遊心六中記

遊心六中記

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

茲愉有人

茲愉有人

Calendar

2025.01.19
XML
カテゴリ: 観照

ゲルマンの神話、北欧神話の領域での龍/ドラゴン探し をしてみます。
冒頭の石碑は、Urnes-style runestone と称されています。
ヴァイキング・アート、あるいは古代スカンジナヴィア・アートの線刻碑 です。
線刻文様は、古代北欧風(runic)ドラゴンと二足有翼ドラゴン を表していると言います。
スウェーデンに所在。  (資料1)


こちらも  Runestone です。 赤い色が古代北欧風ドラゴンで、白色の方が古代北欧風蛇(runic serpent)


ヴァイキングのrunestone   Gunnar を記念して、ヴァイキングの王により建立された石碑だそうです。 (資料3)

Alutuna Runestone   高さ 1.95m
ヴァイキング時代 11世紀   1918年に発見
北欧神話のイメージを線刻した記念碑 です。
スェーデンのストックホルムの北に位置するuppland(エップランド)州に所在します。
『詞のエッダ』という北欧神話の詩編集に載る詩を踏まえた図 だそうです。
また、スェーデンで制作された Runestone で現存するものは、スェーデンがキリスト教化された後の11世紀に制作されたものだと言います。  (資料4)

この図は、 北欧神話の神 Thor が Jormungandr ミドガルド (中央の国、人間界の意) の蛇 (surpent)ー をとろうとする場面 だそうです。この蛇は、理解できないほどの大きさで世界の海に棲む海蛇(sea surpent)あるいは worm と考えられています。

sea surpent を、スウェーデ人作家の Olaus Magnus は、著書『History of the Northern Peoples』中に、イラスト地図を掲載し、その中に

(資料5)

ノルウェーのイラストレーター、 Louis Moe は 1898年に

     海中の蛇 をこのように描いています。   (資料6)

また、

         絵画に描かれたヴァイキング船
ヴァイキングが活躍した時代には、大型ヴァイキング船の 船首に 、歴史的資料から 龍の頭を飾る船もあった と推測されています。 (資料7)


Lingsberg Runestone
スェーデンの Vallentuna から東に2kmほどにある Lingsberg 農場から出土。 (資料7)


Jelling stones (ジェリングストーン)  デンマークの Jelling という町で発見されたことによる命名のようです。
現在の周辺状況

余談ですが、 この Jelling stones の重要性は、デンマークという語句を刻むことで国の創生を明らかにしていることにある そうです。 (資料5)


Harald Bkuetooth の runestone と称されています。 上掲石碑の複製 です。 (資料8)
上掲の石碑は3面に文様や文字が線刻されています。これは 石碑のA面


複製であるこの Jelling stone のB面

Jelling stone のB面にオリジナルの色を復元した図
ライオンの体の周囲に巻きつく蛇(serpent)が描かれているようです。蛇はドラゴンに繋がっていきます。

序に、C面も ご紹介します、



上掲C面をデンマーク国立博物館でのヴァイキング展の時に彩色して展示された画像。
キリストの処刑とデンマークの洗礼声明(Danish baptism claim)を表しているそうです。


こんな図柄の runestone にも出会いました。詳細不詳。  (資料1)

ヨーロッパの神話や民話には、ワームまたはウォーム(Worm)と称される伝説上の生物 が登場するそうです。これが古くは、 Wyrm や Wurm とも綴られていた と言います。
もともとは、大蛇をさす言葉で Wyrm は、叙事詩『ベーオウルフ』やイングランド民話のなかではドラゴンとほとんど同義で使われれている とか。  (資料9)
上記の sea surpent の箇所でも、worm との関連がイメージされていることに触れています。

ファフニール (古代ノルド語)は、北欧神話・ゲルマン神話の物語である『エッダ』、『ヴォルスンガ・サガ』、『ファーヴニルの歌』などに登場します。
このファフニールがワームに変身する と言います。


北欧神話の『ボルスング・サガ(Volsunga Saga)』に登場する伝説の英雄 シグルド(Sigurd)が、ワームに変身してしまったファフニールを退治する場面 です。    (資料1)
 Hylestad Stave Church の門の右側の板の浮彫彫刻です。 12世紀後半の作

このファフニールが、ファーフナーという名前で
リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』に登場 します。

この絵は、 ファアーフナーを描いたもの アーサー・ラッカム作 。    (資料10)

さらに、ゲルマン神話に登場するドラゴンについて、ウィキペディアにある 「神話・民間伝承一覧」 に掲載されているものです。 (資料11)
Wyvern は、 神話上のドラゴン です。中世の紋章学ではよく知られているそうです。

この旗がその一例 。T Owain Glyndwr が Welsh territory (ウェールズ領)と主張しそれが成功した後に、Twt Hill にこの旗を掲揚したことで有名だそうです。 (資料12)


この旗は、 Wessex(ウェセックス)の旗 として近代、 19世紀にシンボルとして使われた と言います。 William Crampton の創案 。ウェセックスは、イングランドの南西部にあった古代のアングロサクソン族の一王国と言われます。真に王国であったかの確証はないようです。 (資料12)

Worm hill dragon は、紀元400年に居住し名付けた地名に由来し、民間伝承となったドラゴンですが、具象化された姿は不詳です。上記の worm に重なっているのかもしれません。
Knucker  というドラゴンは、ある種の water dragon(水龍)に対する地方語のようですが、詳細不詳です。
St. Leonard's Forest dragons も不詳。サセックスの民間伝承に登場するそうです。

Lindworm は、ゲルマンの紋章学によれば、 wyvern とほぼ同じ だと言います。
バンダル族の王国に由来するドラゴン紋章
Lindworm の一例 。詳細不詳。  (資料11)


Puk という名のドラゴンも各地の伝説に出て来るそうですが、詳細不詳です。これもスキップします。

ゲルマン神話・北欧神話領域での龍/ドラゴン探しを終わます。

つづく

参照資料
1) ​ Germanic dragon ​ From Wikipedia, the free encyclopedia
2) ​ Runic animal  ​   From Wikipedia, the free encyclopedia
3) ​ Vikings ​    From Wikipedia, the free encyclopedia
4) ​ Altuna Runestone ​ From Wikipedia, the free encyclopedia
5) ​ Sea serpent ​   From Wikipedia, the free encyclopedia
6) ​ Jormungandr ​   From Wikipedia, the free encyclopedia
7) ​ ヴァイキング船 ​  :ウィキペディア
8) ​ Jelling stones ​ From Wikipedia, the free encyclopedi
9) ​ ワーム(伝説の生物) ​ :ウィキペディア
10) ​ ファフニール ​     :ウィキペディア
11) ​ List of dragons in mythology and folklore ​ From Wikipedia, the free encyclopedia
12) ​ Wyvern ​   From Wikipedia, the free encyclopedia

補遺
北欧神話 ​     :ウィキペディア
Viking ships ​   :「AVALDSNES」
北欧の竜はドラゴンではなく蛇? ​  :「no+e」

 ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)


こちらもご覧いただけるとうれしいです。

観照 インターネットで【龍/Dragon】探しの旅へ  一覧表





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.01.19 13:42:40
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: