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やまさん-1号

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2006年07月27日
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「おとこの遊び専科」は快進撃を続け、部数も安定してきた。
すると、誌面にマンネリズムの影が差すようになってきた。
読者というのは敏感なもので、ちょっとでもこちらが手を
抜くと、てきめんに実売率に跳ね返ってくる。
ぼくは毎晩、編集長と飲みながら打開策を練った。

「こんなのはできないだろうか」と、ある日編集長が
言い出した。
「きのうベッドでぼけっと寝そべっていたら、天井のシミが
女の子のヌードに見えてきたんだよ。で、思ったんだけど

男が天井に貼って楽しむんじゃないか」

等身大ということは、天地1.7mの印刷物だ。撮影は
なんとかできるとして、問題は製版と印刷。駅貼りポスター
の大きさを考えれば、不可能ではないかもしれないが、
コストがどのくらいかかるか想像もつかない。
しかし今までに見たことのないものができたら、きっと
話題になるだろう。

「明日、学研の生産管理部に聞いてみます。ほかの
出版社にできなくても、学研ならできるかもしれません」
ぼくはそう答えた。

翌日、上池台の学研本社を訪ねた。生産管理の人たちには、

製本工程のことに興味を持って聞きに行くので、みんな
顔なじみだ。

「山ちゃん、今日は何の用事?」
「あ、中右さん。じつは編集長が等身大ポスターを付録に
したいと言い始めたんで、可能かどうか聞きに来たんです」

「どうしてですか?」
「折らないと雑誌付録にならないでしょ。等身大のでかい
コート紙をA4に折ったら、たぶん割れちゃうよ。
折る機械もないし」
「なるほど。そこまで考えていませんでした」
「業者に聞いてみるけど、あまり期待しないでね。あと、
販売局にもひと声かけておいたほうがいいよ。やることに
なったら、結束だの梱包だので大騒ぎになるから。それに、
取次がOKするかどうかわからないでしょ」
「わかりました。お願いします」

その足で販売局の雑誌販売部を訪ねた。ちょうど懇意に
している沢田次長がいた。
「山崎くん、やったね。『おとこの遊び専科』、いい感じ
じゃない」
「その件なんですけど、マンネリになる前に手を打ちたい
と編集長が」
「いいことだよ。次々に新しい手を打つ。やっぱり勢いの
ある雑誌は違うね」
「等身大のヌードポスターを付録にしたいんです」
「おいおい、巻物はつけられないよ」
「折る方向で考えているんですけど」
「できるのかなあ。生管は何て?」
「中右さんは、折る業者を探してくれるそうです」
「でも、綴じこめないだろう?」
「そうですね。たぶん無理でしょう」
「可能性が見えたら、教えてよ。取次と相談するから」
「よろしくお願いします」

実現の可能性は、あまり高くなさそうに思われた。





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最終更新日  2006年07月27日 18時56分15秒
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