グラウンドでの「悔し涙」は高校野球だけのものであって、
大学野球とは無縁なものだと、ボクは思っていた。
せいぜいボクが記憶していたのは、 2007年の全日本大学野球選手権2回戦
(6月14日)で早稲田大に敗れ号泣
する九州国際大・ 松山竜平
(現・広島カープ)の姿ぐらい。
他にはあまり記憶にはなかったけれど、この秋のリーグ戦を観戦していたら、
大学野球にも悔し涙がいくつもあることを知った。
まず法政大・ 加賀美希昇
(2年、桐蔭学園高)が延長14回を投げながらも、
金光興二監督に途中交代を告げられて、悔し涙を流した試合
があった。
(このことは今年10月16日のブログに書いた)。
そして、今年10月19日の明治大vs早稲田大2回戦にも、悔し涙のシーンが
あったことを、ネットの録画中継を見て知った。
涙の主(?)は早稲田大のエースナンバー「11」を背負う 須田幸太
(4年、土浦湖北高)。それはこの試合は6回表に起きた。
明大 000 00 0
000 000 =0
早大 000 000 000 000 =0
5回まで明治大打線を被安打3、奪三振2、与四死球1、自責点0に抑えていた
須田幸太。この6回は先頭打者の1番・ 小林雄斗
(4年、新田高)に四球を与える。
続く2番・ 山口将司
(2年、春日部共栄高)をレフトフライに打ち取ったものの、
次打者・3番の 荒木郁也
(2年、日大三高)が打席に向かう時、早稲田大の
應武篤良
監督がベンチを飛び出した。
前の打席で須田はこの荒木に二塁打を打たれている。優勝を争う明治大を相手に
どうしても負けられない早稲田、いかに好投していた須田であっても慎重を期する
場面ではあった。
應武監督、マウンド付近でエースのプライドをくみ取ったように、笑顔を作って
須田にゆっくり言葉を選びながら語りかける。話の内容は、須田の好投を十分に
認めていることと、勝利のためには投手を交代する必要があること
(たぶんそういったことだったと思う)。
平静を装ってウンウンと頷きながら話を聞いていた須田。だが交代で登場した
大前佑輔
(3年、社高)にボールを渡すとき、 目から涙が溢れだした
。
ベンチまで右腕で顔を隠しながら駆けて行く姿が印象的だった![]()
須田幸太
。
本当なら「名実」ともに早稲田のエースとしての活躍を約束された存在だった、
少なくとも2年前までは。なのに 斉藤佑樹
(2年、早稲田実)が入学したことで
最もワリを喰ってしまった。昨年2007年の春季リーグの開幕投手を斎藤に
奪われて以降は、エースナンバーは「実」を伴わない「名」だけのものだった。
ボクはそんな背景を忖度してしまうため、この時の須田の涙には複雑な思いが
去来してしまったのだ。
この試合が、結局須田にとって大学生活最後の先発登板となった。
次に登板したのは11月2日の対慶應義塾大2回戦。ただこの時は、大敗が決まった6回からのもの。それ以降、明治神宮大会も含めて須田がマウンドに
立つことは二度となかった。
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