トッド・ラングレン(Todd Rundgren)が『サムシング/エニシング?』(1972年)以来の一人マルチレコーディングに臨み、1978年に発表したのがこの『ミンク・ホロウの世捨て人(Hermit of Mink Hollow)』である。トッド・ラングレンという人は作品ごとに(さらには同一アルバム内でも曲ごとに)結構作風が変わったりする。そのせいなのかもしれないが、日本では一定のイメージで超有名になることもなく、結果的には正当に評価されていない感じがする。あるいは、本人のキャラにマニアックな部分が強いから一般受けしないのだろうかとも思ったりする。けれども、メロディメイカーとしても、演奏者としても、歌い手としても、プロデューサーとしても、本当にマルチな才能を備えたミュージシャンなのだ。