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冬の養生と漢方薬
冬とは傷寒例4条に霜降(10月24日)より春分(3月21日)までの間を言うとあります。寒邪に侵されて即病した者を傷寒と言っています。
また、外界と室温の温度差が5度以上に及ぶと皮膚調節に狂いを生じ風邪をひく原因ともなります。現代人の注意点がここにもあります。
暖冬の風邪
今年は温かすぎるために、エクリン腺や皮脂腺が開いています。寒い冬では、皮膚が緻密になりますが、温かいと開いたままになります。そのために急に寒いと、汗腺が急に開いて皮膚から出なくなり、閉じるときにその寒が深く身体の中に入り込んでしまいます。肉上栗起と同じ考え方です。ですから五苓散も使えます。今年は血の熱が強くなっていますので、治療には牛黄製劑が必要です。
上気道感染
先ず寒くなると皮毛が冷え肺に及んで来ます。これを上気道感染といい、鼻炎などを起こしやすくなります。更に寒さが拡がりますと咳の症状が出る。肺炎等を起こすようになります。
この場合、胃が弱くて胃内停水があるような人が病を起こすと、鼻炎、クシャミ、咳、発熱を生じます。 脾胃は肺の親ですから胃をしっかりしないと肺はなかなか正常には働きません。
〔アレルギーの治療の場合も同じで肺系だけではなく脾系も助けてあげる事を考えるべきです〕
そのような場合に〔小青龍湯〕の証が出て来ます。本方は麻黄・桂枝で皮毛・血脈を暖めて氣の流通を良くして内の氣血の鬱血を治し、五味子・細辛・乾姜で胃を暖めて咳を止め、半夏で胃中・肺中にある水分を除き、芍薬・甘草で全身の氣血の巡りを良くして病を治すのです。
体がもっと丈夫な人が〔極端に強いという事を考える必要はありませんが〕寒邪によって皮毛が侵されますと、肺に寒の為に熱を生じ、発汗すれば肺中の熱は除かけるのですが、寒邪が強く病人の体力も強い為に肺に熱が閉じ込まれて、その熱は血にからまり、その周辺に水が集まり結胸を生じるのです。 この状態が、肺炎・肋膜炎という事になります。
その場合には柴陥湯を用います。
証としては咳をすると胸痛を生じ、痰がこく〔小青龍湯〕とは正反対の症状です。
柴陥湯は柴胡・黄ごん・黄連・カロウ実で肺にこもった熱を四味の薬物で除き、半夏で肺その他の余分な水分を取り、人参・甘草・生姜・大棗で胃の働きを強めて病を治すのです。
咽痛
桔梗湯・甘草湯等が咽痛に用いられます。
咽は食道における関所で表裏の境です。冷たいものが入りますと反射的に咽に熱を持って消化管を冷やさないように働きます。咽痛が病的に起こった時は本方を用います。桔梗は氣味が辛微寒で皮毛にこもった熱を発散して氣の流通を良くします。桂枝の場合は氣味は辛温ですので、それより深い所、皮毛と血脈の境あたりで、寒のために熱を生じ化膿しやすい所が対象となります。その他の働き方のポイントとして、下痢等によって肺の水分が足りない事によって〔胸苦しく臭く濃い痰を吐き出すような場合〕起こる咳に対しても効果的です。
〔葛根湯〕は風邪にはその特徴は首筋がこって場合によっては腰痛にまで及び、無汗で発熱・悪寒のある場合に用います。 また汗が出る場合には、麻黄を除いた〔桂枝加葛根湯〕を用います。その点を注意する事が大切です。
「桂枝湯」は桂枝で表の陽氣を補って皮毛からの発散を調節して生姜・大棗で発汗力を増し、芍薬・甘草で体の血行を良くして病を治すのです。従って、本方の証は頭痛・発熱・悪寒があって汗の出る人にもちいるのですが、この証で咳の出る人は「桂枝加厚朴杏仁湯」を用います。
体力があって汗が出て喘鳴をともなった咳をする場合があります。肺に熱がこもって咳をして発汗せずして身体や関節に疼痛があるような場合は「麻黄湯」ですが、発汗して咳をして体表に熱が少なく苦しむような場合は「麻杏甘石湯」を選ぶという事になります。
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