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2020.10.12
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今日のウォーキングは第1793日目で8638歩だった。強も1日家に居た。

***

今年のノーベル物理学賞に英オックスフォード大のペンローズ氏ら3氏(他は、独マックスプランク地球外物理学研究所のラインハルト・ゲンツェル氏、米カリフォルニア大ロサンゼルス校のアンドレア・ゲズ教授)に贈られた。

授賞理由は「一般相対性理論によるブラックホールの存在の証明」であり、他の2人は「天の川銀河の中心に超大質量の天体があることを発見した」事による。

2019年にブラックホールを初めて撮影したのは本間希樹国立天文台教授ら国際研究チーム「EHT」だが、ノーベル賞に値する発見とされながら、今回の受賞には繋がらなかった。EHTの名前の由来である「事象の地平線」を唱えたのもペンローズとされる。

強い重力で周囲の時間と空間をゆがめ、光をも吸い込む宇宙の「黒い穴」を人類が初めて目にした興奮は、理論上は推定されていたものの、実在することを証明したわけで、EHTの発見も偉大であった。やがて見直されてノーベル賞に輝くことを期待したい。

そんな太陽の100万倍から100億倍もの質量を持つ巨大ブラックホールの存在は、アインシュタインの一般相対性理論で予測されていた。しかし、そのアインシュタインもブラックホールの存在を信じていなかったが、ペンローズは1965年、一般相対性理論を用いて、重力が無限大になる「特異点」、つまりブラックホールが存在することを証明したのだ。

ペンローズはスティーブン・ホーキングと共同して研究を行っていたので、ホーキングが存命であればホーキングも受賞していたかも知れない。

ここで、ペンローズだが、2種類のひし形をある法則にしたがって並べて平面を埋めつくしたとき、その並びが周期的ではないという「ペンローズ・タイル」を考案したり、「不可能図形」として有名な、90度ずつ折れ曲がって、永遠に上り続けても高いところに行けない階段を二次元で描いた「ペンローズの階段」を考案したりするなど、偉大な数学者でもあるのだ。


闇雲に視野の狭い望遠鏡を使っていたのでは、ブラックホールを撮影することは難しかった。

ブラックホールが存在することを可視化(実際に捉えた)したのはEHTであり、それが最終目標と云う事なら、今回受賞しなかったのは残念である。

ここで、ブラックホールが理論的に存在の証明がなされ、撮影されたとはいえ、まだ真の解明には至っていないので、更なる研究(受賞のチャンス)が残されているのだ。

最近になって、ブラックホールが謎の天体をのみ込んだ際に巨大な重力波が起こり、それを初じめて検出したとの発表があった。地球から約8億光年の彼方で起こったこの現象は、地球上の3台の重力波検出器(ワシントン州とルイジアナ州にある2台の「レーザー干渉計重力波観測所(LIGO)」と、イタリアの重力波観測所「Virgo」))で捉えられた。

2つの天体の大きな方は太陽の23倍の質量をもつブラックホールで、もう一方は質量が太陽の約2.6倍であった。両者が数10億年も互いの周りを公転しながらじわじわと接近し、最終的に衝突して、一方が他方をのみ込んでしまったと考えられた。

大きな方はブラックホールだが、小さい方は質量が既知の中性子星より重く、ブラックホールより軽い、曖昧な領域にあるとのことだ。このような天体は非常に珍しく、質量ギャップ内のどこかで、物質は不安定になり、崩壊してブラックホールになってしまう。中性子星は、この限界ぎりぎりのところに位置している。

中性子星もブラックホールも、恒星が超新星爆発を起こしたあとに残る天体だが、質量が軽ければ中性子星になり、重ければ自らの重力によって収縮してブラックホールになる。この中性子星とブラックホールの境界は何処にあるのだろうか。

これらはいずれにしても恒星進化の終着点と考えられている。

これまでの観測から、中性子星の質量は最大でも太陽質量の2.1倍程度で、大半は1.4倍前後であることがわかっている。一方、これまでに観測されているブラックホールの中では、太陽質量の5倍程度のものが最も軽い。つい最近まで、この中間にはほとんど何も存在していなかった。

LIGOは、2つの中性子星が衝突してできた天体を2017年に検出している。その重さは太陽質量の約2.7倍だった。今回発見された小さな方は現段階では、ブラックホールとも中性子星とも云えないのだ。 

もし呑み込まれた方の天体が中性子星だったとしたら、太陽質量の2.6倍もの質量をもつ中性子星が存在できることになり、それはそれで大きな発見だが、太陽質量の2.6倍のブラックホールが存在できない理由はないことから、ブラックホールが別のブラックホールを共食いしたのか、それとも中性子星を食べたのかが現時点ではどちらとも判別が付かないとのことだ。


それぞれ太陽の66倍と85倍の質量をもつ2つのブラックホールがお互いのまわりを回転したあとに合体し、太陽の142倍の質量のブラックホールを新たに形成したという。

この合体は、重力波をきっかけに発見された事象としてはこれまでで最大規模のものである。合体するブラックホールは、一瞬のうちに、太陽を構成する原子に含まれる全エネルギーの約8倍のエネルギーを重力波の形で放出した。このエネルギー量は、毎秒1000兆個以上の原爆を138億年間(つまり宇宙の年齢と同じだけの時間)爆発させるのとほぼ同じである。

更にややこしい問題が起こっているのだ。もはやお手上げであるが、宇宙天文学者たちの興奮は冷めやらないのだろう。

太陽質量の数10倍の「恒星質量ブラックホール」や、太陽質量の数100万~数1000億倍の「超大質量ブラックホール」はこれまでの観測で見つかっていたが、太陽質量の100~10万倍の「中間質量ブラックホール」は見つかっていなかった。

今回の合体でできたブラックホールの質量は太陽質量の約142倍(単純に2つのブラックホールの和にはならないのだ)で、初めて発見された中間質量ブラックホールとなった。



現在の理論では、恒星の質量が太陽質量の約60~130倍である場合、収縮と加熱により核融合反応が暴走して対不安定型(ついふあんていがた)超新星爆発が起こると予想されている。このタイプの爆発が起こると、恒星は完全に破壊されてしまい、ブラックホールを形成することはできないのだ。

それから見ると、ブラックホールのうち大きい方の質量は対不安定型超新星爆発を起こすことになり、爆発によって、こうしたブラックホールが形成されるはずがないのだ。

このように、太陽の52~133倍の質量のブラックホールが見つかったら、それは1つの星の死体ではないということだ。
しかし、最も有望そうな仮説では、合体したブラックホールのうち少なくとも1つが、小さな2つのブラックホールの合体によって形成されたというものだ。

初期の宇宙では、小さなブラックホールがガスに包まれた星団のまわりをランダムに動き回りながら大量のガスをのみ込むことで、みるみるうちに成長する可能性があるという。この仮説にもとづくと、太陽質量の約50倍と75倍のブラックホールのペアが誕生し、それらが合体する可能性があるということだ。

何やら分かったような分からないような、まだまだノーベル賞の種は尽きないと云う事か。





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Last updated  2020.10.13 11:25:56
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