あたしには神さまが見えない

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2006/02/06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今朝は先週末から居座っていた寒気団が、そろそろ立ち去ろうか、まだ居座るか、決心を決めかねているような寒さだった。天気もグレイに雲母を散らしたオレンジとベージュで、夕方から雪が降るという予報も充分ありえそうな話に思えた。あたしはクーポンチケットを配っているお兄さんたちを避けながら、地下鉄へと繋がる地下通路を降りた。そしてあの日のことを思い出していた。

あの日、あたしたちは特急の指定席に乗り、数時間後に着いた地方都市で急行に乗り継ぎ、更に数時間後には単線の電車に乗った。天気は今日のようなはっきりしない曇り空で、いつ空から白い雪が舞い降りてきてもおかしくないような空模様だった。電車の中に乗客はあたしたちだけだった。あまりにも絵に描いたような憧憬に「映画みたいだね」なんてあたしは無邪気に話し掛けたりしていた。

発車まで時間があったので駅のホームを端まで歩いてみて振り返ると、あの人が8ミリカメラを構えていた。学生の頃に自主制作映画を撮ったとか、そんな話を思い出した。勝手に撮っていた事に抗議しようとふくれっつらで詰め寄ると、いたずらが見つかった小学生のように笑った。「撮るのなら、きれいに撮ってよね」と言うと、「きれいだよ」と反された。リップサービスと判っていても、ちょっとうれしくて、照れたあたしは鷹揚に頷いた振りをしてそっぽを向いた。

色あせたレモン色の電車は、普段見慣れているものよりふたまわりはちっちゃくて、まるで田舎の旅館が送迎に使っているマイクロバスのようだった。ガタゴトと揺られながら、窓の外を見ると、空からわあっと一斉に雪が舞い降りてきた。

どんなことがあったとしても、ずっと幸せが続いていくものだと信じていた、あの日。「代用品」なんてありえないと思っていた。でも、「代用品」は必要に迫られなければ探さないし、使わないものだろう。「代用品」ではない幸せをあたしは今日も探し続けている。








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Last updated  2006/02/07 11:17:56 PM
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Re:その時を夢見て。(02/06)  
nipponites  さん
ふむ。オリジナルがあるのだとすれば、そのオリジナルの「模倣者」はいつまでたっても、オリジナルを越える事はないだろうし、どんなに模倣者が実際は、オリジナルよりもよくできたいたとしても、オリジナルに取って代わることはできないのでしょうね。たぶん。

私は30年前のオリジナルから始って延々と模倣者とその連想からの壮大な構築物を作ってきました。その建築物はうっとりとするほど架空だが見事にできたいたけれど、それはしょせん「模倣」ではじまる限り、オリジナルには永遠にたどりつけないもので、いつしか、その架空の建築物は、失われたオリジナルへのオマージュであるために作られていたのですな。

しかし、まー、読んでおられたかどうかは知りませんが、去年大変に震撼するほどに奇跡的に、そのオリジナルと邂逅するという世紀の偶然が奇跡的に起こったりしました。けれど、私の待ちつづけていたオリジナルは、たくさんの幻想のオマージュで華美に飾られており、実際のオリジナルはもっとシビアで過酷なまでに現実的で病的なものですらありました。

もちろん、それですら、失われたものへの強烈な哀愁と憧憬と愛から、それは限りなく愛せるものであったけれども、けれど、恐るべき事には、すでに「私自身」がオリジナルではなくなっていて、もはや同じところからはやり直せないということに気がつきましたな。私は今もっているものを失う事にはほとんど躊躇いはなかったけれど、自分自身が変質してしまっているという一番恐ろしい事だけに気づいたのですなぁ。

(つづく)
(2006/02/15 01:51:33 AM)

Re:その時を夢見て。(02/06)  
nipponites  さん
(つづき)

私が人生で気づいたもっとも残酷で無情な瞬間ですな。だから私はもう、オリジナルである対象も自分も失ってしまって、朦朧として存在しているだけだと気がついて愕然としたりします。私はまちがいなく、これからあのようには誰も愛さないだろう。その力は失われてしまったのですから。

しかし、それすらも人生であり、やはり私はあらゆる悲しみをひきうけながら、生きていく事でしょう。もはや、私は代用品や模倣者を探す事すら許されず、実際には「オリジナル」を目の前しながら、それはもう自分の現実とは別世界のものである事に気がついて、そのあまりの恐ろしいまでの距離に、涙すらなく生きていくという事ですね。けれどそれさえも人生なのですな。

なんの慰めにも助けにもなりませんが、人はあらゆる悲しみと苦しみの中でも、やはり生き続ける。他人様には笑顔を向けて、幸せそうなふりをしながら。そーいうものなんでしょう。

もしかすると、それこそが人生なのかもという気持ちも少し。
(2006/02/15 01:52:20 AM)

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