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キーワード 協力
同人。于野。亨。利渉大川。利君子貞。
(どうじんやにおいてす。とおる。たいせんをわたるによろし。くんしのていによろし。)
「同人」は同人雑誌の同人、志を同じくすること。「天火同人の時、同じ志を持った者同志が、広々とした野原のように公明正大であれば 通じる。大川を渡っても良い。君子は貞正であれば良い」。天火同人の時は、正々堂々と公明正大に、皆と仲良くして進む時です。たとえば、共同事業などは成 功しやすいでしょう。しかし、私利私欲の固まりのような人なら、天火同人の時のチャンスを活かしきれないでしょう。共同は共同でも、本当に腹を割れるよう な相手と手を結ぶことがポイントです。
〔大意〕「人に同じうするに野においてす」と『易経』には書かれています。これはどういう意味かというと、人とまじわるには公明正大にすることが必要だということです。野にいてする行為は、誰でも目にすることができる、これは人の目があるから悪いことはできない、こそこそするなという意味ではありません。
人の見ているところであなたが行動することで他人に評価させよ、他人に己を認めてもらえということです。そうすれば、他人はあなたに協力を申し出る。あなたと一緒に仕事をしたい、あなたの役に立ちたいといってくる。 そういう協力者に逆にあなたも協力することで物事が成就し、あなたは自分の望みを達成することができるというわけです。
この卦は「大川を渉るに利ろし」とも書かれています。だから一般的には吉と判断していいでしょう。ただし、条件は人との協力においてということです。
したがって、この卦は個人的な事柄よりも多くの人と協力してやる行動についての指針と解釈することができる。むろんそれが個人につながってくることではありますが、単独行動よりはチームワークを必要とする行動のほうに分があると考えていいでしょう。
もう一つ大切なのは、集団行動においては個人的な利益や欲望を優先させてはいけないということです。
この場合は、集団の利益が個人の利益につながるのですから当然です。自己の利益を優先させるような場合は、この卦の持つ吉は一転して凶へと移行する。易の根本には「変化してやまない」という思想がある。吉がいつまでも吉ではなく、凶がいつまでも凶ではない。このことも記憶しておくことが大切です。何か大きな計画をみんなで決行するのはうまく運ぶと解することができます。
●初 9 :歩む道に気を配れ。どんな道を歩もうとも天はそれを知っている。
同人于門。无咎。
(どうじんもんにおいてす。とがなし。)
「門を開けて広く世間の人と交わる。問題はない」。交際を積極的に広げる時です。心の門戸も開いて皆と仲良くしましょう。
●二 6 :人と協調する精神の持主は光を得てつまずかない。
同人于宗。吝。
(どうじんそうにおいてす。りん。)
「宗」は身内 , 親族のこと。「身内 , 親族ばかりと交際するようではよろしくない」。あなたは自分の殻に閉じこもっていませんか。人を 色分けしていませんか?偏屈な態度を改め、視野を広く持ちましょう。
●三 9 :人のことは祝福してやって、他のことに思いわずらうな。
伏戎于莽。升其高陵。三歳不興。
(じゅうをもうにふくす。そのこうりょうにのぼる。さんさいおこらず。)
「戒」は兵、「莽」は草むらのこと。兵を草むらに伏せ、高い丘に登って偵察する。兵を挙げるのは三年間はとても無理だ」。雌伏三年の 気持ちで頑張る時です。上司に謀反など起こしても実りません。身の程知らずの野心は失敗の元です。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
●四9:他人を認めなさい。そうすればあなたも認められる。
乘其[土庸]。弗克攻。吉。
(そのかきにのる。せむるあたわず。きち。)
「垣」は城壁のこと。「城壁に登って中を視察した。とても攻め入ることが出来ない。悟って手を引けば吉」。今、あなたのやろうとして いることは、あなたの力量を超えています。すなわち、高望みというものです。深追いせず諦めるのが賢い時です。
●五 9 :良い人間と行なえば良い行ないとなる。
同人先号[口兆 ] 而後笑。大師克相遇。
(どうじんさきにはごうとうしてのちにわらう。だいしかちてあいあう。)
「号[口兆」」は泣き叫ぶこと。「大師」は大軍のこと。「天火同人の時、最初は泣いたりわめいたりすることがあるが、後には笑うこと ができ る。つまり大軍を出して戦に勝ち、やっと仲間と会うことができるからだ」。滞っていた難問がやっと解決する時です。積極的に動きましょう。最後に笑うのは あなたです。
◎大変良い時です。
●上 9 :人の過去を問うな。人の未来を思うな。いまの評価がすべてである。
同人于郊。无悔。
(どうじんこうにおいてす。くいなし。)
「郊」は郊外、田舎のこと。「同士が郊外に集まった。悔いはない」。会社勤めの人は、本社で出世しようなど考えず、地方の支店で満足 すべき時です。無理は禁物、退く方が無難です。
「マーフィの易易い」 J. マーフィ(昭和 61 年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。
http://www.keisho.server-shared.com/64/k13.html
九四。乘其墉。弗克攻。吉。
○九四。其の墉(かき)に乗(のぼ)る。攻(せ)むる克(あた)わず。吉。
六二と志を通じようと欲して、九五を討つべく城の垣根に登って形勢を窺(うかが)う。九五の権勢は強く、とても勝ち目がないことを覚(さと)る。己の分を知り、不義を恥じて改心(之卦)すれば禍(わざわい)転じて福となす。
象曰、乘其墉、義弗克也。其吉、則困而反則也。
○其(そ)の墉(かき)に乗(のぼ)るは、義、克(あた)わざるなり。其の吉なるは、則(すなわ)ち困(くる)しみて則(のり)に反(かえ)ればなり。
城の垣根に登って形勢を窺う。大義に欠けているので勝ち目はない。
不義を恥じて改心すれば禍転じて福となす。不義の自分を心から恥じて悶々(もんもん)と苦しみ、正しい道に復(かえ)るのである。
(占)この爻が出たら、今やっていることの他に希望していることがあって、どうすればよいか、いろいろと考えているが、すでに他の人に先を越されている(自分が希望していることを、先駆けて行なっている)という時である。そこで、今は自分が希望していることを行なうことはできない時だと悟り反省して、自分の志を転換させれば、吉運を招き寄せるであろう。
○高い所に登って大衆を指導する時である。
○事を成し遂げることが難しいことを悟って中止する時である。
○諺に云う「骨折り損のくたびれもうけ」という時である。
(占例)友人がやって来て、次のように言った。
「今、一つの事業を立ち上げようと思っている。そこで、その事業の吉凶と成敗を占ってほしい」と。
そこで占筮したところ、同人の四爻が出たのである。
易斷は次のような判断であった。
同人の卦は、天下の大衆が志を同じくして事を為し遂げようとする時ゆえ、事業内容は公益に資するものと知っておくべし。
九五という権力と資金力を具えた者と六二という明智と聡明さを具えた者とが、陰陽相応じて事業を成し遂げるのである。
けれども、九三と九四という二つの爻は、九五と六二の間に存在しているので、九五と六二の関係を羨ましく思って、九五と六二が取り組もうとしている事業を妨害して、九五に取って代わって六二に取り入ろうとするのである。
今回は、あなたが立ち上げようとしている事業を占って四爻が出たところから推しはかると、あなたは誰かが取り組もうとしている事業を羨ましく思って、その事業を妨害して、その人から事業の権利を奪い取ろうと考えているのではないか。
けれども、その人にはその善からぬ企みを隠して、自分に近い立場の九三と組んで、その人から事業の権利を奪い取ろうとしているのではないだろうか、いかがであろう。
爻辞に「墉(かき)に乗(のぼ)る。六二と志を通じようと欲して、九五を討つべく城の垣根に登って形勢を窺(うかが)う」と書いてあるように、城の隙間に隠れて敵の様子を窺っているように、高い所に居を構えて隠れて悪しきことを企てているのではないか。
けれども、そのような悪しき企ては結局、成し遂げることはできないので、今のうちにそのような悪しき企ては捨ててしまうにこしたことはない。このことを「攻(せ)むる克(あた)わず。吉。九五の権勢は強く、とても勝ち目がないことを覚(さと)る。己の分を知り、不義を恥じて改心(之卦)すれば禍(わざわい)転じて福となす」と云うのである。
諺に云う「骨折り損のくたびれもうけ」というような時である。所詮うまくいかないことを実行しようとして、苦労だけ重ねることになる。
このことを象伝に「則(すなわ)ち困(くる)しみて則(のり)に反(かえ)ればなり。不義の自分を心から恥じて悶々(もんもん)と苦しみ、正しい道に復(かえ)るのである」と云っているのである。
その後、伝え聞くところによると、易占の通りになったということである。