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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2016.11.27
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カテゴリ: 経済・ビジネス
​ 2011年、三菱自動車と日産は軽自動車開発のため
 共同出資会社を設立し、2013年には販売を開始した。
 開発期間を経て量産体制に入る直前には、燃費目標達成度を走行試験で確認。
 そして、その開発を2016年からは日産が引き継ぐことが決まった。

 そこで、日産が三菱自動車が開発した車両の走行抵抗値を調べてみると、
 国交省に提出した書類に記載されている数値と隔たりがあることが判明。
 こうして、三菱自動車による燃費不正が明らかになった。
 その後、日産は三菱自動車と資本提携を結ぶことになる。



「第1章 不正のメカニズム」では、今回の不正に至った根源を探る。
5回にも及んだ燃費目標切り上げに見られる、無理な要求の横行。
有言・無言の圧力で「出来ない」と言えないため生じた、不正を許す風土。
その結果、経営陣と現場の間には深い溝が。

「第2章 日産、電光石火の救済」では、
三菱重工・三菱商事・三菱東京UFJ銀行の3社の救済逡巡と、
敢えて火中の栗を拾おうとする日産ゴーン社長の思惑が描かれる。
そこには、自動車産業の構造変化と業界再編の問題が絡む。

「第3章 瞑想と凋落の20年」は、
「日経ビジネス」の記事で、三菱自動車の20年を追う。
米子会社でのセクハラ訴訟・総会屋への利益供与事件後の1998年から、


「第4章 なぜ変われなかったのか」は、
「日経ビジネス」等に掲載された歴代トップのインタビュー記事。
2001年の中村裕一氏から、2006年と2014年の益子修氏を経て、
2015年の相川哲郎氏まで。

   ***


起こった出来事を表面的になぞることに終始し、突っ込みは甘い印象。
もうしばらく時を経て、色々なことが分かってくれば、
もっと興味深い内容のものが出来そうな気がする。

「第3章」と「第4章」は、過去の記事を再掲したもの。
当時の空気感がリアルに伝わって来るというメリットはあるものの、
過去の資料を読み進めているだけという感じは否めない。
今後、現在の視点から記述した書物が出てくるのを待ちたい。

それでも、三菱自動車の盛衰や迷走ぶりは、本著から十分に読み取れる。
パジェロやアイ・ミーブを生み出した独創的な企業なのに、
益子氏の長期政権で、再建は前進しているかに見えたのに、
今回の事件……とても残念である。





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Last updated  2016.11.27 12:27:30
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