テレビ「J-スポーツ」の録画中継で解説していたのは国際武道大の
岩井美樹
監督。
岩井さんの解説の中で「そもそも明治時代、米国で言う『ファストボール』を
日本で『直球』と訳したのはおかしい」というコメントがあって、ボクは興味を
もった。
岩井さん曰く、
「これまで日本では、米国で言う『ファストボール』を『直球』という言葉に訳して
使っていた。『直球』はただ真っ直ぐなだけで、打者からすれば打ちやすい
(素直な)球である。『ファストボール』の米国で意味するところは『速球』であり、
日本の投手は『速球』を覚えなければいけなかったし、今後世界に通用しない」
「米国では『ストレート』は『棒球(ぼうだま)』という意味がある。それに対し、
『ファストボール』は”ムーブメント”(揺れ動く)といった特徴があり、直球より
有効な球である」
「明治時代、『ファストボール』という言葉を輸入したとき、『ストレート』と同じ
意味で『直球』と訳したのは間違いだった。『直球』と『速球』の違いを区分して
訳すべきだった」
(※多少、ボクの解釈を含め岩井さんのコメントを補足して記載しました)
そうか、そうだったのか。
では、明治時代に『ファストボール』を『直球』と訳した、いわば「犯人」は
誰だったのか? ボクはさっそく調べてみた。
すると、日本で「直球」という言葉を訳した人はすぐにわかった。
その人は、かの俳人・ 正岡子規
。
wikipediaによると、正岡子規は「直球」だけでなく他にも「打者」「走者」「飛球」
などの野球用語を訳していた。
ただ、よ~く読んでみると、子規は「ストレート」を「直球」と訳したと書かれており、
「ファストボール」を「直球」と訳した犯人とは断定できなかった・・・。
とすると、真犯人は???
※ちなみに「ベースボール」を「野球」と訳したのは子規ではないらしい。
中馬庚
(ちゅうまん・かなえ)が正解。子規は中馬より先に「野球」という言葉を
使ったのは事実のようだが、本名「のぼる」を「の(野)」「ぼーる(球)」
(つまり「野球」)とペンネームにして使っただけ。「ベースボール」を訳したわけ
ではない。
この記事は『ボクにとっての日本野球史』の中で、次の期に属します。
→ (第1期)「1872年、野球が日本に上陸した時代」に属します。
(第1期)に属する他の記事は以下のとおり。
◇ 「ボクにとっての日本野球史」
(2009.7.1) → こちら
へ。
「1872年、野球が日本に上陸した時代 」
(2009.6.30) → こちら
へ。
「ホーレス・ウィルソンと数々の偶然と」
(2009.7.2) → こちら
へ。
「「野球」と訳した中馬 庚」
(2009.7.4) → こちら
へ。
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