2020末法元年                   ボンゾー(竺河原凡三)の般若月法

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2006年11月01日
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カテゴリ: 音楽・芸術
以下、ショスタコーヴィッチに関する参考盤を挙げる。すべてが現役盤ではない。CD・レコード盤で名盤と呼ばれるものは、レーベルや配給元が変わったりして繰り返し販売されるものである。ゆえに、あえてレコード番号を記さなかった。すべて、ボンゾー・コレクションからの紹介である。

★★★★☆
『鼻』ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ室内音楽劇場管 録:75年(メロディア・ビクター)
※鼻が少佐から抜け出し、人格を身につけ、祈りを捧げ、警察と格闘するなど、とんでもないが、ちょんちょこちょこちょこ舞台を踊りまくる。少佐は、逮捕された鼻を顔に付けるが、くっつかない。なんとも、ふざけた、楽しい音楽、指揮ぶりだことか。

★★★★★
『交響曲全集(1~15番)』ハイティンク指揮/ロンドン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管 録:77~84年(デッカ・ユニバーサル)
※平均的全集魔であるところのハイティンクが、全きの鬼になった。彼のブルックナー、マーラーも悪くはないが、おそらく彼の代表作と言ってもいいであろう。録音も抜群にいい。
★★★★☆
『同』ロストロポーヴィッチ指揮/モスクワ・アカデミー響、ナショナル響、ロンドン響録:73~95年(テルデック)

『同』ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化賞管 録:83~86年(メロディア・ヴェネツィア)
※剛腕ゴリゴリ・ドス聴かせのロジェヴェンが、お国物では繊細なところも見せる意外性がある。ただし、彼の本質的なところは、ショスタコをやるうえでは必須の条件なのである。
★★★★
『同』コンドラシン指揮/モスクワ・フィル 録:61~75年(メロディア・ヴェネツィア)
※問題作『第4』の四半世紀ぶりの初演を担った当事者の明くる年(1962年)の録音、フルシチョフが公演を封じ込めようとした『第13番』の初演2日後(1962・12・20)の録音がリアルに聴ける。
以上の二つのメロディア音源は、ロシアのヴェネツィア盤から現役盤で出ている。値段は、廉価盤と言ってもよい。あえてリマスターをしていないらしいが、音は悪くない。
★★★
『同』バルシャイ指揮/WDR響 録:92年~98年(BRILLANT CLASSICS)
※超廉価盤。小生は11枚組を\2520(新品)で購入。

★★★★
『交響曲第1番・ヘ短調』バーンスタイン指揮/シカゴ響 録:88年(グラモフォン・ユニバーサル)

『同第7番・ハ長調』バーンスタイン指揮/シカゴ響 録:88年(グラモフォン・ユニバーサル)
※上記1番とのカップリング。バーンスタイン渾身の怪演。この曲に必要な迫力、ユーモア、霊気を具足し、自在にリズムを伸縮させる。これは、本当に生きているショスタコ自身に聴かせたかった。
★★★★
『同第9番・変ホ長調』バーンスタイン指揮/ウィーン・フィル 録:85年(グラモフォン・ユニバーサル)
※6番とのカップリング、これも名盤。

『同4番・ハ短調』ゲルギエフ指揮/サンクトペテルブルク・マリインスキー(キーロフ)歌劇場管 録:2001年11月20-22日(フィリップス・ユニバーサル)
※最後に21世紀を代表する演奏を一つ。2004年度レコードアカデミー大賞受賞盤。ゲルギエフは4番から9番までのいわゆる『戦争交響曲集』を8年かけて完結――去年5枚組で発売――したが、そのなかから4番を挙げておく。細部に忠実なようでいて、全体がぼやけている。ショスタコーヴィッチの演奏で大事なことは、曲の観念性を、演奏者の肉体性でもって抱き締め、破壊しなければ、曲の本当の姿が浮かび上がらないということである(4番)。また、独自のリズム感が表出されていないのが残念。打楽器が入る所などで、べったりとした重い単調なリズムで、興ざめだ。作曲家の笑いは死に、創造的進化が止まってしまうようだ(7番、9番)。独自のリズム感と、さらなる伸縮自在の即興性が求められる。弦はよく鳴っていていいのだが、管楽器とのバランスがよくない。

★★★★
『バイオリン協奏曲第2番・嬰ハ短調』コンドラシン指揮/オイストラフ(バイオリン)モスクワ・フィル 録:68年(メロディア・ヴェネツィア)
※上記コンドラシンの交響曲全集(12枚組)に収録されている。

★★★★☆
『ピアノ五重奏曲・ト短調』アシュケナージ/フィッツウィリアム弦楽四重奏団 録:83年(デッカ・ユニバーサル)
※ショパンとスクリャービンの独奏ピアノ以外は全く聴く気のしないアシュケナージだが、これは凄い。見直した。
★★★★☆
『同』リヒテル/ボロディン弦楽四重奏団 録:83年(メロディア・EMI)
※少しリヒテルのピアノが重たく動きが悪いようにも思えるが、聴けば聴くほどに味が出るというもの。

★★★★★
『弦楽四重奏曲全集(1~15番)』フィッツウィリアム弦楽四重奏団 録:75~77年(デッカ・ユニバーサル)
※カルテットから一つを採れと言われれば、これになろうか。端正と狂気。録音のバランスもいい。名演。
★★★★★
『同』ボロディン弦楽四重奏団 録:78~84年(メロディア・EMI)
★★★★☆
『弦楽四重奏曲集(1~13番)』ボロディン弦楽四重奏団 録:60年代中頃~72年(メロディア・シャンドス)
※シャンドスからの復刻版。24ビット・デジタル・リマスターの威力ここにあり。新盤に劣らぬ名演。

★★★★
『ピアノ三重奏曲第2番・ホ短調』アイザック・スターン、ヨーヨー・マ、エマニュエル・アックス 録:87年(CBS・ソニー)
※チェロ・ソナタとのカップリング。本当は、もっと怖い曲なのであるが、三様に演奏を楽しんでいる感じ。スリリング。録音が良い。

★★★★★
『バイオリン・ソナタ・ト短調』オイストラフ/リヒテル 録:69年録(メロディア・ビクター)
※69年5月3日のクレジットを信用すれば、68年に作曲されたこの曲の初演ということになる。ボリューム、技量、掛け合いと、鬼気迫る恐ろしいライブである。バイオリンからはたらたらと血が流れ、ピアノは骨髄をたたきのめす。こういう演奏をジャズと言ってはいけないのだろうか。

★★★★☆
『ビオラ・ソナタ・ハ長調』バシュメト/リヒテル 録:85年(メロディア・ビクター)
※リヒテル主宰のオイストラフ追悼盤(2枚組)のなかの1曲。





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最終更新日  2006年11月03日 21時23分34秒
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