音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年08月06日
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「音楽は変わらなければならない」


 ザ・フーのアルバム 『フー・アー・ユー』 に収録された、あまり目立たない曲。『フー・アー・ユー』というアルバム自体も、ザ・フーの歴史の中では、あまり注目されない。オリジナルメンバーだったキース・ムーンが亡くなる直前のアルバムとして記憶されている程度かもしれない(実際、彼の死のダメージでバンドは1982年にいったん解散する)。

 1965年の 『マイ・ジェネレーション』 以降、ザ・フーは音楽を変えてきた。労働者階級や当時の若者の代弁者としてイギリスのロック・シーンを担い、1969年の『トミー』では"ロック・オペラ"と呼ばれるジャンルを開拓した。1971年の 『フーズ・ネクスト』 では、シンセサイザーを先進的に使い、後にテクノにも影響を与えたとされる。ステージ上ではギターやドラムセットを叩きつけたり壊したりするという、破壊的なパフォーマンスを展開した。

 1978年に『フー・アー・ユー』がリリースされた頃には、そんなザ・フーの"旬"は過ぎていたのかもしれない。けれども、彼らは、とりわけ、曲を作ったピート・タウンゼントは、「音楽とは常に変化していかねばならない」という命題を重く受け止め続けていたのだと思う。時代を切り開いた者がそこに安住するのではなく、さらに次の時代を切り開くにはどうすべきかという思考を続けていたのである。

 この「ミュージック・マスト・チェンジ」という曲に、「ザ・フーらしさ」はあまりない。ドラムをフィーチャーせずシンプルで静かな曲調に鬼気迫るヴォーカルの組み合わせ。よく聴くとタウンゼント(シンセ、ギター)はバックでいろんな細かな工夫を凝らした演奏をしている。ザ・フーがやはり革新的だったことを再認識させる隠れた小品。



[収録アルバム]
Who Are You (1978年)




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フー・アー・ユー +5 [ ザ・フー ]




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Last updated  2019年08月02日 21時08分23秒
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