① 使わないうちにリサイクルに回す、 ② それはあまりにも非常識なので、リサイクルをしたいという人は家電製品の寿命がかなり残っているうちに買い換える、 ③ メーカーはリサイクルがしたければ材料寿命が一〇年のものを使い 、部分的に五年で壊れるようにする、等の方法があります。 もし、材料寿命一杯に使用したら、もちろんリサイクルしてもその材料は使えません。また、製品設計を合理的にして、材料寿命と製品設計を合わせたらリサイクルして回収された材料は使用できません。もし使用できるとしたら、設計者自らが自己矛盾を来すことになります。 こういう意味では目的の不明な研究があります。その研究は「リサイクルして回収された材料が劣化していないかを簡単に判別する機器を開発する研究」です。この研究の真の意図は不明ですがもし「リサイクルした材料がまだ使える」ということなら、その材料を再使用するのではなく、最初の設計を変えなければなりません。材料寿命の設計が間違っているからです。また「リサイクルした材料が劣化して使えない」ということがわかれば捨てなければなりません。目的がはっきりしない研究ですが、この研究は家電製品のリサイクル法の施行にあわせて行われようとしています。そうではないと思いたいのですが、家電リサイクル法は「材料の寿命のあるうちにできるだけ早く家電製品を捨てることを推奨する」という目的を持っていると疑われてもしかたがありません。 使って悪くなった材料が再生できれば、再び使用することができます。その例が、アルミニウムや鉄です。アルミ缶や屑鉄は回収して、その一部を再生して使用することができます。特に鉄は鉄橋やビル、大型機械、自動車などに集中して使用されていますし、「塊」が多いので表面の酸化も全体の材料の比率からいうと大したことはありません。そこでリサイクルして再び使うのに大変便利なのです。 しかしアルミ缶の場合には別の理由でリサイクルに向きません。それはアルミ缶自体が全国に分散していて集めるのがとても大変なこと、技術が進歩して使用されているアルミの板厚が薄く、表面が酸化して「アルマイト」になった部分が使えないということがあります。それに加えて、アルミ缶のフタの部分はプルトップにするためにマグネシウムの、胴体の部分の合金組成は自立性を持たせるためにマンガンの合金になっているので、フタの部分と胴体の部分を分離することが必要となります。また鉄やシリカは私たちの環境の中にあるので自然と混入してきますし、表面の塗装からチタンが入ってきます。このようにアルミ缶はリサイクルには不向きですが、材料を再生することはできます。 アルミ缶のリサイクルについては「間違った数字」が公表されています。それがリサイクルを進めようとしている社会に混乱を招いています。 アルミ缶をリサイクルすると天然の原料であるポーキサイトから製造する場合に対してエネルギーはわずか三%ですむ、という科学的に間違った数字が公表されています。この数字は次のように表現するべきです。 「アルミ缶を製造して、販売せず、もちろん中に飲料も詰めずに、①アルミ缶を製造した直後に、②同じ工場で作り直せば、三%ちょっとでできる」 それとも、このように表現してもよいでしょう。