で、私たちは特に重要な2つの選択に直面している。1つは「全体主義的な監視」と「市民の権限強化」のどちらを選ぶのかということと、もう1つは「国家主義的な孤立」と「世界の結束」のいずれを選ぶのか、だ。


なるほど、中国が採っている手段は、「全体主義的な監視」であり、中国当局は市民のスマホを細かく監視し、顔認証機能を持つ監視カメラを何億台も配置して情報を収集し、市民には体温や健康状態のチェックとその報告を義務付けることで、新型コロナの感染が疑われる人物を速やかに特定している。

こうした使い方は、感染症を防止、拡散するための臨時的な措置ではないことが脅威なのだが、現在はそれを可能にしているのだ。50年前のソ連のKGBでも、ここまでの監視社会は作り得なかったが、現在の人類の技術はそれを可能にしている。

至るところにセンサーを設置し、人を常に監視して、違反したら罰するというやり方だ。これは今では可能な手段となり、使われているのだ。この方法が勝つのか、それは嵐が去るまで評価できない。しかし、之の方法が勝利したとき、新型コロナは監視の歴史における重大な転換点になりかねない。

同様の手段を執ろうとしているのがイスラエルのネタニヤフだ。通常、テロリスト対策にしか使わない監視技術の利用を議会の反対を押し切って認めた。然しこのやり方は、既に世界で行われていることだろう。

身近な例で、腕時計型端末(リストウォッチ)で血圧を測り健康管理に使っている人がいる。こうした技術は真に個人的な健康管理(異変の察知)に使われる分には問題は無い。私の知人も何名かは利用しているようだ。

然し、之を転じて、そのデータを集約し、又付加技術として、どのようなニュース(ウェブ)に関心を持つか、乃至は、どう言った事柄に笑い、又怒るのかを間接的に利用する事と結びつければ、個人情報などと言った域を越えて、国民が何を志向し、何を望んでいるか、又何をすれば押さえ込むことが可能なのかといったアルゴリズムは容易に作成できるだろう。

之が感染症の対策にのみ使われるとしたら、素晴らしいことが可能になると思える。
しかし、之にはゾッとするような新しい監視システムが正当化されるという大いなる懸念があると言うことだ。

怒りや喜び、退屈や愛情は熱や咳と同様に生物学的な現象だ。こうした、時々の生体データを一斉に収集し始め、ある意図を以て使われるとしたら、その先に何があるかは想像に難くない。


之に比べればフェイスブックがやっていたデータの不正入手などは石器時代の代物だというわけだ。

もし、金正恩が全ての国民に生体測定機能を持つ腕時計型端末の装着を義務付けたらどうなるのか、もしも、偉大な同士(金正恩)に不平や怒りの兆候が読み取られた端末所持者は、間違い無く一巻の終わりだ。

何時も技術が正しい方向に使われると仮定するのは大きな間違いである事を我々は沢山経験している。優秀な技術は、それを使用するという特化した特殊事情が終わった後も生き続けると云う事だ。

例として、1948年のイスラエル独立戦争(第1次中東戦争)時には、メディアの報道内容の検閲や土地の押収から、プディングの生産にまで特別な規制が課され、それは、一時的な緊急措置だとして正当化された。そして、イスラエルはこの第1次中東戦争にとうの昔に勝ったが、政府は現在もなおこの緊急措置は、プディング緊急規制令を除いて、昔のまま残っている。

このように、新型コロナの新規感染者がゼロになっても、データを入手したい一部の政府は新型コロナの第2波の恐れがあるとか中央アフリカで新しいタイプのエボラウイルスが発生しているなどとして、生体監視を続ける必要があると主張する可能性がある。ということだ。



新型コロナ対策では韓国や台湾、シンガポールは封じ込めるための取り組みで大きな成果を上げた。これらの国は追跡アプリも活用しているが、それ以上に広範な検査を実施し、市民による誠実な申告を求め、市民に情報をきちんと提供することで市民の積極的な協力を得たことが功を奏した。

ここからはハラリ氏の主張の本質と思うが、全体主義的な監視態勢を敷くのではなく、むしろ市民に力を与えることで、私たちは自分の健康を守り、新型コロナの感染拡大を阻止することができる。

中央集権的な監視と厳しい処罰ではなく、市民に科学的な根拠や事実を伝え、市民がこうした事実を伝える当局を信頼していれば、政府が徹底した監視体制など築かずとも正しい行動をとれる。監視するだけで、脅威について何も知らせないより、はるかに強力で効果ある対応を期待できる。

こうした卑近な例として、石鹸で手を洗うという今では至極当然のことも、その重要性が理解されたのは19世紀に入ってからだ。それまでは、医師や看護師でさえ1つの手術が終わると、手を洗わないまま次の手術に取り掛かっていた。今日、数十億人が毎日、手を洗っている。監視されていて、手を洗わないと処罰されるからではない。その有効性を理解しているからだ。

之には同意するが、然し乍ら、何処の国にもいかれた分子はいるもので、こうした天邪鬼対策は現実には問題だと思うのだが。

こうした何でも無い対策についても、互いの信頼が必要だ。人々の科学への信頼、行政への信頼、そしてメディアへの信頼が不可欠なのだ。無責任な政治家たちが、勝手な判断で、独裁主義的な道を堂々と進もうとする事への逆監視が求められる。

勿論市民側も、的確な判断が出来る素養が求められることが前提だ。危機に直面すると、人々の気持ちもあっという間に変わり得る。先に述べた自分の体温や血圧を測定することについてもそのデータが絶対的な権力を持つ政府を生み出すために利用されてはならない。

政府が、そのデータをどのように使うかを、市民側からの随時の要求で、政府が説明責任を果たすシステムの構築が必要だ。政府の独断を許してはならないと言う事だ。監視について議論する際、様々な監視技術は政府が市民を監視するために使えるだけでなく、市民が政府を監視するためにも使えるものであるという点を忘れてはならない。

最後に、「国家主義的な孤立」か「グローバルな結束」かだが、これを効果的に解決していくには、国を越えた協力以外に道はない。

まず何よりもウイルスに打ち勝つには、世界中で情報を共有する必要がある。ある国で得た結果(知見)をすぐさま他国に適用できるという迅速さだ。これができれば、人間はウイルスよりはるかに有利になる。

これらを実現するには各国が信頼しあい、グローバルに協力していこうという精神が必要だ。各国は積極的に情報を公開し、他国と共有したり、謙虚に助言を求めたりしていくべきだし、提供されたデータや見解を信頼すべきことは至極当然のことだ。

戦争中はどこの政府も重要産業を国営化するように、このウイルスに対する戦いで死活的に重要な生産ラインは「全人類のものとすること」が必要だ。

しかし、今の国際社会は集団まひ状態になっていて、各国政府が自国のことだけを考え、他国のことを全く考慮しないままに行動しているのが現状だ。このままではより多くの混乱とより深刻な危機を招くことになる。

現在トランプは、「米国を再び偉大な国に」といいながら、かつてアメリカが世界の先頭に立って危機を克服してきたミッションを手放して、自国本意に陥っている。

その例として、トランプは、新型コロナウイスルに効くワクチンを開発中のドイツの製薬会社に対し、10億ドル(約1110億円)を提供する見返りに米国にそのワクチンを独占的に供給するよう求めたとも報道された。流石のこの要求は拒否されたようだが、之が現実なのだ。

何についても責任を取ることも、過ちを認めることも決してない一方で、手柄はすべて自分のものにして、問題が起きれば誰か他人のせいにする指導者に従う人はいないだろう。
この言葉は、なんだか私には特にずっしりと重く聞こえるのだ。安倍晋三のことを揶揄しているように聞こえてしまうからだ。ハラリ氏は多分トランプに対して言っているのだろうけれど。

要点を纏めきれなかったかも知れないが、久しぶりに意を強くする論評であった。
然し乍ら、現実のコロナが、この論評だけで解決するわけではない。





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Last updated  2020.04.01 12:50:23
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