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kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2020.06.21
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カテゴリ: 文芸
​ たいていの場合、私は何冊かの本を並行して読み進めています。
 この『暗黒のゲルニカ』を読んでいる時には、
 マハさんの『やっぱり食べに行こう。』と村上さんの『やがて哀しき外国語』、
 そして、中川さんの『至高の十大指揮者』をとっかえひっかえ読んでいました。

 本作は、1937年から1945年にかけてのパリ、ムージャン、ロワイヤンと、
 2001年から2003年にかけてのニューヨーク、マドリッド、ビルバオ、
 そして、スペイン国内某所を舞台にしたお話なのですが、
 これに、意図せず並行して読んでいた数冊の本が、見事にシンクロしていたのです。


マハさんが『暗黒のゲルニカ』の取材のため、
スペイン国内5都市を旅して回った時の様子が記されていました。
まぁ、これは別に驚くほどのことではありませんね。

そして、『やがて哀しき外国語』は、村上さんが1991年初めから約2年半、
アメリカのプリンストンに滞在した際に書かれたエッセイですが、
その渡米直前、米軍がバグダッドをミサイル攻撃、湾岸戦争が始まったと記されています。
この戦争こそが、本作で描かれている様々な社会情勢を生み出す契機となったのです。

さらに、『至高の十大指揮者』に登場するトスカニーニ、ワルター、
そして、フルトヴェングラーらは、まさにピカソが活躍した時期に、
欧米各地で大活躍した偉大なるマエストロたち。
そこで描かれている彼らの周囲に漂う空気感は、まさに本作と同じものでした。



スペイン内戦の最中、ゲルニカが空爆されると、ピカソはその怒りをキャンバスにぶつけ、
その創作過程の一部始終を、恋人で写真家のドラ・マールに撮影させた。
完成した作品は、パリ万博でスペイン館に展示された後、北欧やイギリスを巡回すると、
戦火を避けるべく、ニューヨークのMoMAへと移されたのだった。

1981年、スペインが民主主義国家として再出発を果たすと、

その人類の至宝を、再びニューヨークに呼び戻そうとしているキュレーターがいた。
それは、2011年9月11日の同時多発テロで、恋人を失った八神瑤子だった。

   ***

『楽園のカンヴァス』 から始まった、マハさんだけが描きうる独自のアートの世界。
それが確実に進化・発展した姿が、この『暗幕のゲルニカ』には見られます。
『リーチ先生』 『デトロイト美術館の奇跡』 は、その流れをくむものでしょう。
もちろん、その他の流れに属する作品群も、私は大好きです。





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Last updated  2020.06.21 20:25:25
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