「ポピュラー・ミュージック史上最高のアルバムは?」とか「最もポップで好きなアルバムは?」と聞かれたら、私は「フリッパーズギター / 海へ行くつもりじゃなかった」とこの「A Christmas Gift for You from Phil Spector」を挙げる。パーフリは万人向けではないけれど、往年のクリスマス・ソングのカバー集となっている後者ならば老若男女問わず万人にお勧めできる、将に「ポピュラー・ミュージック史上最高のアルバム」だと思う。共通項は情報量(音)の多さですかね。因みにビーチボーイズのブライアン・ウィルソンにとっての史上最高のアルバムも当アルバムだそうな。(分かってるね、ブライアン!)
PHIL SPECTORがプロデュース、JACK NITZSCHEがアレンジをした1963年のクリスマス・アルバム。企画的には季節/イベント物ってことになるけど、そういった括りを飛び越えた高い音楽性とポピュラリティを兼ね揃えた素晴らしい作品です。ほぼ全編に渡って楽しげで華やかなムードのクリスマスソングを音壁(ウォール・オブ・サウンド)アレンジで仕上げているんですが、この組み合わせが効果的かつ実に魅力的。発表からちょうど50年経過した作品だけど、このアルバムを聴かずして「ポップ」を語ることなかれ!ってな感じですね。
1は大人しいバラードで派手さはないけれど品良くまとまったドリーミーな良曲。華やかな音壁で始まる2は「Be My Baby」で有名なロネッツによるもの。スピード感とグルーヴ感、ドラムの溌剌としたプレイに楽しげなメロディが素晴らしい。3は男性リード。こうして様々なヴォーカルが楽しめるのもこのアルバムの魅力の一つで成功した要因でもあるでしょう。4は日本でも有名な曲ですね。凡百なカバーとの違いは、やはりスピード感とグルーヴ感に音壁の厚さ、華やかさですかね。5で聴けるような楽しげな女性コーラスもこのアルバム全体を通しての魅力の一つ。
11が唯一のオリジナル曲だけど、これは他の有名曲に負けず劣らずの名曲に仕上がっていて、発表から50年、既にこの曲も堂々クリスマス・クラシックとなっていると言えるでしょう。どうやらアメリカではダーレン・ラブが毎年のようにクリスマス恒例の催しとして大人数編成での音壁ライブを行っているようです。そのことは以前に記事にしましたので、どうぞ 「必見!感動のクリスマス映像 Darlene Love "Christmas, Baby Please Come Home"」
をご覧下さい。「YOU TUBE」で現在見れるのでは 「2010年」
、 「2011年」
等など、どれも高水準ですね。12はシャンシャン感に木魚風の音が楽しい。それとやはりお約束で間奏部分で音壁が堪能できるのがイイ。
(ポップ偏差値65以上)
(ポップ偏差値61以上)
(ポップ偏差値60)
1. White Christmas - Darlene Love
2. Frosty The Snowman - Ronettes(ポップ偏差値69)
3. The Bells of St. Mary's - Bob B. Soxx & The Blue Jeans(ポップ偏差値66)
4. Santa Claus Is Coming To Town - Crystals(ポップ偏差値65)
5. Sleigh Ride - Ronettes(ポップ偏差値64)
6. Marshmallow World - Darlene Love(ポップ偏差値64)
7. I Saw Mommy Kissing Santa Claus - Ronettes(ポップ偏差値71)
8. Rudolph The Red-Nosed Reindeer - Crystals(ポップ偏差値70)
9. Winter Wonderland - Darlene Love(ポップ偏差値61)
10. Parade of the Wooden Soldiers - Crystals(ポップ偏差値61)
11. Christmas (Baby Please Come Home) - Darlene Love(ポップ偏差値68)
12. Here Comes Santa Claus - Bob B Soxx & The Blue Jeans(ポップ偏差値65)
13. Silent Night - Phil Spector & Artists