■昨日(4月9日)、東京六大学・春季リーグ戦が開幕した。第1試合は昨年の覇者・早稲田大が東京大を4-0で降し順当勝ちした。
(1回戦)
早 001 200 100 =4
東 000 000 000 =0
(早)○大野健、(東)●鈴木
左腕・ 大野健介
(4年、静岡商高)にとって、この白星はリーグ戦初勝利。昨年、何度か中継ぎで登板する大野健を見たことがあるが、ボクはあまり印象に残っていない。
大野健。2006年夏、2年生エースとしてチームを甲子園出場に導いた。その時の戦績は、初戦で八幡商高を8-2で破り2回戦に勝ち進んだが、エース・ 駒谷謙
(現・伯和ビクトリーズ、京都産業大)を擁する福知山成美高に完封負けを喫した。
■昨日の対東京大戦。大野健の女房役は、昨年正捕手の座を射止めた 市丸大介
捕手(4年)。説明するまでもなく 2007年夏、全国制覇した佐賀北高
の主将だった。
市丸ら佐賀北高ナインと 百崎敏克
監督の触れ合いを描いた『佐賀北の夏』(中村計著、ヴィレッジブックス刊)を読んだ。監督と選手のコミュニケーションに「野球日誌」なるツールを活用し、ある時は選手が監督への不満や愚痴を書きなぐり、それに対して監督も本音でぶつかる様子がありのままに紹介されていた。いわゆる交換日記なんだけど、決して予定調和的に終わろうといった様子が見えず、お互いが常に本音でぶつかり合っている所が面白かった。
■そして、ボクが最も興味を持ったのは、百崎監督の「指導法」に関する考え方の変遷。
以前赴任していた高校では、常に結果を求め過ぎた。それが仇となり選手との溝は広がり、監督から野球部部長に転じた。新監督が就任後すぐに甲子園出場が叶うものの、百崎さんの気持ちは満たされない。新監督と選手との密接なコミュニケーションを目の当たりにして、心にあるのは挫折感だけだった。
追われるように別の高校に転任し、本人の希望とは関係なく再び野球部監督になった。当時、この高校は甲子園とはまったく無縁の弱小チーム。だがこのチームに巡り合ったことが百崎さんの「指導法」に対する意識を変えた。それは選手とコミュニケーションをはかり仲間意識を育てて一緒に楽しむこと、また結果のみを求めるのではなく、ひとつひとつのプレーを大切にすること等を学んだ。
そういったことを日々繰り返して実践するうち、不思議と勝ちがついてくるようになった。追いかけているときは逃げられてばかりいた勝利が、いつの間にか、振り返るとそこにある、そんな感覚になってきた。以下、『佐賀北の夏』より引用。
百崎さんは言う。
「そこで気づかされたんですよ。どういう結果であろうと、そこからプラスになることを掬い上げて行くと、結果が違ってくるなって。結果を求めずに、今を楽しむということを初めて知りましたね。それまでは、俺がこんなにやってんのにって、ひとのせいにばっかりしているところがあった」。
これまで「運」と呼ばれるものは、コントロールできないものと思っていた。だが、全員でひたむきに戦う姿勢を見せていると、ベンチの空気だけでなく、スタンドの空気まで変わる。見ず知らずの人たちまでもが自分たちを応援してくれるようになる。すると不思議なことに、相手チームにミスが出たりする・・・。
■「結果を求めず、今を楽しむ。全員でひたむきに戦う」
挫折を経験した百崎さんが得たその考え方が、2007年夏、公立の佐賀北高を全国制覇に導いた。
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