突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.07.11
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 「ミラ、まさかあなたが現れるとは、さすがのわたくしアナルケルにも、予想の外でございましたよ。 師のヴェガ先生にはちゃんとお許しを得てこられましたかな?」

 アナルケルと名乗ったこの神官が、誰なのか、ミラは知らなかった。
 が、アンタレスに害なす者だということはひと目でわかった。
 すぐにもアンタレスの命を奪いたい、その、静かな、濃い殺気が、神官の細い体全体から、目に見えるほどはっきりと立ちのぼっているのだ。

 この神官が、今まで、無防備に眠るアンタレスを殺さずにおいたのは、待っていれば必ず、彼を助けに来る者が現れるはずだから。 
 そして、現れてみなければわからないその誰かを、地上から完全に消すことが、この神官の、いや、神殿全体の、最終的な悲願とするところだから。

 そう悟った。


 僕は、神殿の罠にはめられたのかも、と思った。
 でも、怖いとは思わなかった。
 アンタレスを助けるためなら、何だってできるから。

 アナルケルが、ミラの気持ちを読んだように言った。
 「わが神殿に伝わる予言の書によれば、この書が記されてより一千年の後、神殿は、リシャーナの戦士の魔手により焼き討ちに遭うと明記されております。 それが、まさに今年ということです。 ミラくん、きみは、この黒豹を森に連れて帰り、リシャーナの戦士として目覚めさせるおつもりなんでしょう? そして、この神殿に火をかけるのですか? ・・・そんなことを許すわけには参りませんよ。 このアナルケルが、なんとしても阻止いたします」

 アナルケルの全身からゆらゆらと立ちのぼる、黒い煙のような殺意がいっそう強くなって、ぴりぴりとミラの体を刺し始めた。 まるで見えない針のようだ。

 思わず後退さったミラに、アナルケルが薄く笑って言った。

 「・・・その前に、まず、ゴルギアスの秘石“血の石”を、黒豹の身体から取り出していただきましょうか。 “血の石”があっては、せっかくわたくしがここであなたのお命をちょうだいいたしましても、また生き返ってしまわれましょう? それでは何にもなりません。 わが神殿に伝わる生き返りの呪法より、遥かに強い霊力を持つという“血の石”――― 黒豹は、それをふたつ持っているとか。 わたくしも、あなたが現れるときを待ちながら、黒豹の身体をずいぶんあちこち探しましたが、わたくしの『透視』の術を持ってしても、どうしても見つけることはできませなんだ。 まことに上手に隠したもの。 さあ、“血の石”は何処に? その石を取り出して用い、この深い眠りから目覚めさせなければ黒豹をここから連れ出すことはできませぬぞ。 それとも、目覚める前にわたくしが、彼に永遠の眠りを授けて差し上げようか?」





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最終更新日  2011.07.11 21:09:36
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